見出し画像

「電話の缶詰」ー詩ー


そのうち手紙書くよ
――ボソッというボク
あてにしてないよ
―――母さんのつれない声

母さんからの
たまの電話に出ると
――元気にしてるの?
  ちゃんとご飯食べてるの?
  手紙の一つも 書けないの?

母さんの 沢山の気持ちが
詰め込まれた 電話の缶詰が届く

母さんの声には
イライラ虫
しんぱい虫
あきらめ虫が
ポンポン 飛び跳ねる

ボクの 気休めな
走り書きの ハガキ

僕は 元気です
心配しないで 大丈夫
そのうちに 帰省するから
わずか3行の 文字たちは 
恥ずかしそうに 紙面で
縮こまる

このやり取りが 
どれくらい 繰り返えされたか
時代を超えて つづいた
紙風船の 言葉キャッチボール

ふと 気が付くと 電話は
全く 無言になっていた

たまに 鳴れば
お客様 保険にはお入りですか?
お客様 耳寄りな投資方法ごぞんじですか?

母さんからの 電話は 鳴らなくなった

ボクは 溜息の山を 築きながら
母さんへの 長い手紙を書き
天国へと 届けてくれる
郵便ポストを 探してる

#詩 #言葉 #人間関係 #ポエム #現代詩 #自由詩 #母親 #愛 #詩人 #詩集 #電話 #手紙 #エッセイ #毎日note #スキしてみて #人生 #日常 #生き方 #夢   #note初心者 #家族の物語 #涙 #立山  剣 #コラム #毎日投稿 #つぶやき #創作 #ライフスタイル #コミュニケーション #家族 #缶詰 #考え方 #習慣 #気づき #チャレンジ #スキ #拡散希望 #とは #郵便ポスト

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?