なる

音楽、アート、読書、映画、そういったものを浅く狭くむさぼる。比較的アクティヴなインドア…

なる

音楽、アート、読書、映画、そういったものを浅く狭くむさぼる。比較的アクティヴなインドア派。ミュージアム・ギャラリーを片っ端から訪問。2021年150館、2022年604館、2023年707館。2024年は未訪問を中心に。飲んだ分だけ書いてます。お疲れ様DEATH.

最近の記事

  • 固定された記事

追記

ところで、そういう命題を突きつけられた時にどう答えるべきか、というのは永遠のテーマなのかもしれないな、ってときどき思う。真摯に伝えることと、いい加減に濁らせることの差異はどこにあるんだろう。それは受けとめる側が感じることであって、人によってはそれが熟考した末の答えとして感じられるかもしれない。ある人にとっては中身のない空虚な答えとして映るかもしれない。その本質はどこにあるのだろう。真摯といい加減とはどう違うのだろう?  たとえばこれは最初の投稿なのだけれど、あたかもタイトル

    • 埼玉県立近代美術館(埼玉県さいたま市・北浦和駅/吉田克朗「ものに、風景に、世界に触れる」展)他

      MOMASの愛称で知られる埼玉県立近代美術館。屋外に点在している屋外彫刻もさることながら、建物自体に柱がぶっ刺さっているという特徴的な外観をしていることでも知られている。久しぶりの訪問で、今回は企画展として「もの派」を担った芸術家の吉田克朗「ものに、風景に、世界に触れる」展と、コレクション展として収蔵品を公開するMOMASコレクション展が開催。 企画展は2階で行われている。吉田克朗は戦後の日本美術に変革をもたらした(現代アートの発端とも言える)「もの派」という系統を形づけて

      • 東京国立博物館(東京都台東区・上野駅/内藤礼「生まれておいで 生きておいで」展)

        世界規模で活躍するアーティスト内藤礼による企画展「生まれておいで 生きておいで」が東京国立博物館で開催。行こう行こうと思いつつタイミングを逃しまくり、会期ギリギリの滑り込みで見学にこぎつける。展覧会の性格上、少人数でゆっくりと空間を把握するというスタイルのため、時間指定の予約制になっている。メディアで紹介されたこともあってか注目度も高く、どの回も売り切れ続出、当日券はほぼ出ない状況。 展示会場は平成館と本館とにまたがって振り分けられており、平成館1階の企画展示室が第1会場、

        • 水戸芸術館&水戸市立博物館(茨城県水戸市・水戸駅)

          ・水戸芸術館(茨城県水戸市・水戸駅) 水戸市というと江戸時代は徳川御三家の一つとして、水戸黄門こと徳川光圀をはじめとした代々の藩主によって治められ、文化芸術の町としても栄えた地である。その気風を受け継ぐべく小澤征爾を初代館長として造られた水戸芸術館。コンサートホールや劇場、美術館などが集合している文化施設である。設計は磯崎新が手掛けており、水戸市を象徴する塔も見どころの一つ。 トラス構造を意図して造られた塔は真っ直ぐではなくさまざまな角度に変形しながら屹立している印象的な形

        • 固定された記事
        • 埼玉県立近代美術館(埼玉県さいたま市・北浦和駅/吉田克朗「ものに、風景に、世界に触れる」展)他

        • 東京国立博物館(東京都台東区・上野駅/内藤礼「生まれておいで 生きておいで」展)

        • 水戸芸術館&水戸市立博物館(茨城県水戸市・水戸駅)

          国立西洋美術館(東京都台東区・上野駅)

          国立西洋美術館では企画展として「写本 ー いとも優雅なる中世の小宇宙」と題して、筑波大学などの名誉教授を勤めた内藤裕史氏から寄贈されてきた写本零葉を中心とする内藤コレクションの集大成といえる中世時代のヨーロッパで作られてきた聖書や詩編集、時祷書、聖歌集といった写本を公開。国立西洋美術館の企画展に入るのは久々ということもあり期待も高まる。 印刷技術のなかった中世ヨーロッパ。知の伝達を担う媒体として写本というのは非常に重宝された。当時は羊や子牛など動物の皮を薄く加工した紙に筆写

