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ため息

ふう。と1つ、ため息をついた。
いつものように見る街並み。
いつものように歩く歩道。
いつものように青い空。

なにひとつと言っていいほどに
私の周りにあるそれらは
変わらずにそこにある。
ひとつ、またひとつと
私の心は重くなったり
軽くなったりを繰り返しているのに。

過去を思えば悔やむこと
未来を思えばほんの少しの希望と
目の前にある不安とが入り混じった景色が
常に私の中でぐるぐると回り続けている。


歩いてきた道のりが
正しいのかどうかなんて誰にもわからない。
もちろん、これから先の道のりも。
ひとつこぼれていった
ため息の中に
過去も未来も全てを
私は溶かしこんだ。 
不安も。希望も。憂いも。喜びも。


あの日、あの時、あの瞬間が
私自身なのであれば
ひとつ、ふたつとこぼしていった
ため息のように
私はこの瞬間や明日に溶けこめるのだろうか。


ひとつ。
またひとつ。
私は溶け続ける。


めろんだいふく



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