Kabaddi(CAROLAN'S)

Kabaddi :カバディ、ロカビリーバンドCAROLAN'Sのギターボーカ…

Kabaddi(CAROLAN'S)

Kabaddi :カバディ、ロカビリーバンドCAROLAN'Sのギターボーカル。 https://www.instagram.com/kabaddi_carolans?igsh=MW95YnZlbzA5OWM1eg%3D%3D&utm_source=qr 音楽と本が好き。

マガジン

最近の記事

無礼講Time - H Remix/SKRYU, Noconoco(ディスクレビュー)

リミックスというか、これはもはや、新曲だ。夜ごとにステージを踏みながら、段階や階段という意味でのステージを駆け上がってきた、SKRYUの進化をまざまざと見せつけられた。 「無礼講Time」は2020年発売の「SHORT CUT」に原曲が収録され、今回のリミックス版が収録されたアルバム「SCROLL」はその4年後のリリースにあたる。リミックスと謳っているが、ビートはリライトされ、歌は全編録り直されている。SKRYUの現在地をかつての曲の中で感じることができるという意味で、アルバ

    • ルバート/ヨルシカ(ディスクレビュー)

      「ルバート」は「自由な速さで」という意味の演奏記号。演奏記号とは、古いクラシックなどの、楽譜しか現存していないような楽曲を演奏する際にも参照され、曲のテンポや演奏の方法を解釈するための記号である。曲の速さや、時に心持ちだったり、曲に対する向き合い方までを指示するものもある。そこには作曲者の曲に対する想いだけではなく、その曲を紡いだ日々の気持ちや感情や思い出が乗せられていると思ってしまうのは期待しすぎだろうか。 さあ始めよう、と言わんばかりに手を打つ一音から始まる本曲。しかし、

      • 祭/Nakamura Emi,Mummy-D(ディスクレビュー)

        「祭」というタイトルから受ける印象に反して、少なめの音で構成されたイントロにのせられたプロローグのようなシンデレラの一説に、自然と心がこの曲に合流していく。このあたりがシンガーであり同時に一流のストーリーテラーであるNakamura Emiの巧みなところだ。 脳内に保存された祭りの思い出のなかで、五感においてもっとも容量が大きいものはなんだろうと探すと、その喧騒や祭囃子を思い出す。音のひとつひとつは自分に関係ないような顔をして鳴っているが、そのすべての音には自分が生まれる前か

        • ずうっといっしょ!/キタニタツヤ(ディスクレビュー)

          思い出を引きちぎるように、棘を含んだ言葉が鋭利なギターリフに続いて溢れてくる。せっかく孤独を演じていたのに、いつのまにかその防壁を破られて消耗線に持ち込まれて、ずるずると過ごした帰ってこない時間。「長調のチューンに感情委託して楽になりたかった」と叫びながら短調のサウンドに尖った言葉を乗せて、ひとつひとつの思い出や感情を投げつけていく。 いつか記憶は消えていくだろうという、期待に満ちた共通見解を「履歴」という言葉を使うことで、消しても消えないものとしてグロテスクに提示する。これ

        無礼講Time - H Remix/SKRYU, Noconoco(ディスクレビュー)

        マガジン

        • ディスクレビュー
          9本
        • 有料note
          1本
        • 映画レビュー
          6本
        • CAROLAN'Sにまつわること
          5本
        • 2018年に読んだ100冊
          10本
        • 自己紹介と自分晒し
          2本

        記事

          無敵/Young Kee (ディスクレビュー)

          無敵という言葉を知ったのはいつだっただろうか。なにかの少年漫画だっただろうか。敵がいない、並び立つものがないという意味での無敵という言葉に出会ったのは、敗けることの悔しさや苦味を知らない無邪気な年頃だったと思う。 そんな誰しも通りすぎてきたであろう無邪気な時期を終えて、さまざまな感情と、それに結びつく語彙を獲得していく中で、心に悪が芽生えたときの、あの不意を突かれた感じ。自分の中にこんなものがあったのかと震えながら、今日まで過ごしてきた家族にまで向いてしまう、悪意というハイカ

          無敵/Young Kee (ディスクレビュー)

          POPCORN/THE BAWDIES(ディスクレビュー)

          曲が始まったとたん、とにかく煽って煽って煽りまくる。「手を叩け」「叫ぶ準備はいいか」「左へ行け」「次は右だ」と、言葉を尽くして、オーディエンスがロックンロールの中に全身で飛び込んでくることを肯定する。それはまるで、この世界でロックンロールという音楽が始まったとき、踊り方を知らないオーディエンスのためにロックンロールの始祖たちが教え、導いていたように。 日本で「ここにもロックンロールがあるぜ」と言い続けて、結成20年、デビュー15年でついに「ここにロックンロールがあるぜ」と言い

          POPCORN/THE BAWDIES(ディスクレビュー)

          カルト/Tele(ディスクレビュー)

          重厚で長く響くようなフレーズのイントロからメロディに入ったとき、ステップを踏むようなリズムの転換のなかに、ハイハットでもスネアでもないパーカッションを感じた。それは日本語で多用されるタ行の存在だったのかもしれないと気づいたとき、その考えが頭から離れなくなった。 バンドミュージックの中でボーカルがパーカッション的役割を持つとすれば、日本語も捨てたもんじゃない。バンドミュージックの始まりであろう英語圏の言語は、ある程度厳格なルールに基づいて発音されることで、リズムを生み出し、共通

          カルト/Tele(ディスクレビュー)

          ブラックボックス/ポルカドットスティングレイ(ディスクレビュー)

