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明日死ぬなら何をのこしたいか

 今朝(9/11)の日本経済新聞から、『ジョブ型雇用へ移行進む』。資生堂の社外取締役も務める一橋大名誉教授の石倉洋子先生へのインタビュー記事です。

 多くの人にとって想定外だった新型コロナウイルスが人々に再認識させた「無常観」。
 石倉先生は「自分が働いている会社がいつまで続くかも分からない。個人が勝負できる武器を持つべきだ。」と説いています。
 それは、次の時代を生き抜く知識やスキルを学ぶこと(努力)とセットです。

 私にとって最も印象的なメッセージは、「人類は生きるか死ぬかの状況に直面した。今まで経験したことがないような事態をきっかけに、人々は自分の人生を見つめ直すようになっている。あす死ぬなら何を残したいか、と考えると人生の優先順位が変わる」。

 またそれに伴い石倉先生は、「企業がめざす方向が明確であれば、賛同する人たちが働き手として自然と集まってくる。有名企業の看板や他社でも使えるような表面的なビジョンでは人を採用するのが難しくなる」と、企業にとって一層「Purpose(パーパス)」が重要になることを説いています。

 取引先企業に対して候補者を紹介する私たち人材紹介の仕事において、その求人に適した候補者に対して「応募への動機付け」を行なうことは、成果(取引先企業の採用成功)を決定付ける重要なプロセスの一つです。
 その際、私たちコンサルタントが語れなければならないことは、「貴方が人生の貴重な時間を賭してこの仕事に就く意義は何か」ということなのであり、そしてそれを語るためには、その企業のパーパスや、候補者の人生観・仕事観を正しく理解し受容する知性と感受性が必要であると言えます。

 好景気の時代に「量とスピード」で生産性を高めるため、著しく単純化・パターン化された人材紹介コンサルタントの仕事が次の時代にもその価値を維持するための第一歩は、『この仕事は難しい仕事である』と、改めて登る山の高さを再認識した上で、汎用性に乏しい目先のテクニックではなく、世界・社会・経営・人間・仕事の本質を知る”真の学び”を始めることだと考えます。

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