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第17走者 杉本 流:文豪ストレイドックスの精神分析
川谷先生のバトンが「もののあはれ」だったのでそれに関連した作品です。前走(12走)で書いた「ギャップ」について触れたかった作品でもあります。
私がエッセイ用の作品を選ぶきっかけは、来院している人達から紹介されたり勧められたりするものがほとんどです。今回は古本屋に寄った際に1巻2巻を見つけ「この間の子が好きだって言ってたな」と思い出し、購入して読んで書きました。なので、2巻まで読んだだけの知識で
第16走者 川谷大治:『注意と非注意のあいだに』
恒吉先生のバトンを受けて。
恒吉先生は面接を終え、「面接室から階段を降りて医院のドアを開けると、ほんの一瞬、別世界に入り込んだような妙な感覚にとらわれることがあります」と述べて、その感覚を離人感と呼んでいます。そして、「映画館の内と外、面接室の内と外にはこころを整えるためのスキマが必要なのかもしれません」と結んでいます。
確かに、そうです。映画も面接(セラピー)も終わりがあります。私の子どもの
第13走者 岩永洋一「1/3の純情な感情」
「壊れるほど愛しても1/3も伝わらない
純情な感情は空回り
I Love Youさえ言えないでいる My Heart」
皆さんこんにちは、打順3番の岩永です。リレーエッセイも3周目に入りました。そのことを考えながらぼーっとしていたらこの曲が頭の中に流れてきました。多分「3」周目と「3」分の1が繋がったのでしょう。この曲は1990年代から2000年代に活動していたロックバンドSIAM
第6走者 川谷大治「人はなぜ褒められると嬉しいのか」
柴田先生の代走です。
稲員先生がベイトソンの話に触れましたので、その話からはじめます。話は今から数十年前に遡ります。統合失調症の病因の一つにベイトソンの「二重拘束」理論が注目されました。母親が子どもに対して二重のメッセージを同時に送ると統合失調症の原因になるという仮説です。当時は有力な仮説の一つでした。詳しく言いますと、二重拘束理論とは、母親が子どもに言語的メッセージと同時にそれと矛盾する非言語
第5走者 稲員修平「コミュニケーションにおける、メタ・メッセージの重要性」
第五走者の稲員(いなかず)です。川谷医院で公認心理師・臨床心理士として働いています。これまでの先生たちの話とつながる部分とつながらない部分の両方があるかもしれませんが、私が最近関心を持っていることについてまとめてみたいと思います。
グレゴリー・ベイトソンという文化人類学で有名な先生がいました。1904 年 7 月にイギリスで生まれて、第二次世界大戦中にアメリカに渡り、1980 年7月に亡くなってい
第4走者 渡邉恵里「モモから学ぶ『寄り添い方』」
第四走者の豆まきをしなくてもよい渡邉です。(これを読んで「?」の方は、第三走者の岩永先生のエッセイをご覧下さい)
岩永先生のエッセイに、子どもは「鬼は外、福は内」から心の成長と共に、「鬼は内、福は内」と言えるようになる、という話が書かれていました。
このエッセイを読んで連想したことは、最近はSNSでつぶやいたことが大勢の人に発信されてしまうため、「鬼は外」と思いがけないほど大量の豆をぶつけてしま