          国立西洋美術館(東京都台東区・上野駅)

          宇都宮めぐり2(栃木県宇都宮市・宇都宮駅/宇都宮美術館「20世紀アートセレクション」展ほか)

          宇都宮めぐりも折り返し。かなりハードスケジュールである。餃子? 行列がすごくてね・・・ ・栃木県立博物館 栃木県の名を冠した博物館だけあって、美術館と同様こちらもかなり広大な規模である栃木県立博物館。栃木県における自然系の資料や歴史や文化といった人文系の資料も含め、あらゆるものをテーマとして網羅している博物館である。ミミズク土偶のみーたんというのが公式キャラクタだそう。可愛さについては個人の好みに任せることにする。 入口からすぐ目の前に飛び込んでくるのは2階まで吹き抜けて

          宇都宮めぐり2(栃木県宇都宮市・宇都宮駅/宇都宮美術館「20世紀アートセレクション」展ほか)

          宇都宮めぐり1(栃木県宇都宮市・宇都宮駅/栃木県立美術館「ベル・エポックー美しき時代」展ほか)

          何にも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う、というのは『阿房列車』における内田百閒の言葉だけれど、特に理由はないけれど、ふと宇都宮に行ってみようと思い立ち行ってみることに。強いてあげればミュージアムがそこにあるから、といったところだろうか。まあどうせ行くならたっぷりと味わってやろうじゃないかと、宇都宮名物の餃子そっちのけでミュージアムを堪能することに。 ・旧篠原家住宅 宇都宮駅からすぐ近くにある史跡として一般公開されている旧篠原家住宅は、醤油の問屋として栄

          宇都宮めぐり1(栃木県宇都宮市・宇都宮駅/栃木県立美術館「ベル・エポックー美しき時代」展ほか)

          立川防災館(東京都立川駅・高松駅)

          東京都内に三か所ある東京消防庁の管轄する防災館のうち、立川の地にある立川防災館が個人的には最後の残り一つ。これまでに本所と池袋は訪問したので、残りの一つである立川も行っておかなくては、と訪問することに。立川の北西に広がる飛行場跡の広大な敷地を生かしたエリアの隅、立川消防署に隣接する形で建っている。 一般的な見学コーナーは1階と2階部分になる。1階は遊具や防災に関連するちょっとしたゲームなど、子供向けのコンテンツが多くある。映像コーナーもあり、こういった施設の特徴である見学者

          立川防災館(東京都立川駅・高松駅)

          本所防災館(東京都墨田区・錦糸町駅)

          都内各地にある防災館。東京消防庁が管轄している三つの防災館ではそれぞれの館で防災体験を予約制で受け付けている。全ての防災館で共通の防災体験コースもあるが、それぞれの防災館のみで行われているオリジナルのコンテンツもある。本所防災館では隅田川に近いということもあり、水圧の体験と暴風雨の体験がそれに該当する。 最初に映写シアターで関東大震災を経験した被災者の記録をもとにした映像を見学。かなりシリアスな内容で、大震災に遭遇した時の恐怖が伝わってくる。体験予約の人は基本的にこちらのシ

          本所防災館(東京都墨田区・錦糸町駅)

          池袋防災館(東京都豊島区・池袋駅)

          東京都内にある消防施設のうち、防災体験のために公開している防災館が三箇所ほど存在する。そのうち池袋駅のすぐそばにあるのが池袋防災館である。立川と本所に比べると規模はコンパクトながらアクセスしやすいという利点がある。池袋防災館では予約制で救命訓練、消火訓練、煙体験、地震体験ができる。またシアターがあり、そちらでは実際の被災映像が流れたりもする。 エレベータで4階へ上がり、入口で受付を済ませるとあとはプログラムに沿って訓練の体験ができる。おそらく消防士としての経験を持ったインス

          池袋防災館(東京都豊島区・池袋駅)

          東京都美術館(東京都台東区・上野駅/ジョルジョ・デ・キリコ展)

