久松剛/IT百物語の蒐集家
記事一覧
リモートワークを巡る議論の着地点
定期的にXで盛り上がる話題であるリモートワーク。周囲の状況を確認してもリモートワークと出社のハイブリッドを採用する企業も増えてきました。
東京都の資料によると2024年3月現在、43.4%がリモートワークを取り入れているというデータがあります。この数字2023年5月から横這いであり、当面は大きく増減はしないように思われます。
一方、そのリモートワーク実施頻度を見ると週3-5日と回答した企業は4
【未経験からプログラマ】上昇するキャリアチェンジ難易度とその背景
先立ってXにて「無報酬でも経験を積みたい人達」を募集するSES社長が話題でした。下請法的な観点でも問題ですし、契約書の有無も気になります。当人が途中で連絡が取れなくなった場合には責任はどこにあるのかも気になります。無報酬のものが実績になるのか?という疑問も話題になっていました。
この投稿に対し、4名程度のアカウントから応募があったことが確認されました。
未経験とだけ書いてあるアカウント
プロ
【ハイスキルから北朝鮮まで】フリーランスが多様化して来たので分類してみた
2021年のコロナ禍に一気に増加したと言われるフリーランスですが、実に色々な思惑でフリーランスになっておられる方が居られます。正社員ITエンジニアだけでなく、フリーランスの書類選考や面接にも関わってきたこともあり、様々な方にお会いしてきましたのですが「フリーランス」と一語にくくるのは厳しく、主語が大き過ぎるようになっていると感じています。
特に近年では就職せずにフリーランスになる「新卒フリーラン
必ずしも転職する必要は無いよ、というお話
Querie.meにて下記のようなご質問を頂きました。
私からの回答としては「特に現状に不満がないなら不要です」というものなのですが、人材業界の転職を煽る広告戦略も活況であるため、なんとなく焦りを感じてしまうというのも分からなくはありません。今回は転職をするべきかどうかの意思決定について焦点を当ててお話をしていきます。
なぜ「転職をしなければいけないような気がする」のかまず転職をしなければいけ
生成AIがもたらす採用シーンへの実害/スカウト媒体に求められる「人材の確からしさ」「企業への価値提供」
スカウト媒体の売上が好調というニュースがありました。
このポイントは「企業の採用活動」は活況なのですが、「採用実績」はどうかと言われると、各社手触り感がないということです。これはビズリーチに限った傾向ではなく、他のスカウト媒体でも見られる傾向です。
企業がスカウト媒体を利用して採用活動をする際、大きく分けて下記のフェーズに分割されます。
ピックアップ(人材の検索)
スカウト(スカウト文の作
キャリアとしてスタートアップを選ぶことの難しさ
半年ほど前、下記のようなnoteを書きました。スタートアップが若い人たちに人気だという記事を受け、その適性やキャリア選択について言及したものです。
その後スタートアップ投資が世界的に沈静化し、更に潮目が変わってきています。
象徴的な影響としてはこちらのスタートアップのEXITを巡る動きについての記事があります。スタートアップのEXITには大きく分けて上場とM&Aがあります。最初から「我々は買わ
「エンジニア採用の過熱」に翻弄されたジョブホッパーの行く末
採用活動をしていると、よく見掛けるのが1年未満の短期離職を続けるジョブホッパーの方々です。中には10年以上にわたって毎年転職されている方も居ます。
エンジニアバブル後の現在では企業による厳選採用が進み、転職市場での書類の進み方が悪くなってきたために、キャリア相談を頂くことも多いです。
ジョブホッパーに限らず、エンジニアバブル下では「少しでも不満があれば転職をする」という方も居られました。また、
50代以上を見越したキャリア/転職・嘱託・フリーランス・スモビジ
2/23に合同会社を設立して3年目に突入しました。特に2023年はスタートアップ不況に巻き込まれてえらいことになりましたが、お陰様でなんとかやっています。
元々私の会社も「定年も定時も関係なく、自身が気の済むまで無限に気持ちよく働くこと」を念頭に作ったような節があります。最近では60代の大学教授の方からもキャリア相談を頂いたりもしておりますが、今回は私自身の戦略や周囲の状況を踏まえつつ、50代以
【中途人材紹介会社の闇落ち】ミドル層を紹介「しない状況」から「できない状況」へ転落
新年の記事で人材紹介界隈の変化についての予測をお話したのですが、思ったより早く異変が起きています。企業、候補者の双方から苦情に近い愚痴を頂くようになってきたため、改めて整理していきます。
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急ピッチで進む人材紹介会社の二極化2012年の人材紹介フィーの相場は25%だったのですが、現在では40%
リスキリング・学び直し界隈の流行と、未経験エンジニア界隈再来の悪い予感
リスキリング市場が活況です。2022年10月にリスキリングに対して5年で1兆円を投じるという岸田首相の発言から認知されたリスキリング。その後の、「育休中にリスキリング」という発言の方がGoogleトレンド的には認知に役立ったようです。日経新聞、教育コンテンツを持っている企業や、研修事業、人材事業界隈が躍動していることが感じられ、それなりの大きさの市場になっていくと予想しています。
元々は職業上新
【副業】受け入れ企業・人材業界が抱える課題
先立って日経新聞に下記のような記事が取り上げられて居ました。副業がバラ色というのは飛躍を感じますが、問題なく副業できている方も居る一方、2024年現在で見えてきた課題もあるため、整理していきます。
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副業人材受け入れ前の課題まずは副業人材受け入れ前の課題です。副業人材受け入れ開始のスタートライ
エンジニアファーストを撤回したい企業の思惑
様々な業態の会社さんからご相談をいただきますが、ここのところ「これまで掲げていたエンジニアファーストを撤回したい」というご相談を頂くようになりました。
エンジニアファーストとは2010年代中盤から多用された言葉であり、下記のようなものを掲げながらエンジニア中心の組織づくりを目指すものでした。
給与
休み
業務内容
福利厚生
残業0、もしくは1分単位の残業代精算
稼働時間のn%を自由に
フリーランスから正社員転職希望が増えているものの、難航傾向
エンジニアバブルが収束し、エンジニアの数を追う組織作りをする企業が減ってきました。年が明け、案件が決まらないこともあって正社員も見ている方によくお会いするようになりました。
正社員になること自体は良いと思うのですが、面接に際しての突っ込みどころが多いので今回取り上げていきたいと思います。望ましい回答をここで実施してしまうと完コピされてしまうので避けますが、是非ご一読の上、ご一考ください。フリーラ
SES・フリーランスエージェントの異変と、営業職のキャリアパス
これまで本noteではSESでエンジニアとして働いていたり、入社を検討するエンジニアに向けた情報発信を行ってきました。今回はSES界隈の異変について触れた後に、SES営業やフリーランスエージェント営業担当職を念頭にしたキャリアパスについてのお話をしていきます。仕事柄、接することが多い職種なのですがどうにも心配になることが少なくありません。SES界隈を整理したYouTubeも公開していますので合わせ
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