マガジンのカバー画像

エッセイ・コラム・日記

18
実際に考えていることとかあったこととか
運営しているクリエイター

#日記

転職1年

転職1年

1年前の今日転職をした。
体感的には早いとも遅いとも感じない。
ただ、正直なところ早々に自信を失っていたので、ここまで保ったことは意外だ。

業務面について、まるで貢献している感覚が無い。
一歩進んで二歩下がる、時々三歩進んで二歩下がる。
褒められもせず、批判されもせず、暖簾に腕押し。
どのような内容だとしても「フィードバックが無い」ということがこの上無く苦痛であると初めて知った。
新しい知識を得

もっとみる
花開くサボテン

花開くサボテン

花びらの一枚一枚が重なり会う中で、肉が薄く光で透けているところ。
日の光が差すと花びら一枚一枚の姿が露わになるところ。また、恥じるように閉じていくところ。
丸々と純朴な身体、それとは若干似合わない艶があって肉厚で毛の生えたどこか艶めかしい茎、花の大輪で華美だけどどこか儚げな雰囲気、尖った棘の反抗心。
しっくりと鉢に収まった親株と、乱れ生えた子株達。
全てを晒した後、昼には首を垂れて貞淑な姿。
一夜

もっとみる

2023.04.23日記(?)

職場に行って働いて家に帰るという一連の行為に身体がついていかない。

頭や身体が何にも制限されていない時間が必要だ。
そのためなら、お金は雨風がしのげる程度で……嘘、会いたい人見たい物のために思い立ったらすぐ動けるくらいは欲しい。

心に余裕が欲しい。
生活に遊びが欲しい。
優しくしたいし、優しくされたい。

以下、仕事中に脳内妄想が止まらない話。

モノづくりでは、計画に必ずバッファを設ける。

もっとみる

2023.02.26日記

久しぶりにnoteを開いた。
何か書こうかと鉛筆のアイコンを押すと、いくつも下書きが溜まっていた。
書けないのに書こうとして足掻いた跡に苛つきながら、
一番上に表示されていた「半年後の自分へ」を、
舌打ちしながら闇へと葬った。

未来は明るいか

乾いた花束
皺だらけのデルフィニウム
首を垂れるサボテン

明日から新しい生活が始まる

2022年1月28日

2022年1月28日

今日は自分にとってとても大切な日だ。
理由は誰にも言わない。
理由を知っていた人も、もう忘れているかもしれないけれど。

ただこの日は、3年前にバーボンを飲む日と決まった。
本当はワイルドターキーのマスターズキープが良かったのだけれど、行きつけのbarには置いていなかったので8年。
少し焦げたキャラメルのような、濃厚な甘い香り。
それでいて、どっしりとして荒々しい。
美味しい。
小さなグラスの黄金

もっとみる
予行演習

予行演習

寒さで手先が痺れる。
こういう時、死にゆく時も同じなのだろうかとふと考える。
死んだら無なのだから、感覚が無くなる過程があって然るべきだ。
呆ける前の祖母に最後に会った時、「死ぬのが怖い」「最近何も感じなくなってきた」と言ったのはそういう意味なのか。

生きている間に経験することの出来ないことなのだから、きっと誰もが少なからず不安を感じたり緊張したりするだろう。
それを可能な限り穏やかな形で迎えた

もっとみる

新年/note2ヶ月記念

あけましておめでとうございます。

1ヶ月記念の時には10記事で900view少し。
この1ヶ月でまたさらに10記事ほど増えて、3600view少しの人に見てもらえたようです。
ものすごい数で震えています。
精進せねば。

今年も何卒よしなに。

仕事納めは転職活動の始まり

仕事納めは転職活動の始まり

 今日は勤めている会社の仕事納めだった。社会人2年目、怒涛の忙しさで心身に鞭を打って働いていた。

 夏前、唯一の品質保証の人が辞めた。休職後復帰してすぐの事だった。詳しいことは知らないけれど、きっと休む前に訴えた事は何も解決しなかったのだろう。
秋、今年入社したばかりの人が辞めた。工場での研修を終え、本格的にやっていこうという最中のことだった。
秋の終わり、何でも出来るベテランの人が他の部のヘル

もっとみる
サンタを信じたことが無い

サンタを信じたことが無い

 クリスマスまで1週間となり、外に出るとチキンだケーキだイルミネーションだと人々が浮かれている。
私もクリスマスにかこつけて、普段は売られていない特別なケーキを注文したりしているので何も文句は言えない。
日本全国酒飲み音頭は「12月はドサクサで酒が飲めるぞ」から「12月はクリスマスで酒が飲めるぞ」に歌詞を変えたほうがいいんじゃなかろうか。

 クリスマスは完全に日本の文化に溶け込んでいて、これは子

もっとみる
母が魔女だった時

母が魔女だった時

 4歳ぐらいのある日、眠れずに部屋を出るとぼんやりとした灯りのみがぼうっと影を作る暗い部屋に母が一人佇んでいた。灯りをよくよく見ると、とても小さな炎だった。
「……」
母は無言だった。薬草のような香りが匂いが立ち込めていた。やがて炎が消えると、その炎を支えていた器を口に運んだ。
「魔女の嗜みってやつよ」
保育園で読んだ絵本の中の魔女を鮮明に思い出した。全身を覆う黒い服を着て、派手な装飾品を身につけ

もっとみる

note1ヶ月記念

noteで初めての記事「窓辺の紫煙」を書いたのが11月2日。
それから1ヶ月経つ今日までの間に10の創作文章が生まれました(画像は今朝のダッシュボード)。

諸々あって10年ほど筆を折っていたのですが、今は書くことが本当に楽しいです!
そして、たくさんの方に読んでいただいて心の底から嬉しく思います。

これからも、どうぞよしなに。

11月の終わりの空気

11月の終わりの空気

マフラーと手袋がいよいよ手放せなくなってきた。
息を吸うと冷たい空気が肺を満たし、気が引き締まる思いがする。
それが何とも心地よく、いつもは憂鬱な通勤列車を待つ時間が楽しく感じられる。

「いうてる間に冬になってもうたなぁ」
「やっと秋らしくなってきたさぁ」

背後に立つ女性と私の言葉はほとんど同時だった。お互い思わず振り返って「えっ」と顔を見合わせた。
「それ、どういう意味?」と聞く間もなく電車

もっとみる
甘やかなる抱擁

甘やかなる抱擁

 いつも通りの時刻に目覚ましを止めた。目は覚めたが動けないまま、天井と見つめ合って時間が過ぎていく。何とか起き上がって冷えた水を勢いよく流し込むと、出勤ギリギリの時間だ。ドアノブを回そうとする手が意に反して抵抗してくるのを感じながら外へ出た。叫びたい衝動を堪えて何とか会社の前まで辿り着き、深呼吸をする。朝の冷たい空気が肺を満たし、少し冷静になった気がした。早く仕事を片付けて帰って寝ようと思い直して

もっとみる