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仕事納めは転職活動の始まり

 今日は勤めている会社の仕事納めだった。社会人2年目、怒涛の忙しさで心身に鞭を打って働いていた。

 夏前、唯一の品質保証の人が辞めた。休職後復帰してすぐの事だった。詳しいことは知らないけれど、きっと休む前に訴えた事は何も解決しなかったのだろう。
秋、今年入社したばかりの人が辞めた。工場での研修を終え、本格的にやっていこうという最中のことだった。
秋の終わり、何でも出来るベテランの人が他の部のヘルプに入ったまま殆ど戻ってこなくなった。
冬になる少し前、唯一の研究開発担当の人が辞めることになった。側から見ていて完全に鬱だった。引き継ぎのために私の部の設計担当の人が引き抜かれた。当初の期限は1ヶ月だった。

 ロケット鉛筆の芯が入れ替わるように、私はその人たちの業務に補填された。

 「研究開発がやりたい」と入社前からずっと言い続けていた。
春頃、今の業務内容がやりたいことと合っていないことを上司に相談して上に掛け合ってもらったが状況はほとんど変わらなかった。2ヶ月ほど続いた電線を規定の長さに切って纏める脳死作業からは何とか外してもらえたけれど、結局研究開発ではなかった。
私は何か一欠片でも成長しているのだろうかと不安に苛まれるようになり、寛解した鬱が再発して1年ぶりに心療内科に通うようになった。
先輩の1ヶ月の異動が年内いっぱいに変わり、今日になって来年も戻ってこないと知った。「設計が出来るようになったら研究開発にいかせてあげる」と社長と人事に言われたけれど、これまで似たようなやり取りを何度も繰り返してきたので口から出まかせだと知っている。最終的にスキルマップや数字で測れない曖昧な、匙加減一つで変わる指標を出してきて却下されるのだ。
「辛い」と独り言を呟くと「大丈夫。来年はもっと出来るようになるし、やってもらうつもりだ。出来るようになれば楽しくなる」と上司に言われてげんなりした。涙を堪えて切々と相談した内容は記憶から消えているらしい。初めてこれまで信頼していた上司を裏切りたいと感じた。

 来年の抱負は「転職」。
中々上手くいかないけれど、もう二度と首をくくらないよう努めたい。

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