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音楽についてけっこう熱く語るエッセイ集のたぐい

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ポップ/ロック/ソウルについてけっこう熱く語るエッセイ集のたぐい
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#洋楽

夫婦盤は狙い目

夫婦盤は狙い目

音楽を聴いていると、夫婦で作った曲ってのに出くわします。これは経験的に良盤の確率が高いです。個人的にこういうのを夫婦盤(めおとばん)と呼んでいます。

例えば、マルコス・ヴァーリの「サンバ '68」。アルバムの多くを奥さんのアナマリアとデュエット。

ステレオラブ「騒音的美学の終焉」Transient Random Noise Bursts With Announcements からJenny O

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【レコード】Falco / Falco 3(ロックミー・アマデウス)(1985 UK:32 US:3)

【レコード】Falco / Falco 3(ロックミー・アマデウス)(1985 UK:32 US:3)

オーストリア、ウィーン出身ながら「ロックミー・アマデウス」がアメリカで大ヒットして注目された作品。

この作品は本当に何回も聴きました。

帯はこんな感じ。

帯の裏にはアーティスト紹介。

まずは何よりもこの曲でしょう。
Rock Me Amadeus(1985 UK:1 US:1)

地元オーストリアをはじめカナダ、ニュージーランド、アイルランド、スウェーデン、ドイツで1位を獲得。

ドイツ語

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デヴィッド・バーンの興した変態レーベル、ルアカ・ボップ

デヴィッド・バーンの興した変態レーベル、ルアカ・ボップ

要約☆彡

☞トーキングヘッズが解散する2年前の89年、デヴィッド・バーンは自分のレーベル、ルアカ・ボップを立ち上げる。

このレーベルでバーンは、音楽史に埋もれてしまったミュージシャンの再発をしていく一方で、クリントンやゲギー・ターといったカテゴライズ不能なミュージシャンの名アルバムも多くリリースしてきた。

本文ここから⇩

「アメリカン・ユートピア」の公開で再度脚光を浴びているデヴィッド・バ

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デルタ5がAppleの新CMソングに起用された理由

デルタ5がAppleの新CMソングに起用された理由

こんにちわ。今日は音楽を肴にひとつ。

iPhoneのプライバシー機能の新CM「Tracked(追跡)」が2021年5月から放映中です。

このCMに使われている曲がデルタ5の名曲「マインド・ユア・オウン・ビジネス」。

デルタ5はイングランド出身の70年代後半から80年代初頭に活躍したポスト・パンクのバンドです。

ロック・アゲインスト・レイシズム・ムーブメント(人種差別反対ロックムーブメント)

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インダストリアル・テクノというジャンルを切り開いた名曲 Warm Leatherette

インダストリアル・テクノというジャンルを切り開いた名曲 Warm Leatherette

今日は音楽で一筆です!

The Normal というグループ(正確には一人なんですけど)がリリースしたWarm Leatheretteという曲についてです。

この曲は、インダストリアル・テクノという分野を生み出したといっても良い記念碑的な名曲です!案外知られていない曲なんじゃないかと思います。

インダストリアル・テクノって?インダストリアル=ノイバウテンみたいな?テクノ=クラフトワークとかY

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アーティストが手掛けたアルバムジャケット10選

アーティストが手掛けたアルバムジャケット10選

アート界で有名で、音楽ジャケットも関わった人と言えば、言わずもがなのアンディ・ウォーホル。

ローリング・ストーンズのLove You Live

Sticky Fingersのジーンズ下半身ジャケも有名ですが、こっちの方がシルクスクリーン的で作品としてウォーホルらしいです。

ベルベット・アンダーグラウンドのVelvet Underground & Nico

これもロック史に残るジャケットです

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イールズ-ブライアン・ウィルソンの再来と呼ばれた男-

イールズ-ブライアン・ウィルソンの再来と呼ばれた男-

現代ポップス最高のメロディメーカーとして知られるビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン。そんな彼に匹敵する才能と言われた2000年代のアーティストがいる。イールズことマーク・オリヴァー・エヴァレットがその人だ。

マークは、当初"E"というアルファベットの大文字一字のミュージシャン名で92年にソロデビューする。"A Man Called E"、ブロークン・トイ・ショップ、ビューティフル・フリーク

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プリーチャーマン -テクノのフォーマットで黒人音楽の伝統を蘇らせた不世出の神曲-

プリーチャーマン -テクノのフォーマットで黒人音楽の伝統を蘇らせた不世出の神曲-

Green Velvetは1990年ごろから活躍しているテクノ/ハウス・プロデューサー。その彼が1993年にドロップしたのがこの曲。ドスの効いた四つ打ちの上に重ねられた、エヴァンジェリカルな牧師のスピーチが印象的な曲だ。Godの部分をHouseに置き換えて、比類ないハウス・アンセムとなっている。

この作品以前のグリーン・ヴェルヴェットは、シカゴ・ハウス界隈でも珍妙なビート愛好家でどこか斜に構えた

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ソウルを超えたソウル スティービー・ワンダーのLiving For The City

ソウルを超えたソウル スティービー・ワンダーのLiving For The City

おれ、全然分かってなかった。スティービー・ワンダーの偉大さを。

ホントそういう気持ちにさせられたのが、この曲!

当初は「なんだ、これっ!!??」っと得体のしれない魔物を掴んでしまった感覚。

スティービー・ワンダーによる名作インナービジョンズに収録のLiving For The City。

この曲は、リズムはロック王道の8ビート。シャウトもR&Bやブルース、ファンクノリじゃない。どっちかとい

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