アステル@ワインとフランスと日本と私

フランスのリヨン市在住→郊外へ引越し(家を買ったった!)。ワイン関連のお仕事をしていま…

アステル@ワインとフランスと日本と私

フランスのリヨン市在住→郊外へ引越し(家を買ったった!)。ワイン関連のお仕事をしています。気づけば在仏9年目、30代後半突入。 日仏のいろいろを書き綴っていきます。

記事一覧

【自為読書】 エピソード1.0 ギリシア神話

自分のための読書を略して「自為読書 (ジタメドクショ)」と名付けてみた。 私がこういう読書をしようと思い、何から読んだらよいのだろうと探り、、、行きついたのが「…

エピファニー 2021

日本でもほんの少しずつ知名度が上がってきた「エピファニー」と「ガレット・デ・ロワ」。 その背景に商業的な意図が見え隠れどころか見え見えであるところはおいておくと…

【フランス流地産地消メニュー】クリスマス2020

あれよあれよという間に、今年のノエルも終わった。 家を買って初めて過ごすノエルは、友人と義母を招いて、美味しいものを食べてまったり終わった(と思う)。 パリにい…

バルコニーでクリスマスを

フランス語のことわざで、 Noël au balcon, Pâque au tison. 発音:ノエル・オ・バルコン、パック・オ・ティゾン 直訳:バルコニーでのクリスマス、火の横でのイースタ…

自分のための読書 エピソード・0.5 「紙の本 VS 電子書籍」

前回の投稿に続き、うっとうしい題名をつけてしまったが、一度これをまとめて書いておきたかった。 それは 紙の本 VS 電子書籍である。 日本での電子書籍の普及具合は…

サパン・ド・ノエル(仏語)= クリスマスツリー(英語)を飾ってみた。

第二回目ロックダウンを、「ノエル(クリスマスの意の仏語)」を理由に部分的に解除したフランス。 と同時に、「サパン・ド・ノエル」の販売も始まった。 例年、「置く場…

自分のための読書を始めよう。 エピソード・0

『読書』というものを、私はこの歳になるまで自分なりにちゃんと考えたことが無かった。 「本を読め」という言葉は、誰しもが誰かから必ず耳にするが、つまり「読書とはい…

フランスの秋の夜長に…(長すぎて朝も暗い)

11月22日、いい夫婦の日だ。日本語は何かと語呂合わせが多いと思う。 フランス語は同音異義語があんまりない。 でもワインには、Vin(ワインの意味のヴァン)とVingt(数…

フランス流 キノコ狩り

食の秋というのは、日本もフランスも共通していると思うが、その中でもキノコ狩りは栗拾いと並んでフランスでは最もポピュラーな楽しみだと思う。 日本でももちろんキノコ…

Vendanges 2020 コンドリユーにて その3:私が見た2020年ビンテージ

10月25日(日)に冬時間に移行した。 この日を過ぎると一気に冬に向かって加速していく感じがするフランス。 日照時間が日に日に短くなっていく速さには、まる8年経った今…

Vendanges 2020 コンドリユーにて   その2:収穫の雰囲気

「ワイン用のブドウの収穫」と聞いて、どんなイメージを持つだろう。 やる気に満ちたワイン好きな人達によって丁寧に摘み取られる… ブドウ畑という自然の中で清々しく息…

2020年10月8日 在仏8年

題名の通り、在仏まる8年になった。 しばらくぐずついた天気が続いていたけれど、今日は薄雲がかかった青空に秋の太陽がきらめいている。 8年前、夫とシャルル・ド・ゴー…

Vendanges 2020 コンドリユーにて その1:収穫の流れ

コロナのドタバタの最中である今年も、ブドウにとっては微塵も関係なく、記録的な早熟だった2020年ビンテージも収穫の季節を迎えました。 (もといもうすぐ終わろうとして…

ワインにおける正しさとは…?

ワインは知識で飲むものなのだろうか。と、よく自問する。 ワインに関する知識を売る本はとかく多いし。(私もそれなりに読んできた方だと思う。) ワインを飲む上での「…

Charmesの謎が解けた時

私はなぜか「Charmes(シャルム)」と名の付くワインが好きである。 いくつも出会って試飲してきたが、そのどれもが特別な理由なく「好きだ」と感じた。 なんでだろう、と…

ラベンダーと爽やかなクレレット

日本では北海道でしか見られないと言っていいほど、ある意味で貴重な「ラベンダー」。 フランスではやや寒い北部でさえ雑草のように生えているのだが、やはり本拠地は南部…

