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ミクロマコ
2024年6月26日 06:38
☆人数 :1人用☆声に出すと3分〜4分約750文字⚠こちらを朗読される際は、文章の変更はせずにお読みくださいますようお願いします⚠最低限の明かりだけが灯(とも)る深夜の病室。命を確認するための機械音。フロアに時折響くナースコール。精一杯の呼吸音。もう、言葉を交わすことができないお父さんへ。今まで恥ずかしくて言えなかったけれど、わたし、文章を書いていました
2024年5月29日 09:36
約1080文字声に出すと約4分知らないことは大好物。生まれながらに好奇心の塊の私は、なんでも経験したがりだ。そのせいで、しなくてもいい苦い思いをしたこともあったが、自分に対して「苦労は買ってでもしろ」精神なので、後悔はしていない。無計画に住む場所が変わっても、急に違う業種の職に就いても、”なんとなく”どうにかなってしまう。それは何の能力が高いわけでもなく、用意された箱でやり繰り
2024年4月27日 23:31
1640文字 声に出すと約6分「この曲、わかる?」和音を探りながら、父は言った。ピアノを弾くところなんて、それまで見たこともなかった。私のピアノの練習はおろか、発表会にも来たことのない人だった。まさかピアノに関心があるとは思いもよらず、小学生の私は戸惑った。「これが、イントロ。」たどたどしくも力強い和音が部屋に響く。ビートルズの「Let it be」という曲だった。父は
2024年3月31日 19:46
※人が亡くなった話がお辛い方は見ないことを推奨します※(約730文字)「ひと月前は」と思い返しながらの、ひと月だった。「もう2月も終わりになりますね」「あっという間に年度末です」流れてくる月末の挨拶がとても怖かった。その日 その日生きていてくれることを祈って生きていてくれることが毎日 奇跡だった。もう1日もう1日終わりを感じながらもう1日も
2023年6月4日 22:25
私には特別な空間だった毎年来ることもできない遠いその土地には大好きな人たちがいた「観光」という概念がなかった幼い時分にはなにやら珍しいものが見られたりどうやら贅沢らしい物が食べられたりして大人たちが言う「効能」だとかはさっぱり分からない温泉で広々したお風呂を子ども同士遊びながら堪能した旅館やパーキングにあるお土産屋さんが大好きだったギラギラしていない店内
2023年8月6日 05:03
821文字☆所要時間:5分以内☆人数 :1人用「満身創痍」布団に倒れ込んだ私にピッタリな四字熟語。重くのしかかるのは、重力だけではないようで。帰宅した今も、連日の忙しさと緊張が全身にこびり付いて、私の身体は布団の柔らかさに埋もれられずにいた。言葉にしたくはないが「疲れた」と無意識に発していた。何を食べるかを考えるのも億劫で、このまま寝てしまおうと寝床へ倒れ込んだ