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車椅子で役者をやるもの。

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車椅子ユーザーになって芝居復帰に至るまでの話し。
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9月26.27日に芝居を演るもの。

9月26.27日に芝居を演るもの。

いよいよ3週間後。

ゲキ集団BumpyBox第5回公演「 StrangeConnection」

当初は3ヶ月連続公演として8月にもやる予定であったが、時世、人員変更など様々な要因のため中止。9月のこの公演に絞った。

今回の公演。3名の客演を入れた。とはいえ前回の「WHO ARE YOU ?」の客演入れずBumpyメンバーだけでやるつう方が初だったのだが 笑

この3名は俺が5月までやっていた

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車椅子で役者をやるもの。(seen18 意地とプライド)

車椅子で役者をやるもの。(seen18 意地とプライド)

めまぐるしく芝居の時計が廻る。

「演劇を車椅子の俺がやる」

それは確かに少しずつだが、確かに近づいてきてる実感がこの頃から仕出した。とはいえ、まだワークショップをやり始めたり、その世界の方と話しが出来たりレベル。イベント司会の仕事を頂いたりもしたが芝居には繋がらず。年齢的な焦りは正直あった。

「年齢なんて関係ない」

そんな言葉は嘘だ。何かが見えてる人、やる事が決まってる奴がいう言葉だ。俺は

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車椅子で役者をやるもの。(seen17 恩人と温人)

車椅子で役者をやるもの。(seen17 恩人と温人)

ワークショップはやり切った感があったもののすぐに次に掛かった。勢いというものは凄い。2か月後には第2回目を開催。前回は色々な不安と期待の中、やった訳だが2回目は多少の自信と参加者が楽しんでもらえるようにと考えれる余裕が出てきていた。

ワークではあるものの、やはり芝居は難しくて、だからこそ、楽しくて。芝居の話しを自分から存分に出来る時間。まさかこんな日が来るとは障害者になってやってくるとは思ってな

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車椅子で役者をやるもの。(seen16 期待と不安と)

車椅子で役者をやるもの。(seen16 期待と不安と)

そして、いよいよ2018年11月。前回、地域活性化プロジェクトのワークに参加してくれた尾崎氏協力の元、初の自分主催のワークショップ「より豊かに自分を表現するための‼️インプロワークショップ」を開催。

人は本当に来てくれるのだろうか?満足してもらえるのだろか?

蓋を開けるまでは申込みはあったものの疑心暗鬼。インプロ芝居経験者も参加だ。大丈夫だろうか、、楽しみでワクワクした気持ちより不安の方が大き

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車椅子で役者をやるもの。(seen15 奇跡と輝石)

車椅子で役者をやるもの。(seen15 奇跡と輝石)

そして、いよいよインプロ(即興劇)熱がアップ。

「自分で企画してワークショップしたい!」

と無謀な計画を考えつく。2回しか講師でやっていないワーク。「失敗するんじゃないか」という不安より「やりたい」想いの方が圧倒的に強かった。ていうか、そもそも失敗とは何か?人が集まらないのが失敗?講師として未熟なのが失敗?兎に角、失敗する気がさらさらその時はなかった。なんとかなるだろう。生来がお気楽なところが

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車椅子で役者をやるもの。(seen14 希望と喜望)

車椅子で役者をやるもの。(seen14 希望と喜望)

2回のワークショップの参加は完全に俺にエンジンをかけた。

「やりたい」

そんな事を考えてた矢先、知人から地域活性化事業の初心者向けワークの講師をやらないかとのお誘いがきた。始めは福祉についての講師依頼だったが、それでは面白くない。俺はその福祉のセミナーに芝居の要素を入れた体験型のセミナーをしたいと依頼主に伝えた。相変わらずの勢いだけだ。そしてそれが通った。以前受けたワークの講師に連絡を取り教え

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車椅子で役者をやるもの。(seen13 緊張と緩和)

車椅子で役者をやるもの。(seen13 緊張と緩和)

勢いというものは凄いもの。

先日のインプロ(即興劇)のワークショップを受けてから翌月には新たな団体のワークがあると連絡を受け前回と同様、車椅子でも参加可能か確認をして頂き、問題ないとの連絡を受け参加する事になった。今回のワークショップは「初心者コース」と「経験者コース」の2コース。

ここでふと考える。

前回のワークで「車椅子でもやれるんじゃね?」と思ったのは確かだ。だが、芝居の経験と言われる

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車椅子で役者をやるもの。(seen12 不安と緊張)

