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池袋防災館(東京都豊島区・池袋駅)

東京都内にある消防施設のうち、防災体験のために公開している防災館が三箇所ほど存在する。そのうち池袋駅のすぐそばにあるのが池袋防災館である。立川と本所に比べると規模はコンパクトながらアクセスしやすいという利点がある。池袋防災館では予約制で救命訓練、消火訓練、煙体験、地震体験ができる。またシアターがあり、そちらでは実際の被災映像が流れたりもする。

エレベータで4階へ上がり、入口で受付を済ませるとあとはプログラムに沿って訓練の体験ができる。おそらく消防士としての経験を持ったインストラクターの方による指導によって実際に訓練を行う。救命訓練では対象者への声がけや、周囲の人への呼びかけ、心臓マッサージの発生などで大きな声を出す必要がある。またAEDも使用する。街なかでよく見かけるけれど実際に使う機会の少ないAEDの使用方法や注意点がわかるのは貴重。AED単体では心肺蘇生できるわけではなく、心臓マッサージを一緒に行う必要がある。

こういうものを使ってAEDの訓練を行う

5階で行われる消火器を使った消火訓練では火事の声がけがまず大事。火災映像が流れるモニターに向かって、消火剤に模した水を噴射するのだけれど、一般的な消火器はわずか20秒ほどしか噴射されないため、正確な位置に正確な当て方で消火器を使わないとすぐに無駄になってしまう。ノズルを持つ、ピンを抜く、レバーを握る、という一連のシンプルな動きが実際の災害時にはできない人も多いという。いざという時に慌てないように慣れておくことが大事。

ノズル、ピン、ハンドルの順番です

また煙体験では、屋内で火事に遭遇したことを想定して脱出を図る。火事の煙には一酸化炭素が大量に含まれており、これを吸い込んでしまうとほとんど一瞬で意識を失い、あっという間に絶命の危機に陥る。訓練の煙はもちろん人体に被害のあるものではないけれど、煙の特性を考えて地面スレスレを行く。停電で煙に巻かれると部屋は視界がほとんど無くなり、非常口灯のみが辛うじてわかる程度になる。またドアノブも高温になり触れなくなるほど。とにかく非常口を目指して進むことが正しい逃げ道。

この右枠のエリアを逃げる訓練

最後は地震体験。東日本大震災と同レベルの震度7の体験を行う。現代は丈夫な構造になっている建築物が多いので、地震が起きたらガラスの飛散が危険な外ではなく家屋にいる方が安全な場合も多い(水辺のそばなど例外もある)。屋内で被災した場合はすぐにテーブルなどで頭を守らなくてはならないけれど、震度7になるとテーブルが勢いよく動くほどの揺れになる。なお池袋防災館は横揺れだけれど、立川や本所では縦揺れも体験できるという。縦揺れとなる直下型の凄まじさを想像すると怯える。

地震の訓練 テーブルの足につかまっていないと耐えられない

なお池袋防災館では、金曜日の夜にナイトツアーも開催しているという。昼間の明るさとは全く異なる夜の状況下における避難訓練も行えるので、両方とも試してみるのも良いかもしれない。トイレはウォシュレット式。

使用用途(火の原因)に応じて消化器の種類が多数あるのも気をつけないと

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