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ショートストーリー

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短い物語をまとめています。
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#掌編

迷宮入り。

迷宮入り。

嘘しかつけない日に良い事があった。
正直に過ごそうとした日は怒られた。

嘘をついてはいけませんと教えられたけど、正直なことが良いわけではないらしい。ついていい嘘というのもあるらしい。

嘘をついて、笑って見せた。
正直に泣いた。

朝から、元気に挨拶した。
やりたくないことを断った。
みんなの話題に話を合わせた。
知らないところで起きた悲惨なニュースを消して、ゲームの続きをした。
もう会う気のな

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〔ショートショート〕海が太陽を吸った日の色のような

〔ショートショート〕海が太陽を吸った日の色のような

 誰しも、ターコイズ色の靴を履くべき日がある。それはブルーでもグリーンでも構わない。だけど、来たるべきその日の為に準備しておくに越したことはない。そして、それは突発的かつ直感的にやってくる。いわば天気雨のように。したがって、それを晴天の空の下でただじっと待っているだけのような非効率的なことは馬鹿げているから、そんなに神経質になる必要はない。直前になれば自ずと分かるから。それが、彼にとっては今日だっ

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〔ショートショート〕ひな祭りの主役は、二段目に。

〔ショートショート〕ひな祭りの主役は、二段目に。

 少女が一人。
 湿った砂浜に膝を抱えて座り、素足の指と指の間を海水が触っては戻っていくのを見つめる。3月の波打ち際は、まだ冷たい。
 当然、少女にとって、そんなことは常識だった。
 考え事をするときは、普段からこの海を訪れるから。

 今日、彼女は、波打ち際で遊ぶ理由を考えていた。
 それは視線の先に、噂に聞いたことのある未知の世界が広がっているからで、ここでその世界を妄想するのが好きだから、そ

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どこでも眠れる時がある。

どこでも眠れる時がある。

 アスファルトの上に横たわって、自分を捨てて走り去った車の尻を見ていた。
 ああ、身体のそこら中が痛い。起き上がれそうに無いし、起き上がる気もしないほど頭がぼやける。ぼんやりとした頭で、「車の尻ってなんだよ」と考えた。もっと他に正しい名前があった気がするが、思い出せない。どうでもいいか。
 一応、車道ではなく歩道に捨てて行かれたようだ。とりあえずは車に轢かれる心配はないなと思うと、余計に立ち上がる

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パウダースノウ。

パウダースノウ。

煙から匂いを全部取り除いたような白い雪。

これが妖精だと言われたら信じてしまうようなパウダースノー。

ブーツの底にへばり付いた妖精は、雪の上に置いた足を滑らせる。
だから、出勤時間に歩道にへたり込んでお尻のあたりを濡らしているのだ。

雪に上に飛び散るカバンの中身と一緒に雪をかき集めてしまっても気にしている暇はない。幸い、怪我は無いが、こちらの様子を伺いながら通り過ぎていく通行人を恥ずかしい思

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【私のこと好き?】企画参加

【私のこと好き?】企画参加

物語の中には沢山の人がいるし素敵な人が多いから、この中から選ぶことにした。
「私のこと好き?」なんて、野暮なことを確認しないでも気兼ねなく「好きなんだ」と言える存在を手に入れられるんだから。いつでも本棚に座っている静かなところが好き。
バナナと遺伝子が50%も同じ生き物からピッタリ来る人を選ぶなんてナンセンスだし、もし、そんな人が現れてもなんだか萎縮してしまうから。
だから、もう決めたの。次はこの

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雨からは傘が守ってくれるのに。

雨からは傘が守ってくれるのに。

買ったばかりの小説が、残りのページ数を減らしながらクライマックスに向かっていく。
コーヒーショップの端の方に座り、わたしは小説を読んでいた。
グラスの中のアイスコーヒーが減り、溶けた氷のだけが抵抗いている。

いつのまにか、わたしたちは定期的に数字を確認しないと生きていけなくなってしまった。それは、何故かわからない。
この国では聞いたこともない依存症の名前がピョコピョコ顔をだす。だけど、ここは少し

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