車椅子で役者をやるもの。(seen12 不安と緊張)

事業所運営もいよいよ忙しくなってきたりラジオの収録放送も絶好調な時期。ラジオは俺に沢山の友人や縁を与えてくれた。しかし一番の収穫は「自分で放送内容を決め発信する」事が出来た事。これは演劇演出舞台構成に似ていた。「何をしよう。どうすればリスナーに楽しんでもらえるか?どんなコーナーを組み込もうか」など無限大な楽しさ。本番をやってまた次の企画を考える。まさに30分間の舞台。ゲストは共演者。自分を出してる

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車椅子で役者をやるもの。(seen11 ラジオと記事)

車椅子で役者をやるもの。(seen11 ラジオと記事)

「役者 宮地大介」の芝居は俺の目を醒させた。

「芝居がしたい」

車椅子になってから初めて出た感情。車椅子でやれるのか?とか関係ない。兎に角やりたい。ただそれだけだった。そんな感情を持ち始めた時にまたはせなかさんからお誘いがあった。演劇やりたい欲求が高まってる時に観たのは初めて「インプロ(即興)芝居」だった。客席からお題をもらって即興で繋いでいきストーリーをその場で完結させた。天才かよと思った。

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車椅子で役者をやるもの。(seen10嫉妬と決意)

車椅子で役者をやるもの。(seen10嫉妬と決意)

ようやくまた繋がり始めた芝居の世界。廻り始めた歯車はすぐにまた次の歯車へと繋がる。

友人があるインターネットラジオに出演するから聴いて欲しいとの連絡があった。

「インターネットラジオ?」

それはラジオ周波数から流れるものではなくインターネットを介して放送するラジオの事だった。聴いた直後、あまりに素人然としたDJにもしかしたらこれって誰でも出来るのか?とすぐにその局に問合せをした。すぐに返信が

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車椅子で役者をやるもの。(seen9新しい出会い)

車椅子で役者をやるもの。(seen9新しい出会い)

それから、前職の法人を1年足らずで退職。事業所開所と慌ただしい日々が始まった。事業所を2年で黒字化をすると断言してしまっていたので必死に利用者様獲得に各福祉関係との顔つなぎにと動いた。人工肛門閉鎖の後遺症は思ったよりなく前職を退職したのを何度か後悔したが動き出したものは止められない。退職後、自分の色々な噂が耳に入ってきたりその状況を知人が心配してくれたりもあったが態度で表すしか出来なかった。成功さ

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車椅子で役者をやるもの。(seen8 親友との再会)

車椅子で役者をやるもの。(seen8 親友との再会)

入院をする前、障害者職業相談員という仕事もしていた。懇意にしていた障害者職業支援センターの所長からある会社の社長を紹介された。相談内容を聞き「障害福祉サービス事業」をする事を勧めていたが設立が頓挫しているのを知っていた俺は退院後、その社長へ現在の状態を話し事業所設立打診を改めて行った。回答は「すぐにでも」。設立後、サービス管理責任者として雇用したいとの項も合わせて打診された。開所後、障害の後遺症の

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車椅子で役者をやるもの。(seen7 また試練)

車椅子で役者をやるもの。(seen7 また試練)

「人工肛門」。まさかこんな大事になるとは想像もしてなかった。腹痛の酷い版くらいにしか考えてなかった。後で医師から「後30分来るのが遅れてたら死んでましたよ」と伝えられた。これで死に直面したのは2回目。なんなんだよ俺は。考えようではそれでも死ななかったのだから良かったのか。兎に角、死ななかったのだ。

少し落ち着いてからはその不思議な「肛門」との付き合い方に向き合った。これに関しては不思議と不快感は

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車椅子で役者をやるもの。(seen6 命拾い)

車椅子で役者をやるもの。(seen6 命拾い)

仕事はすこぶる順調だった。まさに公私共に順調。元々話しをするのが好きな自分にはこの「営業」的な仕事は天職なんだろうと思うくらい順調だった。

そんな転職してから1年目の春。いきなり腹に刺すような痛み。その痛みは時間を追う毎に酷くなり金曜から痛み出したそれは土曜には車椅子からトイレに移動、ベッドに移動の際、信じられないくらいの痛みに変わっていた。そしてその夜、就寝につこうと車椅子からベッドに腰を降ろ

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