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Human Resource Logistics(HRL)

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『 海外事業要員確保は兵站(Logistics)である 』 これは最近私が見つけたメタファーです。 noteでは前向きにLogisticsを進める、特に中堅中小企業の事例をご紹…
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#人材

人材紹介コンサルタントの専門性とは

人材紹介コンサルタントの専門性とは

 労働市場の流動性が高まり、より豊富な経験や高度なスキルを有する人材の採用(転職)が増えることで、それを仲介する人材紹介コンサルタントにもビジネスや製品、各技術分野に関する知識が一層求められています。

 登録人材(求職者)の経験や強みを適切にヒアリングし理解する上で、同じ(近い)分野で働いた経験をもつコンサルタントは適任といえます。
 また取引先企業との関係においても、人材の需要家である事業部門

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貴方は"採用力"ある?ない?

貴方は"採用力"ある?ない?

"大辞職時代"といわれ労働市場の流動化が進むなか、益々重要性を増す人材採用。
企業としての採用力もさることながら、あなた個人(ビジネスパーソン)としての採用力はいかがですか?
そんなことをお尋ねする3問の簡単なアンケートです。
ぜひご協力ください!

未来の雇用者への手紙

未来の雇用者への手紙

Harvard Business Reviewから『Z世代から未来の雇用者への手紙』。
まさに今ビジネス界にデビューしようというZ世代(1990年代中盤〜2000年代終盤生まれの世代)の目線を通して企業のあるべき姿を論じるエッセイです。

  生まれた頃からスマホに接し、SNSを通じて自分の考えを発信し他者と繋がることに長けた彼らは、成熟した、しかし先行きの不透明な世界しか知らない世代と言えます。

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責任と権限の所在

責任と権限の所在

週末の日経MJから『サンリオ「第二の創業」へ 〜32歳社長、本気で変える』。

昨年、創業社長である祖父の辻信太郎氏(現会長)から社長職を継いだ孫の辻朋邦氏(32)が取り組む経営改革。同氏は改革の3つの柱をそれぞれ担う執行役員を外部採用しました。

  1960年創業の同社はこれまで、ハローキティに代表されるキャラクターを中心に、物販や映像、テーマパーク運営など多角的なビジネスを展開してきました。

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今さら"35歳"を持ち出す無意味

今さら"35歳"を持ち出す無意味

かつて、35歳を超えると転職市場で得られる選択肢の数が急激に減少することが『35歳転職限界説』なる定説として語られていました。

“失われた10年”を終え、「転職」や「中途採用」がある程度市民権を得た2000年代においても、私たち人材紹介会社が取引先から預かる求人の多くは、「35歳未満」と明記されたものでした。(2007年に行なわれた雇用対策法の改正により求人の年齢制限は禁止されました)

では、

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「行けばなんとかなる」のない世界

「行けばなんとかなる」のない世界

  今日は、当社のお客様向けのオンラインセミナー『グローバルビジネスとヘルスリテラシー ~海外赴任者に対する安全配慮義務の観点から』を開催しました。

  講師としてお招きしたのはベトナムで医師として活躍する中島敏彦先生。海外での豊富な臨床経験をもとに、海外駐在員が心身の健康を維持するために留意すべきこと、そして何よりも駐在員を送り出す日本本社が認識しておくべきリスクについて具体的、実践的に解説し

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日本企業の旧くて新しい課題

日本企業の旧くて新しい課題

 青山学院大学名誉教授で国際経営学をご専門とする林吉郎先生の著書『異文化インターフェイス経営』、1994年に出版されたものです。

  グローバル経営において課題となる異文化間のコミュニケーションギャップが、現地駐在員の異文化コミュニケーションの問題に変わってしまっていることを問題視し、そのギャップを、本社の問題と捉えて異文化インターフェイスをデザインすることで解決を図るべきであることを主張してい

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隔月連載14稿目

隔月連載14稿目

 日経産業新聞で連載させていただいている「HRマネジメントを考える」。

 今回は、『VUCAの時代、能動的に計画採用を』

※有料会員限定です

 不透明で不確かな時代、2〜3年先まで見通すことなんか不可能、と、中期経営計画の有効性さえ疑われている昨今。しかし、高齢化と人口減少による国内市場の縮小は「既に起こった未来」として確実です。

 それに伴い、成長戦略の軸足を一層海外に移していくことは日

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明日死ぬなら何をのこしたいか

明日死ぬなら何をのこしたいか

 今朝(9/11)の日本経済新聞から、『ジョブ型雇用へ移行進む』。資生堂の社外取締役も務める一橋大名誉教授の石倉洋子先生へのインタビュー記事です。

 多くの人にとって想定外だった新型コロナウイルスが人々に再認識させた「無常観」。
 石倉先生は「自分が働いている会社がいつまで続くかも分からない。個人が勝負できる武器を持つべきだ。」と説いています。
 それは、次の時代を生き抜く知識やスキルを学ぶこと

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惰性的な面接から脱してみると

惰性的な面接から脱してみると

    Harvard Business Reviewの最新記事から『採用プロセスを改善するための4つのアプローチ』。

「あなたの最大の強みと弱みを教えてください」

「仕事で試練を乗り越えたときの話を聞かせてください」といったものだろう。

 多くの面接で繰り返されるポピュラーな質問ですが、筆者は、この世代間で受け継がれてきた伝統的な行動面接(過去の行動を答えさせる質問をする)では正しい評価が

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“ジョブ型雇用礼賛”を待ち受ける、修羅の道

“ジョブ型雇用礼賛”を待ち受ける、修羅の道

 ダイヤモンドオンラインの最新記事から、『コロナ禍に乗じたジョブ型雇用礼賛を待ち受ける、修羅の道』。

日立製作所、富士通、KDDIなど、大手企業のジョブ型雇用への移行が次々と報じられています。

 毎日のように紙面を賑わす「ジョブ型」は、決して新たなキーワードなどではなく、グローバル化に伴う人事戦略の文脈では長く論じられてきた事柄です。(その経過をご存知の方には「職務型」という名称のほうがしっく

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海外拠点の経営を担う人材の採用の難しさ

   自身の論文に引用しようと考えている論文『海外拠点の経営を担う人材の採用プロセス』(中村天江氏、2013年)。

   海外事業展開を行なう日本企業にとって、海外拠点に赴任してその経営を担う人材の確保は古くて新しい課題です。

   本稿は、海外拠点の経営人材として中途採用された人材と採用企業を仲介した人材紹介会社のコンサルタントに対して行なった13件のケースインタビュー結果をグラウンデッドセ

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隔月ルーティーン 〜思考の整理

隔月ルーティーン 〜思考の整理

  日経産業新聞に隔月で投稿しているコラム「HRマネジメントを考える」の13稿目です。(本日7/22掲載)

  新型コロナウイルスの影響が長引く中、今後の日系企業各社におけるグローバルビジネス要員需要がどのように変化するのか、現在実施中のアンケート調査から見られる傾向を過去と比較して述べています。

※現在実施中のアンケート調査「アフターコロナのグローバル人材需要」(日系企業の人事部門の方、ぜひ

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人材紹介に明日はあるか②

人材紹介に明日はあるか②

スペックを下げる

  人材紹介会社のコンサルタントが、取引先企業から受けた求人の相談に対し、現実的に候補者を紹介し得る水準にまでその要件の緩和を求めることを言います。
特に新しい表現ではなく、私がこの業界に足を踏み入れた20年前には既に業界用語として定着していました。

  経験や能力、専門知識に加え、表立っては制限してはいけない年齢層など、企業が中途採用募集を行なう時には様々な要件が指定されま

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