【自為読書】 エピソード1.0 ギリシア神話

【自為読書】 エピソード1.0 ギリシア神話

自分のための読書を略して「自為読書 (ジタメドクショ)」と名付けてみた。
私がこういう読書をしようと思い、何から読んだらよいのだろうと探り、、、行きついたのが「まずは神話を読もう」であった。

1.ギリシャ神話を選んだ理由自為読書の目的は、自分の心の居場所を作ることでもあるから、表面的ではなく完全に内省できるものが良かった。
なにかこう、表面的なものではなく、自分の心の根幹を為すものを理解すること

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エピファニー 2021

エピファニー 2021

日本でもほんの少しずつ知名度が上がってきた「エピファニー」と「ガレット・デ・ロワ」。
その背景に商業的な意図が見え隠れどころか見え見えであるところはおいておくとして…、フランスの地元民が見るガレット・デ・ロワについて書いてみる。

1. ガレット・デ・ロワとはキリスト教(カトリックもプロテスタントも含む)の公現祭に食べるお菓子のこと。
公現祭とは、イエス・キリストの洗礼と、東方の三博士の訪問と礼拝

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【フランス流地産地消メニュー】クリスマス2020

【フランス流地産地消メニュー】クリスマス2020

あれよあれよという間に、今年のノエルも終わった。
家を買って初めて過ごすノエルは、友人と義母を招いて、美味しいものを食べてまったり終わった(と思う)。

パリにいた頃は、義母宅でクリスマスを過ごすことがほとんどだったので食事の準備からなにからお任せ状態だったのだが、今回は自分で準備することになる。
ということで、リヨンを含むオーヴェルニュ・ローヌアルプ圏をテーマに、可能な限り地産地消のメニューを作

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バルコニーでクリスマスを

バルコニーでクリスマスを

フランス語のことわざで、

Noël au balcon, Pâque au tison.
発音:ノエル・オ・バルコン、パック・オ・ティゾン
直訳:バルコニーでのクリスマス、火の横でのイースター

というのがある。

バルコニーで過ごせるくらいクリスマスの気候が暖かければ、イースター(キリストの復活を祝う春の祭り)は冷え込むから暖が取れるところで過ごすことになる、ということだ。
確かにここ何年も

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自分のための読書 エピソード・0.5 「紙の本 VS 電子書籍」

自分のための読書 エピソード・0.5 「紙の本 VS 電子書籍」

前回の投稿に続き、うっとうしい題名をつけてしまったが、一度これをまとめて書いておきたかった。

それは

紙の本 VS 電子書籍である。

日本での電子書籍の普及具合は低いらしい。数字はきちんと調べてないが、中韓と比べてもかなり低いそうだ。
その大きな理由は価格だろう。出版・印刷会社の利権問題も当然あるだろうが…。
同じ本でも、紙媒体と電子媒体での価格がほとんど同じだから、Kindleなどの電子書

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サパン・ド・ノエル(仏語)= クリスマスツリー(英語)を飾ってみた。

第二回目ロックダウンを、「ノエル(クリスマスの意の仏語)」を理由に部分的に解除したフランス。
と同時に、「サパン・ド・ノエル」の販売も始まった。

例年、「置く場所がない」のと「たった1カ月のために切られる木がかわいそう…」という二つの理由でサパンを飾ってこなかった私と夫だが、今年は家を買ったし、流れ的に今年のノエルは義両親を呼んでわが家ですることになりそうだから、例外的にサパンを買った。

フラ

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自分のための読書を始めよう。
エピソード・0

自分のための読書を始めよう。 エピソード・0

『読書』というものを、私はこの歳になるまで自分なりにちゃんと考えたことが無かった。
「本を読め」という言葉は、誰しもが誰かから必ず耳にするが、つまり「読書とはいったい何か」を自分なりに考えて理解した上で読書をしている人ってどれくらいいるんだろう。

考えるために自分の読書遍歴を振り返ってみた。

読書は、記憶のあるころには「させられるもの」だった。
夏休みには「読書感想文」が宿題の中に必ずあって、

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フランスの秋の夜長に…(長すぎて朝も暗い)

フランスの秋の夜長に…(長すぎて朝も暗い)

11月22日、いい夫婦の日だ。日本語は何かと語呂合わせが多いと思う。

フランス語は同音異義語があんまりない。
でもワインには、Vin(ワインの意味のヴァン)とVingt(数字の20という意味のヴァン)が同音異義語であり、かつ、フランスのテストの点数表記が20点満点なのもあり、満点を意味するVingt sur vingt(20/20、の意)をモジって、Vin sur Vingtなどという言葉遊び・

