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パナソニック汐留美術館(東京都港区・汐留駅)

パナソニック汐留美術館では、北欧モダンデザインの巨匠であるポール・ケアホルムに特化した企画展「時代を超えたミニマリズム」を開催。椅子の研究と収集を続けてきた織田憲嗣の個人コレクションを中心にして、ケアホルムの手がけた椅子を中心とした作品を展示している。

デンマークを代表する家具デザイナーだったポール・ケアホルム。機能美を備えながらも一種の芸術作品でもあるような洗練されたデザインを特徴としている。北欧家具というと柔らかいデザインがイメージされそうだけれど、ケアホルムの作品は石や金属といった素材を用いた厳格なデザインで、空間の緊張感をもたらすと言われる。

時代を超えたミニマリズム

展示室の構成は、これまでのパナソニック汐留美術館の展示方法では珍しく、展示室の奥まで行ったら戻ってくる、入口と出口が一緒という構成になっている。最初の展示室ではケアホルムのこれまでの経歴と共に代表的な椅子が配置され、さらに奥の展示室へと入ると椅子やテーブルが配されたジグザグの通路を進む。展示品の前に来ると関連する音声が流れてくるという仕組みで、家具のデザインに興味がある人にとってはじっくり家具を見ながら音声で解説を聞く、という贅沢な体験もできる。

硬質でいてスタイリッシュ
でも柔らかな作品も混在する

注目したいのは最奥部の展示室。こちらは普段はパナソニック汐留美術館が所蔵しているジョルジュ・ルオーの作品が展示されるルオー展示室として使用されているのだけれど、今回はそのルオーの作品を、ケアホルムのデザインした椅子に実際に座りながら鑑賞できるようになっている。展示室では見ることしかできなかった椅子の、実際の座り心地を味わうことができるというのは貴重。トイレはウォシュレット式。

どの椅子が良いか? 悩むところですね


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