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【THE TEAM】×介護施設! #2「人員選定」

前回までの続き。

チームのアップデートで悩んでいた僕に、「THE TEAM」は、希望と行動をくれました。

第1章「目標」

多分多くの介護施設が苦手なところが、いきなりやってきました。

経営者・管理者・介護職、
それぞれによって見ている「方向」「距離」「色」が違う【目標】。

それをどう理論立てて説明し、
「一緒に考えていくか」
を導いてくれました。

noteを書く目的は、

・記憶に残すため
・チームに生かしていくため

です。

介護業界、労働集約型産業で、「マネジメント」にお困りの方の一助になりたいと思います!

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今回は、第2章「人員選定」です!

”いや、そもそも介護って人員不足なんですけどw”
”選定って、辞めさせるの?無理ゲーw”

などなど、業界の皆さんが思っているように、僕も同じように思っていました。

結論から言うと、

「介護施設」という”チーム”の活動をきちんと理解し、今のチームにかけているものは何か?

ということです。

第1章の「目標」は、言い換えれば「何をやるか?」という問いでした。

では、「やる」ことを「誰とやるのか?」は、こと介護業界においてはあまり語られないことです。


今回も、「介護をアップデート」していきましょう!


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#2 <人員選定>


介護と”人”


介護施設において、
「どんなサービスを受けられるか?」ということと同等、あるいはそれ以上に大切なポイントは、「どんな”人”からサービスを受けられるか?」は非常に重要です。

”それはどんなサービスだって同じだろ!”

まあそうなんですが、もう少し考えてみると。

例えば、「いい人がいるコンビニでアイスを買いたい!」って思いますか?
思いますよね?
じゃあ、コンビニに入り、店員さんをじーっと観察して、
「うーん、ここのコンビニの店員さんは、あんまり良い人に見えないから、アイスを買うのはやめよう」って思いますか?

思わないんです。

もちろん例外はありますが、サービスの種類によって「誰から受けるか」が変わってきます。

皆さんは、自分や自分の家族が、介護サービスを受ける際に、
上記のコンビニ選びと同じようにサービスを決めますか?

”この人なんか合わないなあ〜”って思う人に、入浴介助や排泄介助や食事介助をしてもらいたいですか?

してもらいたくないですよね?

それをこの本では、このように書いています。

要するに、人は時として、「サービス内容」だけでなく、「サービスを提供する”人”」で選んでいる場合が多い。
ということです。

事務作業や書類整理、物品発注など、比較的テクニカルな”サービス”などは、「内容>人」となる場合が多いですが、

衣食住に関わる「介護」においては、「内容<人」となる場合が多いのではないでしょうか?


サービスを受ける受けない前提でダラダラ書いてしまったので、話を戻すと、
「チーム単位」で見ても、
”誰を仲間とするか?”は非常に重要な問題です。

ある研究結果では、【介護職の離職】において、最も大きな原因は「人間関係である」と明らかにされているものもあります。

・陰湿ないじめ
・盗難
・妊娠すると怒られる
・親の介護があると怒られる
・病気になり、夜勤に入れないと嫌われる

これらは、ネットで調べたものでも、又聞きで聞いたことでもありません。

「実際に経験した人」からのリアルな声です。

バカでしょ?
全く無意味なことしてるでしょ?
こんなことしてる暇があれば仕事しろよ、って思うでしょ?

でも、これがリアルなんです。

うちのチームは、一年以上離職ゼロです。
いじめなんてもってのほか。
同僚スタッフの子供が熱なんか出したときには、
「私出れます!」「私も出れます!」の応酬です。
僕や管理者が何かいう前に、勝手にシフトと業務予定が決まっています。

以前に書いたnoteでも、スタッフさんが「人は本当に大切。働き方に大きく関わる。」と言っていました。

チームの成否を大きく左右する「人員選定」を勉強していきましょう!


介護施設は”何型”?