          東京都美術館が週末に夜間まで開館しているナイトサマーミュージアムを開催しているため、仕事帰りに寄ってみることに。企画展として「ジョルジョ・デ・キリコ」の個展を開催。形而上絵画などで知られる独特な画風を確立しているキリコの10年ぶりの日本における企画展の開催とあって注目度は高い。 キリコの形而上絵画といえば、少女が車輪を回して走る無人の広場が個人的にイメージされているところ。昼だか夜だかわからない時間帯の緑色をした空の下、迫るような圧迫感のある左右の建物は消失点が分散し、建物

          東京都美術館(東京都台東区・上野駅/ジョルジョ・デ・キリコ展)

          東京ステーションギャラリー(東京都千代田区・東京駅)

          東京ステーションギャラリーでは、企画展としてベルギーを代表するアーティストであるジャン=ミッシェル・フォロン「空想旅行案内人」を開催。当たり前ではありながらも見逃してしまうような世界の有り様をシュールな絵柄で描いている。自身が感銘を受けたマグリットの絵画世界を彷彿とさせるような不思議な世界が展開される。 パリでドローイングを描いていたところアメリカの雑誌で注目され、『ザ・ニューヨーカー』や『タイム』などの表紙を飾るようになると世界中で評価されるようになり、世界中の美術館で個

          東京ステーションギャラリー(東京都千代田区・東京駅)

          松濤美術館(東京都渋谷区・神泉駅/111年目の中原淳一)

          松濤美術館では、イラストレーションやファッション・インテリアデザインなど、女性たちの魅力を伝えるべく多彩な活動を行ったことで知られている中原淳一に特化した、「111年目の中原淳一」という企画展を開催。中原の生誕から111年目を記念した展覧会で、彼の手がけた多くのデザイン原画やファッションなどが紹介される。 広尾にあった中原淳一グッズの専門店(中原淳一の次男が運営)が店舗での展開を終了して半年ほど。中原淳一の作品をいっぺんに間近で見ることができる機会として貴重なタイミングであ

          松濤美術館(東京都渋谷区・神泉駅/111年目の中原淳一)

          崎陽軒横浜工場(神奈川県横浜市・小机駅)

          神奈川県民、特に東側の人間にとってのソウルフードの一つであるシウマイを一手に担っているのが崎陽軒である。駅構内にも崎陽軒の店が並び、それが原風景になっているといっても過言ではない自然な風景でもあるそのシウマイを生産しているメインの崎陽軒横浜工場は見学の競争率も非常に高い場所なのだけれど、奇跡的に予約がとれたため見学することに。最寄駅は小机駅だが歩くとそれなりに遠い。 鉄道が一般的な旅行手段となった高度経済成長期、各駅では名物となる食べ物が駅弁として販売されていたが、横浜には

          崎陽軒横浜工場(神奈川県横浜市・小机駅)

          パナソニック汐留美術館(東京都港区・汐留駅)

          パナソニック汐留美術館では、北欧モダンデザインの巨匠であるポール・ケアホルムに特化した企画展「時代を超えたミニマリズム」を開催。椅子の研究と収集を続けてきた織田憲嗣の個人コレクションを中心にして、ケアホルムの手がけた椅子を中心とした作品を展示している。 デンマークを代表する家具デザイナーだったポール・ケアホルム。機能美を備えながらも一種の芸術作品でもあるような洗練されたデザインを特徴としている。北欧家具というと柔らかいデザインがイメージされそうだけれど、ケアホルムの作品は石

          パナソニック汐留美術館(東京都港区・汐留駅)

          東京都庭園美術館(東京都港区・白金台駅/竹久夢二展)

          東京都庭園美術館では竹久夢二の企画展を開催。さすがは大正ロマンを代表する画家として今も絶大な人気があり、多くの見学者で賑わっている。今回は岡山にある夢二郷土美術館の協力で、館に所蔵されている作品が多数ここで紹介されている。東京都庭園美術館のシンボルともいえる香水塔のすぐそばを進むという普段とは異なるルートでの見学コースになっているのもまた一つの見どころ。 大正ロマン、という文化をアートの面からとらえるときにまず名前が挙げられるのが竹久夢二といえるだろう。正規の美術教育を受け

          東京都庭園美術館(東京都港区・白金台駅/竹久夢二展)