久松剛/IT百物語の蒐集家

博士(慶應SFC、IT)/合同会社エンジニアリングマネージメント社長←ベンチャー3社エン… もっとみる

久松剛/IT百物語の蒐集家

博士(慶應SFC、IT)/合同会社エンジニアリングマネージメント社長←ベンチャー3社エンジニア・中間管理職←IT研究職/スタートアップ、ベンチャー、日系大手まで複数でレンタルEM・開発組織コンサル、IT怪談士/サポーターズ エバンジェリスト/アカリク顧問/STARMINE顧問

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  • IT百物語

    トレンドの移り変わりが著しく早く、人の流動性の高いIT業界。個々の事象を点で見るのではなく、繋げて線や面で見ることによって見えてくるものがあります。 構造的なアプローチなくしては中長期的なプランも立てられない状況です。 人、AIといった労働資源を最大化する論理が求められる中、事象を言語化・蒐集・分析しながらお話していきます。

  • 高度人材を巡る学術⇔ビジネス間の深い川と橋渡し

  • 転職透明化マガジン

    • 10本

    「転職透明化マガジン」は、転職活動における企業と個人の情報差を埋めることで、求人企業はよりよい人材とマッチしやすくなり、求職者は自身にとってよりよい企業とマッチしやすくなることを目的としたマガジンです。 自分たちが過去の転職で苦労した経験から、応募側と選考側のすれ違いというのが多くありそうで、まだまだ良くする余地が大きくある領域なのでは、という感覚を持っています。 労働人口の減少、特にエンジニア採用に関しては採用競争の激化の中、個人にとっても企業の採用担当者にとっても転職・選考の質が上がることは個人や組織の幸福につながることだと信じています。 転職をスッケスケにしていきましょう。

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【情報解禁】7/21 初の著書「ITエンジニア採用とマネジメントのすべて」が発売されます

7/21に初の著書となる「ITエンジニア採用とマネジメントのすべて」が発売される運びとなりました。特に下記の方々を想像しながら書き進めました。 ITエンジニア採用を進めたい経営層の方 ITエンジニア採用・定着に悩まれている人事の方 HR界隈の方 採用に関わることになったITエンジニアの方 採用プロセスが気になるITエンジニアの方 採用だけでなく定着・活躍をテーマにしているため、ITエンジニア理解、評価から退職の話まで含まれています。 新規コンテンツの追加、プロに

    • 採用市場の変化を踏まえた人事採用担当者に求められることと、OODA型採用

      先立ってエバンジェリストを拝命しておりますサポーターズさんにて「エンジニアを中心に採用に関わる人事担当者向けセミナー」を実施させていただきました。この回ではIT業界の現状についてデータを引用しながらお話をしつつ、人事担当者への企業の期待値の変化についてお伝えしました。採用そのもに関するセミナーは多い中、目新しいテーマだったこともあり非常にご好評頂きました。第二回目以降もあるのではないかと思いますので是非ご確認頂ければと思います。 今回はその中でも採用業務に注目し、弊社でも支

      • 人材紹介利用がお勧めな候補者の傾向と、不満を感じた時に考えられる背景

        Xに定期的に話題になる話の一つが「人材紹介会社が如何にダメだったか」というものになります。 先日話題だったものは「人材紹介会社経由で応募して書類選考NGだったが、後日Linkedin経由でその会社からスカウトがあった。書類選考の件を伝えたが、記録に残っていなかった。後日、その人材紹介会社からはブラックっぽいSESが紹介された」というものでした。 今回はこのお話を念頭にしつつ、人材紹介会社や当該企業間で想定されるやり取りと、理想的な使い方についてお話しします。 何事にも該

        • エンジニアバブル後に揺らぎ始めた人材業界と、その生き残り対策

          先立って下記のようなIT業界への転職が活況である旨のニュースが流れていました。 ITエンジニアを志望する方が増えるのは結構なことだとは思いますが、専門職の一角なので数ヶ月の勉強でなんとかなるものではありません。 一方、転職希望者の約87%は1年後に転職していないという調査もあります。 ITに特化したデータではないものの、希望したから採用されるというものではありません。これは人が動けば動くほど儲かる人材業界からすると悲報ですが、現実的な状況であると捉えています。 202

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          安尾友佑 / dely 他

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          2023年 デジタル人材採用に関わるシステム・ツールカオスマップ

          本日、2023年 デジタル人材採用に関わるシステム・ツールカオスマップのプレスリリースがなされました。 このカオスマップですがプレイヤーが多すぎる人力ベースの人材紹介については除外しています。 2022年まではITエンジニアを大量採用している企業も多かったことから、サービスも多様化が進みました。2023年現在は採用について費用対効果を強く求めたり、慎重になっている傾向が企業に見られます。下記の観点から自社に合うサービスを選択していくことが重要です。 採用したい人物像の明

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          厳選採用・現実的な給与提示傾向における新卒のガクチカ・中途の自己PR

          先立って自称コンサル内定者の方が「ガクチカで嘘をつく、Webテストで不正するみたいなのは、社会全体で見たら悪いことなのかもしれないけど、個人として”就活”というゲームで勝つためには、それが最適解なこともあるよね」という投稿をして炎上していました。 一般的に選考の過程で虚偽の情報があると内定取り消しにあいますし、入社後に判明すれば解雇されます。 IT怪談を集めていると虚偽の申請によるトラブルも多く集まります。 経験があると本人が主張していた業務をしていなかった 未経験な

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          スタートアップ界隈に思い入れはありますが、誰でも勧められるものじゃないですというお話