まずこの本では、「チーム」を4つの象限に分けて分析されていました。

【環境の変化度合いの大小】【人材の連携度合いの大小】です。

細かい説明は、本を読んでもらえるとわかるので割愛します。


介護施設に当てはめると、

【環境の変化度合い:小さい】
【人材の連携度合い:大きい】

本の中では、「野球型」と名付けられています。

「飲食店」の例があったので、これに近いのかな?と思います。

要するに、”施設の立地・内装”がいきなり変わることはありません。
「介護保険料削減」など政策により多少の動きはありますが、
明日からいきなり介護報酬が”5分の1になる”みたいなことはありません。
トラブル等起きていない状況で、利用者さんが一ヶ月後に5分の1になることもありません。

つまり、環境による変化は少ない。ということです。

人材については、このように書かれています。

介護に当てはめると、

契約→サービス担当者会議→送迎→出迎え・お茶出し→リハビリ→入浴→食事介助→レクリエーション→体操→送迎→送迎→出迎え・・・・

大きな施設や、内部の職員は、1つ1つの業務がぶつ切りになっているように錯覚しているかもしれません。

しかし、利用者さんは「何のサービスを受けているのか?」と問うてみると、

「デイサービス」を受けているんです。

もちろん、「お風呂は好きだけど、体操は嫌い」って方はいると思いますけど、

それをあえて無視すると、

全部まるっと”1つのサービス”なんです。

よく聞かれる例を挙げます。

A「〇〇さん、お風呂の時は笑顔なのに、体操の時はそうじゃないみたい。」
 「体操担当のBさん、ちゃんと仕事してるのかな?」
それを耳にしたBさん
B「いや、Aさんのお風呂が下手くそだから、疲れちゃって、体操ができないんじゃないの?」

この後、どうなるか分かりますか?

そうです。

喧嘩になるんです。w


もう理由を説明しなくてもお分かりだと思いますが、
スタッフ同士が連動しないと業務を健全に進められません。



つまり、

介護施設の「チームにも最適解」があるということです。



ここで、

この章のタイトルに疑問が湧きませんか?

「人員選定」

上記にも書きましたが、
”折角入職してくれたスタッフをやめさせるの?”
”そもそも人員不足で、選定なんて考えられないよ”

この本で書いてあることはそういうことではなくて、
「入り口」(採用・エントリーマネジメント)と、
「出口」(退職・離脱)のどちらにこだわったほうがいいのか?
ということです。

介護施設の場合はどうか?

人員不足、採用しても応募すら来ない。
そんな状況であることは明白ですが、
この本で書かれていることは、こちら、

つまり、

環境に応じてメンバーの強みを活かしたり、入れ替えたりするような機会は少なく、
逆に、スタッフ同士の連携が重要になってくるため、

「入り口」にこだわることがいい、ということです。


介護スタッフの多様性


ビジネス全体で見ると、今はちょうど過渡期の終盤に入っていて、

業界全体で固まる(業界>会社)

会社全体で固まる(会社>個人)

個人の実力(会社≦個人の”能力”)

個人の多様性???(今ココ

となっていて、
今でいうと、テクノロジーの発展により、個人の多様性を受け入れやすくなっています。

では、
介護だとどうでしょう?

”人材不足が慢性的で、とにかく一人でも多く採用すること。多様性なんて考えられない。。。”
というのが現実でしょう。

ただ、安易に考えて、”誰でもいいから採用しよう!”となると、、、
不幸な結果になります。

とにかく応募が来た全員に内定を出し、
離職率30パーセント/年。

というのが、介護業界んい突きつけられた事実です。

採用基準をいきなり高く設定したり、面接を1回から4回に増やすことはかなり難しいです。(うちは4回やってますが。)

なので、この内容は僕自身も”どう読み解いて行こうか?”と迷いました。


ただ、参考にできるとすれば、

この部分は、介護でも十分に参考にできると思いました。

採用の入り口を設定する際、
今のチームのどの部分に偏りがあるのか?
欠陥があるのか?
を明確にすることはできるんじゃないかと思います。

例えば、

・想いを持って、会社の理念を体現できる人が少ない。
・若いスタッフが多く明るい雰囲気だが、能力や知識に乏しい。
・大きな声のスタッフは多いが、細やかなサービスが行き届いていない。

これを整理した上で、採用活動に入れば、
働く姿を想像しながら面接できるし、
”どんな特徴を持った人と働きたいか”をベースに採用を進めることができます。

また、

洗濯物を干すのが雑なんだけど、
利用者さんと話していると、必ず盛り上げてくれるし、
雰囲気の悪いスタッフミーティングでは真っ先に手を挙げて発言して、
みんなを盛り上げてくれる。

そんなスタッフさん、皆さんの周りにいませんか?