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フランス流 キノコ狩り

フランス流 キノコ狩り

食の秋というのは、日本もフランスも共通していると思うが、その中でもキノコ狩りは栗拾いと並んでフランスでは最もポピュラーな楽しみだと思う。
日本でももちろんキノコ狩りができるが、ポピュラーなのはリンゴやブドウなどの果物狩りなのではないだろうか。

フランスの、「法令」では、公有地の森林におけるキノコ狩りは、個人消費に限り一家族5kgまでの採取が許されている。
もちろん見つからなければそれ以上採っても

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Vendanges 2020 コンドリユーにて
その3:私が見た2020年ビンテージ

Vendanges 2020 コンドリユーにて その3:私が見た2020年ビンテージ

10月25日(日)に冬時間に移行した。
この日を過ぎると一気に冬に向かって加速していく感じがするフランス。
日照時間が日に日に短くなっていく速さには、まる8年経った今でも、ついていくのがしんどいと思う。

ワインの醸造の方はどうだろう。
低温発酵しているところはまだ発酵中だろうか。赤はマロラクティック発酵中だろう。
ボジョレーヌーボーはもうそろそろ瓶詰が始まるのだろうか。
来週には仏国内の営業がヌ

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Vendanges 2020 コンドリユーにて   その2:収穫の雰囲気

Vendanges 2020 コンドリユーにて   その2:収穫の雰囲気

「ワイン用のブドウの収穫」と聞いて、どんなイメージを持つだろう。

やる気に満ちたワイン好きな人達によって丁寧に摘み取られる…
ブドウ畑という自然の中で清々しく息をしながら楽しく…

というようなイメージが真っ先に浮かぶかもしれない。
私も以前はそうだった。
実際は、これらは合っている部分もあるが、そうではない部分ももちろんある。
ドメーヌによって違うので、これはあくまで私の主観。

というのも、

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2020年10月8日 在仏8年

2020年10月8日 在仏8年

題名の通り、在仏まる8年になった。
しばらくぐずついた天気が続いていたけれど、今日は薄雲がかかった青空に秋の太陽がきらめいている。

8年前、夫とシャルル・ド・ゴール空港に着いた時のことを今でも鮮明に覚えている。
雲が厚くて薄暗く、うっとうしい霧雨が降っていて、気温15度程度だった。
猛暑が終わり、やっと秋めいて過ごしやすい天気になった東京を発ってきた私にとっては、12時間のフライトで初秋から初冬

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Vendanges 2020 コンドリユーにて その1:収穫の流れ

Vendanges 2020 コンドリユーにて その1:収穫の流れ

コロナのドタバタの最中である今年も、ブドウにとっては微塵も関係なく、記録的な早熟だった2020年ビンテージも収穫の季節を迎えました。
(もといもうすぐ終わろうとしてますが…。)

そろそろブドウ畑に戻りたいなぁという気持ちが強くなり、今年は収穫にフルで参加(約3週間)。
以前研修で行っていたコンドリユーのドメーヌにお世話になりました。

いろいろ書きたいことがあったので、Vendanges 202

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ワインにおける正しさとは…?

ワインは知識で飲むものなのだろうか。と、よく自問する。

ワインに関する知識を売る本はとかく多いし。(私もそれなりに読んできた方だと思う。)
ワインを飲む上での「テイスティング知識」であったり、数多あるワインからいくつか(良いものと思われるもの)を抽出した「ワインバイブル」なるものは、数える気も起きないくらいあふれているのだけど、それらを読む時は必ず「正しさ」を求めている気がしてならない。
書き手

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Charmesの謎が解けた時

Charmesの謎が解けた時

私はなぜか「Charmes(シャルム)」と名の付くワインが好きである。
いくつも出会って試飲してきたが、そのどれもが特別な理由なく「好きだ」と感じた。

なんでだろう、とずーっとぼんやり思っていた。
Charmes…可愛げ、愛らしさ、チャーム(お守り)…と、もやもや考え、でもすぐに「答え」を知ろうとは思わずそのままにしておいた。
全てを詳らかに知ってしまうとつまらない。

それから数年経って、とあ

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ラベンダーと爽やかなクレレット

ラベンダーと爽やかなクレレット

日本では北海道でしか見られないと言っていいほど、ある意味で貴重な「ラベンダー」。
フランスではやや寒い北部でさえ雑草のように生えているのだが、やはり本拠地は南部プロバンスである。
あたり一面に咲き誇り、香りがよく、青空との対比が非常に美しいその光景を、つい先日初めて見に行ってみた。

麦わら帽子を被り(じゃないと黒髪は頭が焼けるほど熱くなる…)、サンダルを履き、今年15歳かつ走行距離約15万キロの

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