          私自身、2012年に学術からビジネス領域に移ってきてからというもの、合計3社の社員数50-1000名規模のベンチャーを渡り歩き、今でも開発組織構築のお手伝いなどをしているため、だいぶスタートアップ寄りの人生です。 ここに来て、スタートアップが若い人たちに人気だという話がありました。 スタートアップそのものは日本政府も後押しするように、新しい産業を作るという点では結構なことだと感じています。しかし手放しで誰にでもお勧めできるかというと違うなというのが個人的な見解です。今回は

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          オンライン・オフラインプレゼンにおける罠と事前対策ポイント 15 #技育展

          先立ってサポーターズ主催技育展予選にゲスト審査員として参加させていただきました。 次々と生まれるスタートアップや新規事業がある中、新規アイディアの余白とはどれほど残っているのかと疑問に思うことも多々ありますが、しっかりとご時世と技術トレンドを抑えた発表をされて居られることに頼もしさを感じていました。 そのまま産学連携や地域おこしプロジェクト、プロダクト化を目指しても違和感のない発表も多いので是非継続していただきたいところです。 拝聴していて惜しいなと思ったのがプレゼンの

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          あの話題は今?【IT二百物語達成記念】

          いつもお読み頂きましてありがとうございます。前回コンテンツをもってIT百物語が200話を達成しました。決して「この職業が儲かる」などと言わない景気の悪いコンテンツにも関わらず、多くの方にお読み頂いている形となりました。 noteについても3100名以上のフォローを頂いており、恐縮です。今回は最近フォロー頂いた方も多いので、200話の中から何話かピックアップして振り返りをしつつ、現在のトレンドと合わせて見ていきます。 エンジニア界隈の潮目不景気に突入し、エンジニア界隈の動向

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          エンジニア従業員の生涯価値ELTVの伸ばし方 評価制度・育成・成果

          2022年までは「どうやって採用するか」というご相談が多かったのですが、2023年春頃からはエンジニア評価に関するご相談を多くいただいています。 ELTV(Employment Lifetime Value)などと呼ばれますが、入社してから退職するまでの期間における成果が注目されています。ELTVを伸ばすためには下記の2点が必要な要素となります。 在籍期間を延ばす バリューを高める 営業職であれば後者のバリューは売上なので明快ですが、エンジニアの場合は非常に分かりにく

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          【Offersデジタル人材総研】デジタル人材採用の調査 2023 採用観点編

          本日、デジタル人材採用の調査 2023 採用観点編がリリースされました。 積極的に採用している人物像として、即戦力であるミドル層を積極的に採用していると回答した方が最も多く84.0%となりました。続くシニア層については49.4%となり、30%以上の差がある結果となりました。新卒については特に101名以上の大規模開発組織で積極採用されており、中小の開発組織であれば育成対象の採用ではなく、現状の事業成長ができる人材を求めていることが分かります。 開発組織が積極的に携わっている

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          おっさんの人権が無さすぎる件

          先立って下記のような投稿が話題になりました。定期的におっさんを一方的に殴る話題は盛り上がりを見せます。 先の就職氷河期世代の話でも触れましたが、人はいないというものの、おっさんは拒否される傾向にあります。 私もおっさんですが、40歳を越えると本人は年齢が一歳増えただけにしか思えないものの、世間的な風当たりの強さを感じます。 おばさんであっても風当たりは強いものの、ジェンダーの問題があるため否定する側にもリスクが発生します。おっさんだと特に擁護する一団は存在しないため、殴

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          デジタル人材採用の調査 2023 採用背景編

          本日、デジタル人材採用の調査 2023 採用背景編されました。 外資ITや日本国内ベンチャー・スタートアップのレイオフのニュースを耳にするようになり、デジタル人材採用についても変化が起きています。 採用を強化したという回答が48.1%となりました。一方で採用を絞ったという回答も21.0%となりました。開発規模が大きい方が採用を強化しているという回答が多い傾向にありました。 これまでのエンジニア採用市場では、採用をすることに注目が集まりがちな傾向がありました。採用の背景と

          デジタル人材採用の調査 2023 採用背景編

          「志望理由の作り方が分からない」採用市場の変化を踏まえた候補者側のポイント

          キャリア相談やセミナーの中で、志望理由の作り方が分からないというご相談を多く頂くようになりました。 Twitterなどでは「志望理由を聞くなんて前時代的な企業だ」という攻撃的な意見も散見されます。 今回は志望理由にまつわる背景の整理、現状の解説、そして候補者目線でのポイントについてお話します。 志望理由があやふやになった背景2015年以前の就職氷河期以前、買い手市場だったこともあり面接では「志望理由は聴いて当然」のFAQでした。 以後も志望理由を聞く会社はあったものの、

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          就職氷河期世代とIT業界/若手世代が注意するべき轍

          少子化に伴い人手不足が業界を問わずに叫ばれています。しかしまとまった数の正社員希望者がいるにも関わらず、企業からほぼ見向きもされていないのが就職氷河期世代です。就職氷河期世代は1975年から1985年に産まれた人が該当すると言われています。正社員ポジションの募集に恵まれなかった時期です。 今回は就職氷河期世代が産まれた背景について言及するとともに、就職氷河期世代より若い世代が注意すべき、就職氷河期世代の時に産まれた働き方についてお話しします。 就職氷河期世代を形作った背景

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          「ゆるブラック企業」にまつわるキャリア相談

          先立って「ゆるブラック企業」についてのニュースが話題になりました。この言葉は2022年頃から見られる言葉であり、「ラクで居心地は良いが成長ができず収入も上がらない会社」を指すと言われています。 私は就職氷河期世代ですが、有効求人倍率が0.9倍を記録し、正社員の枠がなく代わりに非正規採用が台頭、数少ない正社員の枠は長時間低待遇のブラック企業ばかりで残ったのは剛運の人とサバイバーばかり、年を重ねてからの正社員就職は困難という状況なのでかなり理解し難いお話です。 とは言え、こう

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