多分いると思うんです。

たった四年しか介護に関わっていない僕の同僚にもいました。

引用した「メッシ選手」について、少しだけ書きます。

メッシ選手は、どの試合のデータを見ても、全選手の中で、ダントツに走る距離が短いんです。

去年のサッカーW杯の中で、「日本チームは走る距離が多くてすごい!」と各メディアがこぞって取り上げていました。

でも、”世界最高の選手”であるメッシ選手は、
「全然走らないんです」

どういうことかというと。

「ゴールの専門家」なんです。

チームからは、「守備への参加」を免除されているらしいです。

つまり、一般的な選手がやるべきハードワークをせず、
「得点を決める」ことだけに集中しているわけです。

これって、介護に当てはめると、

洗濯物を干すのが雑なんだけど、
利用者さんと話していると、必ず盛り上げてくれるし、
雰囲気の悪いスタッフミーティングでは真っ先に手を挙げて発言して、
みんなを盛り上げてくれる。

この人ですよね?


「介護施設」は、環境の変化度合いが小さく・人材の連携度合いが大きい。

つまり、「多様なスタッフが多い方が効果的」と言えます。そして、その特性を理解した上で、採用・教育・コミュニケーションを図ることができれば、より「チーム」として成長することができるのではないでしょうか。


これからの介護は本当に「野球型」?


これまで書いてきた内容は、あくまで”現在”の介護施設における人員選定でした。

ここで1つの疑問が湧いてきます。

「本当に介護施設は、環境の変化度合いが小さくて、人材の連携度合いが大きいのか?」

介護保険という、ある種制度に守られた場所にいることで、
考え方全体が「保守的」になっているのではないか?と思いました。


これまでの介護は、「老人の幼稚園」と揶揄されてきたように、

”おじいちゃん、おばあちゃんは、これがいいんでしょ?w”

という「若者のエゴ」「一般社会のエゴ」が色濃く映し出されたものでした。


しかし、街中で見る高齢者は、皆さんが想像しているような”おじいちゃん、おばあちゃん”ですか?

僕は、「高齢者」という存在が変化してきているように思えてなりません。

平均寿命は、順調に伸び続け、90歳の高齢者は珍しくなくなりました。
定年は段階的に70歳、75歳となるでしょう。
「人生100年時代」という流行語が生まれた背景にも、
高齢者の変化をみんなが少しずつ感じてきたからではないでしょうか?

かつて言われてきたような、「60歳で定年、赤いちゃんちゃんこが似合うおばあちゃん」なんてものは存在しません。


もう一度、読んでくださってる皆さんに問いかけたいと思います。


本当に、介護は「環境の変化度合いが小さい」でしょうか?


そんなに遠くない未来、きっと、
「高齢者」「介護」を取り巻く環境は激変します。

そして、その環境変化に、多くの介護施設や介護職は適応できず、沈んでいくでしょう。


このままでいいんでしょうか?


きっと、ここまで読んでくださっているのは、
「チームをなんとかしたい」方、
「介護に想いを持っている」方、
多いんじゃないですか?


このままでいいんですか?


環境が変わっていくことに、ただただ指をくわえて、
現場のスタッフに言い訳しながら、
チームと一緒に沈んでいくんですか?


介護ってかっこいい!


僕は、そう思うからこそ、

実際に、現場でキラキラしている人をいっぱい知っているからこそ、


不幸な人を生み出したくありません。


僕もまだまだ道半ばであるがゆえに、
最後に明確な「指針」や「答え」を皆さんに提示することはできません。


でも、だからこそ、この【THE TEAM】で書かれていることを同時に勉強しながら、1ミリでも前に進めて行きましょう。


一緒に、まだ見ぬ未来を作っていきましょう!





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今日はここまで!!!

※次回は、【意思疎通】についての章です!
利用者さんとのコミュニケーションに目が行きがちな介護業界ですが、
「チームとしてのコミュニケーション」にはどんなものがあるのか?
次回も一緒に学んでいきましょう!





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