見出し画像

フランスの秋の夜長に…(長すぎて朝も暗い)

11月22日、いい夫婦の日だ。日本語は何かと語呂合わせが多いと思う。

フランス語は同音異義語があんまりない。
でもワインには、Vin(ワインの意味のヴァン)とVingt(数字の20という意味のヴァン)が同音異義語であり、かつ、フランスのテストの点数表記が20点満点なのもあり、満点を意味するVingt sur vingt(20/20、の意)をモジって、Vin sur Vingtなどという言葉遊び・語呂合わせがあったりする。
だけど、わりとレアケースだと思う。

そんなことを思った日、フランスは冬時間に変更されてから約1カ月が経ち、冬至まであと1カ月となった。
秋の日はつるべ落とし、なんていう言葉があるが、フランスはこれが本当に顕著で、冬時間変更で1時間日の入りが早まったうえに、この1カ月で更に日が短くなった。

数字で見ても明らかである。
10月24日(土) 18:39 夏時間最終日
10月25日(日) 17:37 冬時間初日
11月22日(日) 17:03 今日
1カ月足らずで1時間半も減るんだから、つるべの落ちる速度は半端ない。
ちなみに日の入り時間はここからはそんなに変わらず、冬至の12月21日(月)で16:59なのである。

日が短くなるのは、何も日の入り時間だけではない。
日の出時間も冬時間初日はいいものの、その後急激に遅くなる。

10月24日(土) 8:10 夏時間最終日
10月25日(日) 7:12 冬時間初日
11月22日(日) 7:51 今日

ロックダウンが続くフランスだけど、生活リズムを崩さないために7時には起きるのだが(それでも遅い)、7時に起きても薄暗いのである。
薄暗いというより、街灯がまだ点いている時間で「夜」なのである。
そして日の出時間は日の入り時間と違って、今日からもまだまだ遅くなる。冬至の12月21日(月)には8:20だ。
フランスでは1年の中でけっこう長い間、「真っ暗な朝」に起床しなければならないのである。
そして真っ暗な中に起きるのはガチでしんどい…。夜起きているよりしんどい。

朝活を推奨する人たちはこう言う。
「朝起きたらカーテンを開けて日を浴びましょう!日光は体を起こしてくれます!」と。
…いや、カーテン開けても真っ暗なんっすよねー…こちらは…と、何度ツッコミを入れただろう。

それにしても、在仏9年目になっても慣れないのは、夏と冬の日の長さのギャップの大きさなんだろうと最近分かってきた。
夏至は5:50-21:35、15時間45分という日照時間(空が明るい時間を加えるともっと長くなる)で、
冬至が8:20-16:59、8時間39分という日照時間だから、夏至と冬至の日照時間の差は約7時間。
日の入り時間の差だけ見ると4時間半もある。
日本(東京)だと夏至と冬至の日照時間の差は約5時間、日の入り時間の差は約2時間半だから、
日仏のギャップはかなりあると言ってもいいだろう。

まぁ、、、フランスの緯度の方が日本よりも高いから当たり前なんだが…。

加えて、「秋」という季節に対する感覚も違う。
日本の秋はつるべ落としではありつつも(現に、今日の日本の日没はフランスのそれよりも早い)、空気が乾燥し、光があり、イチョウの黄色がきらきらとし、もみじの紅色も鮮やかで、「美しい」季節だと感じていた。

が、フランスの秋は違う。

天気はぐずつき、雨が多く湿気ていて、霧が出ることも多くて、紅葉と言っても、枯葉の茶色や茶褐色、明るくてやや黄色というのが主な色で、それに加えて、日がどんどん短くなる「うすら淋しい」季節、なのである。
日本の秋を知らないフランス人にうっかり「秋が好き」と言うと、不思議な顔をされるのはこの違いのせいである。
「随分と物悲しい季節が好きなのね。」と哀れみの表情すら浮かべられたこともあった…。

そんな日仏の秋事情。
どちらが良いとかそういう話じゃなくて、二国が違うということ。
その違いに、いまだについていけていないのは私の歳のせいなのだろうか…(白目)ということ。

さて、初霜も降りたし、そろそろチーズフォンデュの季節。
これはこれで楽しみである…!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?