記事一覧
無敵/Young Kee (ディスクレビュー)
無敵という言葉を知ったのはいつだっただろうか。なにかの少年漫画だっただろうか。敵がいない、並び立つものがないという意味での無敵という言葉に出会ったのは、敗けることの悔しさや苦味を知らない無邪気な年頃だったと思う。
そんな誰しも通りすぎてきたであろう無邪気な時期を終えて、さまざまな感情と、それに結びつく語彙を獲得していく中で、心に悪が芽生えたときの、あの不意を突かれた感じ。自分の中にこんなものがあっ
POPCORN/THE BAWDIES(ディスクレビュー)
曲が始まったとたん、とにかく煽って煽って煽りまくる。「手を叩け」「叫ぶ準備はいいか」「左へ行け」「次は右だ」と、言葉を尽くして、オーディエンスがロックンロールの中に全身で飛び込んでくることを肯定する。それはまるで、この世界でロックンロールという音楽が始まったとき、踊り方を知らないオーディエンスのためにロックンロールの始祖たちが教え、導いていたように。
日本で「ここにもロックンロールがあるぜ」と言い
ブラックボックス/ポルカドットスティングレイ(ディスクレビュー)
このバンドは、ポルカドットスティングレイというバンドは、本当に展開のリフレインが少ない。フレーズとしての印象的なギターリフやサビのメロディーは様々な曲で個々の目的を持って繰り返し使われているが、ひとつの曲の中で展開を繰り返したり、展開と展開を結びつけるフレーズを無闇に使いまわしたりはしない。
日本のポップソングにありがちな、AメロBメロサビ・間奏・またAメロBメロサビ・ギターソロ・ラスサビ・アウト
神奈川県民には存在しない「上京」という概念とコンプレックス
どうも。
Kabaddiです。
バーや飲み屋で頻繁に過ごしていた頃や、ライブハウスでいろんな人と話していた頃、よく聞いた言葉がありました。
「〇〇がしたいと思って東京に出てきて〜」
というもの。
何らかの表現をする者であれば、やはり東京への憧れを持つことは一瞬であれあるはずで、そのエネルギーで上京してくるというのもよく聞く話。
ただ、この時、聞き手としての自分自身の心の中にどす黒く広がる苦
STRAY SHEEP/米津玄師(ディスクレビュー)
どうも。
Kabaddiです。
毎日更新をやめてからしばらく経ちますが、他メディアにてこんな記事を書きました。
米津玄師の新作について、聴いているうちに気がついたことを突き詰めて分析して、3,500字の原稿に落とし込みました。
米津玄師の音楽的才能に触れるだけでなく、日本語を解する者として様々な気付きを与えるアルバムである、という観点から熱量高く書いています。
ぜひご覧ください。
気に入っ
「場所を選ぶ」という選択
どうも。
Kabaddiです。
スマートフォンが一気に普及して、手のひらでなんでもできるようになった、と言われて久しいですが、
個人的にはやっぱり、場所を選びたい、という思いがあります。
考え事をするのはデスクで紙とペンを用意しながら、が一番捗るし、本を読むのは家のソファーで読むのが好きです。
調べ物をする、とかインプットをするのは確かに場所を選ばずにできるのかもしれないけれど、やっぱりこ