マガジンのカバー画像

絵の中の物語

26
絵のある暮し、僕の作ったものを紹介しています
運営しているクリエイター

#写真

遠い街のあの子

遠い街のあの子

遠い街のあの子が手を振っている

「調子はどうだい?」

あの子が僕に話かける

「赤と黄色、それから青、
白が混ざり合ったような、そんな気分だよ」

僕がそう答えると、あの子は言った

「僕が暮らすこの街にも、赤と黄色、
それから青、白が混ざり合ったような、
そんな空があるよ」

そういってあの子は笑う

僕の中にある遠い記憶の街で

あの子は今でも僕に
手を振っている

遠い街のあの子

枠にとらわれず自由に描く

枠にとらわれず自由に描く

Freely(自由に 気ままに)

枠にとらわれないで、気ままに
制限なく、絵の中で自由に遊ぶ

制限なく絵の中で自由に遊ぶ

初めは画用紙に枠を描いて、
その中に絵を描いていたら・・・

絵が、枠に収まらなくなり、
画用紙いっぱいに絵を描いたら・・・

その画用紙にも収まらなくなり・・・(笑)

画用紙より大きい
ダンボールがあったので、

そのダンボールに
画用紙を貼り付けて描いた(笑)

もっとみる
息づかいを感じる

息づかいを感じる

最近は何か分からないものを作ることが多い。
そもそも何も考えないで作り出すからだ。

手に取った切れ端を、貼ったり、切ったり、塗ったり、
ただ指先にまかせてみる。

そこには、失敗や成功したなんて感覚もなく、

これは何だろう? そんなことを思いながら、

目の前に現れたイロとカタチを、
色んな方向から眺めて味わう。

きっとこの絵も、
何かになろうなんてしてないのだろう。

でも息づかいは感じる

もっとみる
「ハレ」を祈る

「ハレ」を祈る

久しぶりに絵の具を使って絵を描いた。

僕は絵を描くと、ほぼ同時に言葉も出てくることが多い。

この絵を眺めていた時、王様は「はれ」を祈った・・・

この言葉が頭の中に浮かんできた。

初め「はれ」は天気の「晴れ」だったが、
もうしばらく眺めていると、

天気のことではないとわかった・・・

「ハレ」は王様の中にある、とても大切なもの。

王様の中にもあるが、生きるもの全ての中にある「ハレ」

もっとみる
踊り出す走り出す

踊り出す走り出す

衝動に駆られて踊り出す

衝動に駆られて走り出す

奥さんがこの絵を見て、
「なんかこの絵、細胞みたいだね」って言った。

この絵を描いている時、
僕の細胞はこんなふうになっていたのかも。

細胞が走り出す

細胞が踊り出す

細胞が目を覚ます

「今ここ」を感じる

「今ここ」を感じる

ぼくはカメラを持って散歩するのが好きだ。

カメラを持つと、普段気づかずに通り過ぎていたものに目が行く。

垣根に咲いている花や、水溜りに映る空、
ひなたぼっこをしている猫など、

見渡せば、その一瞬の光景の中にも
物語がたくさんあることに気づく。

さらにぼくがカメラを持つことで
いいと思うことは、「今ここ」にいれること。

ぼーっとしている時でも、ついつい頭の中は
「今ここ」ではないどこかに飛

もっとみる
頭の中の演奏家

頭の中の演奏家

いつか、ある老人が、
僕にこんな話をしてくれた。

その老人の頭の中には演奏家がいるのだという・・・

老人はこう言った。

頭の中の彼は、どんな楽器でも弾くことができて、

わたしの可笑しくも切ない人生劇場を
いつも最高に盛り上げてくれるのだ。

わたしがやらかしてしまった時、

彼は、とても切ないチェロを奏でて、
どこまでも、わたしを落ち込ませてくれる。

わたしが恋をした時、
彼は、とても軽

もっとみる
暑苦しい太陽

暑苦しい太陽

暑い日が続くようになりましたね。
なのに…こんなに暑苦しい太陽を作ってしまった…
もっと爽やかな太陽になるはずだったのに(笑)

そしてこの太陽、見た目だけでなく、態度も暑苦しいのです。

ふと目が合うと僕にこう言うのです。
「わしどない?イケてる?」

「う、うん、イケてる・・・と思うよ」

「どのへんが?」

しつこい、う、うざい(笑)

でもどこか憎めないこのおっさん太陽、そう思っている時に

もっとみる
僕の中にあった宮沢賢治の世界

僕の中にあった宮沢賢治の世界

作品を描き終えてから考えていた。
この絵にはどんな物語があるんだろう。

僕は描いている時は基本何も考えていない。
だから描いている本人も、どんな絵が出てくるのか、
描き終えるまでわからないのだ。

しばらく絵を見つめる、

その絵の奥の奥のまた奥にあるものを見てみると、物語が見えてきた。

宮沢賢治の「オツペルと象」だった・・・

そうきたかー、
自分でも予想していなかった展開にワクワクした。

もっとみる
物語が生まれる

物語が生まれる

今年は元旦から描きたくなって絵を描いている。

いつものように、何を描こうかなど一切決めずに、
真っ白な紙の上に、まずは宝箱の中から手に取った紙を貼る。

その瞬間ゼロから、物語が生まれる。
どんな物語になるのだろう、自分にもわからないからワクワクしてくる。

そのうちに謎の髭男が出てきた。

「あんたは誰だ?」と僕が言うと、

「お前こそなんなんだ!」と言われた(苦笑)

でもこの髭男、口からな

もっとみる
今年もよろしくお願いします

今年もよろしくお願いします

新しい年が始まりましたね。

今年は、絵描きとしての活動の場をも少し広げていこうかなと思っています。

どんな一年になるか楽しみです。

踊るアポニビ

踊るアポニビ

アポニビは嬉しくて踊る

月に祈りが通じた朝

野生の心も踊っている

牙を剥き出しにした夜

アポニビは悲しくても踊る

100歳のマオベサが旅立った日も踊っていた

踊ることでひとつになれるからだ

そして、命がまたひとつ思い出す

目の前にある沢山の切れ端の中から、
手にとったものを切り抜き、自由に貼り付けていく。

何ができるかなんて自分にもわからない。

わからないから楽しいし、意味がな

もっとみる
大道芸人

大道芸人



エヴァは大道芸人
今日も街角で踊っている

このブレスレットは、
大好きだったお爺ちゃんからもらったもの
お爺ちゃんも大道芸人だった

赤と青の髪が彼女のトレードマーク
路上の神様が幸運をくれるのだそうだ

彼女は天使になって街角で踊る
突き抜ける空が彼女を照らしていた

これを描いている時、
友部正人さんの大道芸人という歌を思い出した。

飛行機に乗ってパリまで行く
だけどオランピア劇場に出

もっとみる