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はじめにーー自分が今最も欲しているものとは何なのか
「会社を辞めたいけれど、自分みたいな人間はたぶん他では上手くやっていけない」という友人がいた。彼の顔は疲れ切っていて誰がみても限界だということは明らかだった。
そんな友人を見ていると「私よりもずっと頭が良くて有能なあなたが、どうしてそんなことを思うの?絶対他でも上手くやっていける。あなたを縛るそんな職場なんて抜け出しなよ」と考えなしに言いたくなってしまう。
しかしどこかで躊躇してしまうのは、自
おわりにーーこの時代に夢を語るということ
今回取材に協力してくださった5人は、それぞれ現実が何なのか自分たちなりに解釈した上で、夢に向かって生きている。けれどほとんどの場合、“自分の生き方”を決める前には「葛藤」があった。
欲望に従って生きることは、心の平穏を失うリスクも高い。経済的な安定だけでなく、大事にしてきたプライド、異性からの扱われ方、家族との軋轢というようなパーソナルな問題に直面し続ける。自分の守り方がわかり始めてくるこの年齢
最後の賭けにでるような思いだったーーウェディングプランナーを続けるために会社を辞めた今枝佳奈さんの現在
30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。5人目は、フリーウエディングプランナーとして活動している今枝佳奈さんに話を聞いた。
今枝さんはブライダル企業のウェディングプランナーとして5年半勤め、昨年1月に独立した。仕事は順調。フリーランスになったことでやりたいことを叶えられているという。元々出世欲が強かった彼女は、会社
本社に配属されるのはひと握りのアパレル業界ーーハギさんが20代でVMDになるまで
30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。4人目は、某イタリアブランドでフィールドVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)として活躍しているハギさんに話を聞いた。
VMDとは顧客の購買意欲を引き出すための売り場の空間設計や商品陳列を手掛ける職種。ハギさんは接客スタッフ時代に店舗VMDを兼任したことを機に、この職を極め
自分1人の力で作り上げた創作物で注目されたいーーかつて漫画家を目指していた茉河ユウさんが、向かう先
30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。3人目は、バーチャルライバー/バーチャルライターとして活動している茉河ユウさんに話を聞いた。
“アウトプットの方法は何でもいい/チヤホヤされるために頑張ってる”という茉河さんは、イラスト、執筆、VTuberと幅広く活動している。何でも人並み以上にこなせる器用さと柔軟性がある彼
1年間の療養で収入0になったこともーーいざとなったら保証はない。それでも井上ユリさんがカメラマンを続ける理由
30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。2人目は、カルチャーメディアを中心に活躍しているカメラマン・井上ユリさんに話を聞いた。
井上さんがカメラマンになったのは17歳の頃。「好きなバンドと一緒に仕事がしたい」という気持ちから始めたそうだ。そしてその夢が実現したのは、デビューからわずか数ヶ月後のことだった。それから現
「当たり前」ができず何度も挫折した会社員時代ーー食の仕事を目指し続けた山本咲さんが、フードコーディネーターになるまで
30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。1人目はフードコーディネーター兼菓子作家の山本咲さんに話を聞いた。
会社員時代は挫折ばかりだったという山本さん。食の仕事に携わりたかったという彼女だが、組織のなかでは自分の強みをなかなか発揮できず、苦しい時期が続いた。夢はすぐそばなのに、目の前に立ちはだかる壁を乗り越えられ
新しい連載、まもなく始まります。「それでも夢を追う理由」というタイトルです。取材をまとめている間にこの連載の向かう先を変えるべきだと思い、だいぶ悩んだ末にようやく完成しました。
すぐにとはいいません。もう無理かもしれないと思った時にこの連載のことを思い出してもらえたら嬉しいです
Works2022-2023(コラム、インタビューなど)
小さな生活の声以外の書き仕事について
コラム松田龍平の存在に感じる“共感”と“恐怖” 『鵜頭川村事件』に漂う空虚さ
私は労働者という立場になって以降、松田龍平をかなり好きになっていて。その理由を考えてみました。 最初は「あのモテ男と重なるから…?」と思っていたのですが…そもそも松田龍平の芝居からこぼれるものって人間そのものだからかと今は考えています。
『わたしのお嫁くん』『隣の男はよく食べる
死にたくなった日のその先で 山田太一の社会への抵抗と受容
山田太一が最後に手がけた連続ドラマは、自殺未遂をした男女の物語だった。本作『ありふれた奇跡』の主人公・加奈と翔太は、駅のホームから飛び降りようとした中年男を助けたこときっかけに出会い、交流していくなかで互いに恋愛感情が芽生えていく。
山田太一ドラマには自殺をしようとする人間が度々登場するのだが、それは彼が戦争経験者であったことも影響していたのだろう。あの頃よりも”平和”で”安全”な世の中でなぜ人
男には夢を与え、女には絶望を教えてくれたーーヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』について
男から大事にされるためにはどうしたらいいのか、男の本命になるにはどうしたらいいのか。異性に恋をしたことがある女であれば、幾度と考えることだろう。その証拠に某SNSおすすめTLには恋愛を指南するポストで溢れかえっている。というか私自身がいい女の条件的なポストを見て「あれ、これ私のことかしら?」と自分に当てはめて気持ちよくなったりしていること多々あり。とはいえそんな恋愛指南に一喜一憂するよりも「高級シ
もっとみるおわりにーー未来を諦めてるというけれど
それなりに大人となり現実を知った私は、共感と賞賛と炎上が目まぐるしく変化していくタイムラインを見ては、少々余計なことが頭をよぎるようになっていました。女性差別反対と言ってるわりに自分の彼女のことはさんざん困らせてんだよなこの人とか、あのバズライターは原稿の締切もろくに守らないくせに態度もひどいから編集者のことは普通に泣かせてんじゃんとか、Twitterトレンドに真っ先に意見することに夢中で仕事は全
もっとみる「この職場にいる意義を感じられたんです」 ゑんさん29歳(役所勤務)
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第一志望の職場に入っても
今の職場で働き始めてもう8年目になります。自分なりに問題意識をもって志望した職場だったので、内定が決まった時は嬉しかったですね。
でも業務を始めてしばらくは本当に大変でしたよ……。どうやって辞められるかそればかり考えてました。上司からは、電話をとれば怒られる、先輩と仕事を進めようとすれば怒られる、何をしても怒られるんです。僕の席の後ろに
「自分が“そっち側”になることには不安があった」 やっこさん26歳(大手IT企業勤務)
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早期離職者が少ない理由
新卒で入社して4年目になりますけど、同じ部署の同期で辞めてる子って全然いないんですよね。なんでだろうと考えてたんですけど、入社当時からコロナ禍で完全リモートワーク状態だったので、それが大きいかもです。上司が近くにいる環境で働いてないので、人間関係のストレスをそこまで経験せずにここまできたという感じで。社会人になった気がしないんですよ。
で
「今の会社を辞めたいと思ったことはない」海さん 29歳(大手IT企業勤務)の話
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“仕事ができない”とされる人はいない
今の会社を辞めたいと思ったことはないですね。逆になんで皆さん辞めちゃうんだろうと思って。部署の同期で辞めた人はほぼいませんし、友だちにも会社を辞めたいって子がいないから不思議で。
私の会社はホワイト企業な方だと思います。残業が月45時間を超えるのは一人か二人程度だし、私なんかここ数ヶ月は残業してないですよ。人が多いから上手く