          このバンドは、ポルカドットスティングレイというバンドは、本当に展開のリフレインが少ない。フレーズとしての印象的なギターリフやサビのメロディーは様々な曲で個々の目的を持って繰り返し使われているが、ひとつの曲の中で展開を繰り返したり、展開と展開を結びつけるフレーズを無闇に使いまわしたりはしない。 日本のポップソングにありがちな、AメロBメロサビ・間奏・またAメロBメロサビ・ギターソロ・ラスサビ・アウトロ・・みたいな型は、王道が故、予想できる展開の中で歌詞に変化をつけたりボーカルに

          ブラックボックス/ポルカドットスティングレイ(ディスクレビュー)

          ハルキゲニア/Chevon(ディスクレビュー)

          かつての恋人や幼馴染に語りかけているようにも、一度も話したことはないけれど見かけるたびにどこか目で追ってしまっていた同級生に語りかけているようにも聴こえる。 空間的な音色のイントロからボーカルとギターにひとつひとつ楽器が重なっていくにつれて、具体的な今という時間から抽象的な思い出を振り返るかのように展開していき、脆い思い出を慎重に慎重に掘り起こしていく。 曲のほとんどの箇所で一音に一文字が当てられたメロディーの中に、まるで便箋にびっしりと文字が詰まった手紙のような焦燥感が見え

          ハルキゲニア/Chevon(ディスクレビュー)

          2023年に向けて、これまでを振り返る (下)

          どうも、Kabaddiです。 12月25日にCAROLAN'Sから発表があった通り、2023年はバンド結成10周年。 ライブに配信リリースに・・盛り沢山な内容でお送りする予定です。 現段階ですでに予定のボリュームが多いので、忘れないようにカレンダーも作りました。 セブンネットプリントで年明け1月1日の23時59分までダウンロード・印刷可能です。お近くのセブンイレブンでぜひどうぞ。(100円かかります) 年間カレンダーにしたので毎日見て毎日CAROLAN'Sのことを思い出

          2023年に向けて、これまでを振り返る (下)

          2023年に向けて、これまでを振り返る (中)

          どうも、Kabaddiです。 12月25日にCAROLAN'Sから発表があった通り、2023年はバンド結成10周年。 ライブに配信リリースに・・盛り沢山な内容でお送りする予定です。 現段階ですでに予定のボリュームが多いので、忘れないようにカレンダーも作りました。 セブンネットプリントで年明け1月1日の23時59分までダウンロード・印刷可能です。お近くのセブンイレブンでぜひどうぞ。(100円かかります) 年間カレンダーにしたので毎日見て毎日CAROLAN'Sのことを思い出

          2023年に向けて、これまでを振り返る (中)

          2023年に向けて、これまでを振り返る (上)

          どうも、ロカビリーバンドCAROLAN'S Kabaddiです。 こうやって文章をお届けするのはいつぶりでしょうか。 ご無沙汰しております。お元気ですか。 12月25日にCAROLAN'Sから発表があった通り、2023年12月はバンド結成10周年。 ライブに配信リリースに・・盛り沢山な内容でお送りする予定です。 現段階ですでに予定のボリュームが多いので、忘れないようにカレンダーも作りました。 セブンネットプリントで年明け1月1日の23時59分までダウンロード・印刷可能で

          2023年に向けて、これまでを振り返る (上)

          神奈川県民には存在しない「上京」という概念とコンプレックス

          どうも。 Kabaddiです。 バーや飲み屋で頻繁に過ごしていた頃や、ライブハウスでいろんな人と話していた頃、よく聞いた言葉がありました。 「〇〇がしたいと思って東京に出てきて〜」 というもの。 何らかの表現をする者であれば、やはり東京への憧れを持つことは一瞬であれあるはずで、そのエネルギーで上京してくるというのもよく聞く話。 ただ、この時、聞き手としての自分自身の心の中にどす黒く広がる苦い思いがありました。 それは、自分自身は「上京」していないというコンプレックス

          神奈川県民には存在しない「上京」という概念とコンプレックス

          STRAY SHEEP/米津玄師(ディスクレビュー)

          どうも。 Kabaddiです。 毎日更新をやめてからしばらく経ちますが、他メディアにてこんな記事を書きました。 米津玄師の新作について、聴いているうちに気がついたことを突き詰めて分析して、3,500字の原稿に落とし込みました。 米津玄師の音楽的才能に触れるだけでなく、日本語を解する者として様々な気付きを与えるアルバムである、という観点から熱量高く書いています。 ぜひご覧ください。 気に入っていただけたら記事下部のシェアボタンから各種SNSへシェアしていただけるととても

          STRAY SHEEP/米津玄師(ディスクレビュー)

          水族館が怖い。「水族館恐怖症」を知っていますか?

          どうも。 Kabaddiです。 水族館が怖いです。 のっけからすみません。 この恐怖症、ほんとうにあるんです。 「水族館恐怖症」("Aquarium phobia")というものです。 今日はこれについて話していきます。 水族館が怖い?水族館が怖いと感じたのはいつだったでしょうか。 出身地が神奈川県の海側だったので、江ノ島水族館に行くことがありました。 この江ノ島水族館、2004年に改装して、「新江の島水族館」として再デビューします。 地元では「えのすい」として親し

          水族館が怖い。「水族館恐怖症」を知っていますか?

          毎日更新お休みのお知らせ

          どうも。 Kabaddiです。 「2019年9月から毎日更新」と謳っているところですが、数日間毎日更新をお休みします。 インプットに充ててきます。 それではしばし。

          毎日更新お休みのお知らせ