マガジンのカバー画像

眞葛焼、そして陶を探究していく

21
眞葛焼をはじめとして、陶磁器に魅入られた方々の素敵な記事をまとめています。
運営しているクリエイター

#陶芸

陶芸で一番大事な時

陶芸で一番大事な時

GWの窯焚きに向けて、
カラダもアタマもフル稼働しています。
さざ波みたいないつもの時間が、
大きな波になって目の前に立ちはだかっている感じです。
皆さんも、時間が物質のように感じることってないですか?

大事な事

一土、二焼き、三作り
やきものの世界では昔から言われることです
話すと長くなるので、詳しくは後日。

ざっくり、
やきもの(≒陶芸)の良し悪しを決めることの順位です。
昔から言われて

もっとみる
制作の前にあるもの

制作の前にあるもの

私の作りたいものは、どこまでも「人間の作れるもの」である。
この世界を空想的に捉え、確かに触れることのできる物質に落とし込みたいと思っている。
そうして私は、過去に学んできた陶芸の手法を用いて、自然界には存在しない人工の石を作るようになった。
それらを『稀晶石』と呼んでいる。
まず、私の石への興味と、制作の動機についてここに記しておきたい。
石は文明のはじまりである。
誰かが稀晶石を手にし、それに

もっとみる
「尊敬する人が愛用した茶碗でお茶を戴くと、その人の人生の一部を戴いている、そんな気持ちにもなれる」

「尊敬する人が愛用した茶碗でお茶を戴くと、その人の人生の一部を戴いている、そんな気持ちにもなれる」

                  【インタビュイー】田原陶兵衛さん

秀吉が持ち帰った大陸の技術と、日本の柔らかな土が出会って生まれた萩の茶碗。江戸時代、茶人達に長く愛され、その美意識を体現した器は、今もなお登り窯が並ぶ小さな谷で営々と形づくられている。
400余年に渡りその火を守り続ける窯元の一つ、田原陶兵衛家。13代目となる現当主が大切にしてきた物作りの心とは何か。そして今、萩焼を襲う過去

もっとみる
伝統を受け継ぎながら新しい作品を生み出す

伝統を受け継ぎながら新しい作品を生み出す

         【インタビュイー】六兵衞窯・八代目 清水六兵衞さん

京都の五条坂に開窯したのが始まりで、250年続く六兵衞窯の八代目清水六兵衞さん。
大学では建築を学び、作品は図面にあわせて正確に土の板を切り、結合させて作られる。焼成によるゆがみやへたりを意図的に造形に取り入れて、造形性を持った器物を中心に作品を生み出す。
作品づくりでは空間を意識しているという清水さんに、作品へのこだわりや今

もっとみる
京焼の後継者が不足!伝統工芸の危機|荒谷竜太

京焼の後継者が不足!伝統工芸の危機|荒谷竜太

京焼の後継者が不足、伝統工芸の危機|荒谷竜太

日本は世界に誇る伝統工芸品を多く持っており、その中でも京焼は特に注目されてきました。しかし、最近の問題として、京焼の後継者不足が深刻な懸念材料となっています。この記事では、京焼とその後継者不足の背後にある問題について詳しく探求し、この貴重な伝統工芸品が直面する危機に焦点を当てます。

京焼とは

京焼は、日本の陶磁器の伝統工芸品の一つで、京都府を中心

もっとみる
一歩づつ進んでいこう 近代化を伴う気候変動危機のモン族窯業無形文化財研究

一歩づつ進んでいこう 近代化を伴う気候変動危機のモン族窯業無形文化財研究

昨日、紆余曲折の困難を乗り越え、やっとこさでメルカリで新品より半額の中古の電動臼を注文した。電動臼を買う契機は私がタイでモンの陶工への弟子入りや日本政府の開発が絡むモンの少数民族問題や先住民教育家だった親しかった古老の死別を経験したからである。

ここでは先住民教育をしていた古老の死別を次回以降に話すとして、現代史におけるモン窯業問題の概略を紹介する。。タイのバンコク郊外にはモン族の窯業地帯がタイ

もっとみる
宮川香山眞葛ミュージアム(神奈川県横浜市・横浜駅)

宮川香山眞葛ミュージアム(神奈川県横浜市・横浜駅)

江戸幕府が大政奉還してから間もない明治時代。西欧列強に追いつこうと考えていた明治政府が、その技術の高さをアピールするのに参加したフィラデルフィア万国博覧会の中で世界から絶賛された工芸品がある。その名は眞葛焼。高浮彫と呼ばれた技法によって焼き上げられた陶磁器を作ったのは宮川香山という一人の陶芸家によるもので、こちらの宮川香山眞葛ミュージアムは、その世界に絶賛された作品たちを惜しみなく紹介しているミュ

もっとみる