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心理的描写の作品

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日常の心理的描写をもとに書いた作品をまとめてみました。
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#日記

言葉の宇宙に溺れていくように

言葉の宇宙に溺れていくように

誰かの言葉によって救われ
誰かの言葉によって傷つけられることがある。
顔の見えない言葉でこの世界は溢れている。
夜空に広がる星たちのように
簡単に触れることができる。
私の心を軽くした言葉も。
希望を見せてくれた言葉も。
涙を見せてくれた言葉も。

誰かから直接受け取る言葉よりも
関わりのない人から受け取る言葉に
ほんの少しの期待と恐怖感の両方を持ちながら
私も目の前に広がる宇宙に
自分の言葉を投

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侵食と多様性

侵食と多様性

身に覚えのある胸騒ぎが私のもとへ訪れた。
何も考えられないほどの混乱と強いめまいが
同時に襲いかかった。
私は誰かの基準、価値観に侵されている。
期待、責任、役割、苛立ち、蔑んだ眼差し。
それらを同時に処理し切れなくなった
私に告げられたのは
適応障害という4文字だった。

私自身がこの先をどのように歩むべきなのかを
問われた瞬間で、他人の基準や価値観に
応えることのできなかった私自身と
私の価値

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唯一無二を追求した旅路の果てに

唯一無二を追求した旅路の果てに

唯一無二の魅力、唯一無二の声、唯一無二の美しさ。
誰もたどり着けないくらい
自身の唯一無二な部分を探す旅を
私はずっと続けている。

私は容姿に恵まれたわけでも
運動神経が抜群なわけでもない。
輝かしいほどに綺麗な声も持ち合わせていない。
それでも追求することを止めずに歩いていた。
目の前に誰にも手にできないものがあることにも気づかないまま。

テレビに映る容姿端麗なあの人も
ステージ上で思いのま

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心の調子と見えない世界との繋がり

心の調子と見えない世界との繋がり

3年振りくらいに心が悲鳴をあげた。
たくさん浴びせられた言葉たちを
受け止め切れず、閉ざされていたはずの
心の扉は無理矢理に開かれた。

そして、心の調子が悪くなり
様々な感情が溢れ出してくる瞬間に
この世のものではない何かがやってくることがある。
私は俗に言うこの世に存在しない何かが
日常的に見える存在ではない。
いや、見えなくなったと言うのが正しい表現かもしれない。

幼い頃は視覚的にも見える

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ため息

ため息

ふう。と1つ、ため息をついた。
いつものように見る街並み。
いつものように歩く歩道。
いつものように青い空。

なにひとつと言っていいほどに
私の周りにあるそれらは
変わらずにそこにある。
ひとつ、またひとつと
私の心は重くなったり
軽くなったりを繰り返しているのに。

過去を思えば悔やむこと
未来を思えばほんの少しの希望と
目の前にある不安とが入り混じった景色が
常に私の中でぐるぐると回り続けて

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