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たびのちから

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「たび」には、「旅」もあれば、「旅行」もあり、「人生」もあります。旅や旅行が誰かの人生の力となり、それがもっと広がって様々な形のウエルビーイングにつながっていくといいなと思ってい…
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記事一覧

「グローバルな問題の答えはローカルにある。スローフードトラベルもその一歩」。地球を9周した起業家は言いました。【#8】

「グローバルな問題の答えはローカルにある。スローフードトラベルもその一歩」。地球を9周した起業家は言いました。【#8】

コロナ禍がやや落ち着きを見せ、海外からの観光客も着実に増え始めました。その中で日本古来の伝統食材や料理、それに関わる人たちにフォーカスした「スローフードトラベル」の取り組みが本格化しています。そのリード役の一人が小野寺愛さんです。ピースボートで地球を9周し、世界各地の社会課題の現場に足を運び、その答えを生きる多くの人たちに会ってきました。そして現在は、児童教育や食にテーマを置いて子どもたちと共に様

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「地域に根差す“精神文化遺産”を守り続ける努力を。サステナビリティにゴールはありません」。その環境問題研究者は言いました。【#7】

「地域に根差す“精神文化遺産”を守り続ける努力を。サステナビリティにゴールはありません」。その環境問題研究者は言いました。【#7】

12月初旬にNHK-BSで放送された番組『美の壺』は、「仰ぎ見る幸せ 天井」とのタイトルで、全国の有名建築の天井美に焦点を当てました。大徳寺・黄梅院(京都)、増上寺・光摂殿(東京)、ホテルニューグランド・レインボールーム(横浜)、伊勢神宮の茶室・霽月などと並んで紹介されたのが、この記事にもある山津見神社拝殿です。火災で焼失した、その天井絵の復元に尽力した一人が加藤久美先生。オーストラリアと日本の両

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ハワイ観光の達人は言いました。「誰もがハッピーであること。相互に“2ウェイ”であること。ツーリズムはやはりここが大切です」  【#6】

ハワイ観光の達人は言いました。「誰もがハッピーであること。相互に“2ウェイ”であること。ツーリズムはやはりここが大切です」 【#6】

コロナ禍で人の往来が激減したことで、ツーリズムに起因すると思われる環境問題があぶり出される一方、場所によっては観光客の姿が消え、経済的に深刻な影響を受けたという地域も少なくありません。とはいえ、急な観光再開への不安感は残ります。世界から年間1000万人もの観光客が押し寄せていたハワイではなおさらでした。

「マラマハワイ~地球にやさしい旅を~」。ハワイがそうした状況を経て発したこのスローガンは、

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「環境問題との両立なくして旅行ビジネスに未来なし。困難だからこそ声を上げようと思った」。そのエコツーリズムの先駆者は言いました。【#5】

「環境問題との両立なくして旅行ビジネスに未来なし。困難だからこそ声を上げようと思った」。そのエコツーリズムの先駆者は言いました。【#5】

昨今、「SDGs」(持続可能な開発目標)という言葉やカラフルなロゴに接する機会が増えました。国連が2015年に採択した、この国際目標を受けて、国連世界観光機関(UNWTO)は、2017年を「持続可能な観光国際年」とするなど、それまでも推進してきたサステナブルツーリズム(持続可能な観光)への対応をさらに強化しています。

こうした動きの先駆けのひとつにエコツーリズムの取り組みがあります。ツーリズムに

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「No Travel, No Life.  世界をより深く知る。それが『平和の力』になる」。そのアメリカ人起業家は言いました。【#4】

「No Travel, No Life. 世界をより深く知る。それが『平和の力』になる」。そのアメリカ人起業家は言いました。【#4】

6月上旬のアメリカ、フロリダ州オーランド。世界有数の旅行見本市「インターナショナルナル・パウワウ」が3年ぶりにリアル開催され、会場は大いに盛り上がっていました。“It was amazing to be here again.” と、現地からその感動を伝えてきてくれたのが、マージョリー・L・デューイさんです。

アメリカ生まれの彼女が単身、大好きだった日本で未知のツーリズムの仕事に就いて35年。ア

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ヒロクメさんは言った。「壁に突き当たっても、私にはハワイと広島があった。決してあきらめなかった」【#3】

ヒロクメさんは言った。「壁に突き当たっても、私にはハワイと広島があった。決してあきらめなかった」【#3】

ハワイの伝統的な衣装を身にまとった女性の姿。南国ならではの植物や建物、家具類。背景に輝く大きなフルムーン。その画風にはどこか懐かしさが漂う。個展やイベント出展に加えて、ブックカバーにパッケージデザイン、CDジャケットなどなど展開は多種多様。ハワイ好きならば、一度はどこかでこのアートを目にしたことがあるのでは……。

その作者が、ヒロクメさんだ。本人は、“HILO KUME is an Illust

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「旅は、新しい風を入れ、自分を刷新し続けてくれるもの」。その旅人は言った。<後/仕事と家族編>【#2  】

「旅は、新しい風を入れ、自分を刷新し続けてくれるもの」。その旅人は言った。<後/仕事と家族編>【#2 】

INDIGO ディレクター 府川尚弘さんへのインタビュー「後編」です。前編では主に、INDIGOの取り組みとそこに至る若き日々の体験についてお聞きしました。よろしければご一読ください。☟☟
【たびのちから】<前 / INDIGOと若き日々編>

上の写真:静岡県の大井川鐵道を楽しむカナダの旅行会社役員たち。府川さんがTSJ時代にエアカナダと共同企画した。「笑顔は力」なり。

■訪日旅行者のムチャブ

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「旅は、仕事のきっかけと生き方のヒントを与えてくれた」。その旅行マーケティングのプロは言った。<前/ INDIGOと若き日々編>【#1】

「旅は、仕事のきっかけと生き方のヒントを与えてくれた」。その旅行マーケティングのプロは言った。<前/ INDIGOと若き日々編>【#1】

■たびのちから~人と地域のウエルビーイング

「たび」には、「旅」もあれば、「旅行」もあり、「人生」もあります。もっとあるかもしれません。個人的には、旅や旅行が誰かの人生の力となり、それがもっと広がって様々な形のウエルビーイングにつながっていくといいなと思っています。そういう「たび」を続ける人、応援している方々に、それぞれの思う「たびのちから」についてお伺いしていきたいと思います。

最初にお会い

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