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コムジョの独り言

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日々思ってしまったことなど。
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#エッセイ

歩く供養塔☆の話

歩く供養塔☆の話

最近、あちこちにある石塔やら石仏やらを調査していたら、自分もなんだか石塔やら石仏になったような気がしてきた。

時代錯誤も甚だしい格好で、江戸のかけらも無い真新しい街中に立っていると、虚無僧は石塔並みかも知れない。

ということで、

ワタクシ石塔です。

なんて気持ちで吹いていた。

この日は吉祥寺駅周辺エリア。

すると珍しくいつもより反応があった。

年齢層の幅も広く、若い人から年配の方まで

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路上の人々★

路上の人々★

駅前で何か活動をやっている人というと、募金活動や署名活動、政治家の辻立ちや、物販、演奏活動やパフォーマー等々。

あとは、宗教活動者だ。

誰でも見たことのあるキリスト教系の二人組、富士山の写真のチラシを配る人。

虚無僧なので私もそのひとりになるのかも知れない。網笠に絡子、偈箱の「不生不滅」は仏教感あふれている。

先日、とある女性が話しかけてきた。

「あなたはもしや2〜3年前、吉祥寺でも活動

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男の人と、男の子。

男の人と、男の子。

最近のコム活ばなし。

とある駅前で、吹いておりました。

仕事帰りではなさそうな感じの(編み笠からは足元しか見えませんが、サラリーマンぽくないゆるい格好の)男性たちが、どこの居酒屋に行こうか相談しているようだった。  

しばらくして私に気がついて、目の前で立って聞きはじめた。

一曲吹き終わっても、立っている。

これは吹きつづけた方がいいのかな、

ともう一曲、短めの「大和調子」を吹いてみる

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蟻の弔い

蟻の弔い

先日、我家のベランダに植えてあるアズキの花の蕾に、小さな蟻の行列がやってきた。

アズキとはあの小豆のアズキで、蔓性なのでグリーンカーテンの為に植えているのだが、これがとても強くて丈夫で、虫もあまりつかないのだ。

六月頃に種を植え、ゴーヤやキュウリが終わった九月過ぎの頃にも旺盛に葉っぱが生い茂り、花が咲き始める。

最強のグリーンカーテンにはなるが、葉をそれだけ広げているという事は、茎も幹くらい

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夜の虚無僧☆中央線・総武線篇

夜の虚無僧☆中央線・総武線篇

高円寺〜大久保〜新宿〜飯田橋

普段はあまり夜は虚無僧しませんが、この8月は夕方5時過ぎても30℃超えが続き、流石に日が沈んでから行くことにする。

何故、夜やらないかって、

編笠かぶった全身黒尽くめの格好をした虚無僧が夜、駅前に立ってたら怖い。

周りにマンションあるような駅だと通報されやすい。

朝3時半起きしている。

というわけで、

夜は周辺に住宅のない賑やかな駅を選びます。

神楽坂

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乞う。を考ふ☆地下街の洋服屋の前で

乞う。を考ふ☆地下街の洋服屋の前で

コム活中、あまりの暑さで朦朧としてしゃがみ込んでいたら、目の前の偈箱にチャリンと入れてくれた人がいた。

後ろ姿は、見るからに日本人ではない海外の人。

しゃがんでいるだけでくれたということは…、

改めて自分の姿を見てみるに、完全にボロをまとった乞う人。

夏仕様の虚無僧スタイルは、上着はかなり使用感のあるインド綿の黒の羽織のようなもの。パンツはもんぺ型で作った黒パンツ。黒布が足りなかったため二

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虚無女の夏

虚無女の夏

先月、劇団ジャブジャブサーキットの演出家はせ ひろいち氏演出の別劇団の芝居を観に行った。

個人企画集団*ガマ発動期7発目

『TAKOYA姫』

〜タコヤキ或はたこやひめ〜

 

一見、劇団名もタイトルもサブタイトルも、何のことやら全く想像できない。
しかも出演者の日替わりゲストって何だ。

蒲公仁氏率いる演劇集団による、北村想氏の脚本で、劇団ジャブジャブサーキットのはせひろいち氏が演出する芝

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そんな大人にいったいいつなれるんだろう。

そんな大人にいったいいつなれるんだろう。

某駅前で辻立ちをしていたら、白髪のご婦人が少し離れたところで何やらゴソゴソしていて、そしてツツツと近づいてきて、白い紙に包んだものを偈箱に入れてくださった。

おお、恐れ入ります。

一礼すると、

私はお箏を弾いてたのよ、尺八の音が懐かしくて、綺麗な音ね。なんて話しかけてくださった。

良かった。お箏を弾く方にちゃんと尺八の音だと分かっていただいて。

と安心した。

家に帰り、その白い紙を見て

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尺八とジェンダーギャップ🌈

尺八とジェンダーギャップ🌈

某駅前にて。
一曲吹き終わり、編み笠を上げて見やると、今風の可愛いセーラー服を来た女子中学生が私の横に立ち、パチパチ手を叩いてくれていた。

「綺麗な音がするな〜と思って・・・」

あら嬉しい❤️

「2年前も尺八吹いているのを見ました」とのこと。

おお、覚えててくれてたの、ありがとう❤️
また会えたなら偶然だねぇ。

「この長い棒は何ですか?」

ああ、このつっかい棒ね。前も、お父さんが尺八奏

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辻立ちを排除された駅に、暫くしてからまた辻立ちに行ってみる。

辻立ちを排除された駅に、暫くしてからまた辻立ちに行ってみる。

雨降りは虚無僧ができる場所が限られるのである。

なので、以前警備員さんに排除された場所にもう一度行ってみたりする。
性懲りもなく。

何度も行っていたけど、ある日突然警備員さんがやって来て「ここは禁止です」なんて言われたりする。

しかしながら、こちらにとって良い場所というのがあるのだ。

何故良い場所かというと、その雨降りでも出来る屋根がある場所ということ。そして下校の子どもたちが大勢通るのだ

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人類愛と心理の探求。

人類愛と心理の探求。

世界には、実に沢山の尺八奏者や笛吹きがいて、今更ながら私は最近それをSNSで知る事になった。

それまで、私はそれらとは無縁な生活をしていたが、いよいよ虚無僧生活に突入するには仲間をつくらねばならぬと3年前にスマホを持って一念発起。Twitterを手始めに、Tumblrでブログ開始、noteも昨年始めたばかり。

とりわけ2年前くらいに始めたinstagramによって、世界中の尺八、笛吹き&日本好

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乞う。を考ふ。

乞う。を考ふ。

『乞う』とは何か?

そんなこと考えてる閑があったら働けと、
耳元でそんなご意見が聞えます。

じゃ『働く』って何だ?

あ〜ぁだめだこりゃ、
そんな声が聞えます。

一応調べてみますと、

【乞う】の意味は、

【働く】の意味は、

だからどうしたという話ですが、虚無僧活動として路上で辻立ちしたり、門付けしたりしていると、考えなくても良いような事を延々と考えるわけです。

『乞う。を考ふ。』シリ

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コムジョ兼、山おんな。

コムジョ兼、山おんな。

岐阜県で生まれ育った私は、常に山に囲まれいつでも山が目に入る環境であった。といっても隣にトトロの森がすぐにあるわけではなく、遠目に山が見える感じ。東京に引っ越して来た当初、山が一切目に入らない事に気がつき、一時フランクフルトのハイジの状態だった。大袈裟かと思われるかもしれないが、道の先に見える低い雲が山に見えて一々郷愁にかられたり、河川も身近であった為、歩道橋に登っては下を走る道路を川に見立てて橋

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