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創作物

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思いを込めた、思いつきでできた、小説や詩などが連なっています。
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#詩

はじめてのカレシ

はじめてのカレシ

ほどけなくなった 絡まる指先
いたいけなままじゃ 胸が苦しいよ
ハザードランプが 僕たちを急かすけど
最後の最後が 永遠になった

優柔不断なリズムが 心臓を壊してきて
ビューティフルな瞳が チクチク喉を突き刺す

いつかどっかで会えるようなそんな気がしていたよ
僕はそう はじめての彼氏で
君のすべてを奪いたい 君にすべてをあげたい
こうしてまた好きになる

お前は知ってるか? 本物の恋を
誰も見

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キミスタグラム

キミスタグラム

君のインスタグラムに載らないの 載らないの
みんなに見られながらも会いたいの 会いたいの
でもね 僕はあんまりオシャレじゃないの オシャレじゃないの
だからインスタグラムに載れないの 載れないの

入道雲から光が射した
薄い白いひらひらを透き通った
乱れた髪から無邪気な笑み
誰にも邪魔はできない時間だった

ゆがんだ気持ちをそっとしまった
夏が逃げて行かないようにそっとしまった
奇跡の勇気もかなぐ

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わがままばっかり

わがままばっかり

陽気な鳥が 僕の夢に飛んできたんだ
明日こそは、生まれ変わると決めてたのにな

嘘はつきたくない 誰かを傷つけたくない
夜になるころに 自分をまた責めたくない

布団の中で もがき苦しむ朝日どき

わがままばっかりかもしれないけど これが僕だったりして
人は怖いけど 逃げはしないけど たまに消えたかったりする
言い訳ばっかりかもしれないけど これが僕だったりして
褒められないけど 報われないけど

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トゲがささった

心の真ん中に、図太い棘が突き刺さった。

抜けない。抜けないよ。

息を整えて、ゆっくりと、痛みを感じないように。

抜けない。抜けないよ。

まぶたを閉じても、遠くには行けなくて、ただ僕は、肉体を背負わされた。

いっそのこと、両手では支えきれない図太い棘で、僕を振り回しても良いのに。

笑えないシャガになって、静かに枯れていきたい。

錆びた滑り台になって、干からびていきたい。

何を望んだと

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不安電車

不安電車

イヤホンから流れる、東京の汗。

8時間労働に従事した後、

各々、葛藤を持ち寄る大人たちの声。

吊革に掴まる僕と同じ。

視界に入る大人も、

素知らぬ顔をしながら、

一つの不安でつながっている。

僕たちにラジオネームはないけれど、

実はつながっている。

あなたの話は聞けなくても、

労う気持ちもってるよ。

春の日

春の日

分からない

なぜ、こんなに匂うのか

分からない

なんでこんなにいい気分なのか

別に共感しないでいい

一人で春を楽しめばいい

だけど一人じゃない

そんな気がした

春の日だった

寒い恋

寒い恋

あっという間に、君に傷ついた。君は僕に興味がなさそうだ
どこかに僕を思う姿を探してるけど、全然見つからないよ

君が同じ改札をくぐらなかったのは、僕への餞別だったかな
僕は電車に揺られ揺られて、その意味を想像したんだ。

僕のこさえた飛行機に、君は乗車拒否をする。
僕は君の人力車を動かす気にもなれなかった。

君に会いたいな。君には会えないな。
あの時言えなかったけど、君は僕を好きになれないだろう

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ドアに塞がれない恋

ドアに塞がれない恋

「ドアが閉まります。ご注意ください」

ホームから彼を見つめる彼女。

彼はスマホの画面とにらめっこ。

電車が進む。距離が離れる。

彼女は目で追う彼の瞳。

僕は右手の荷物を落とす。

気づいた彼は視線を向ける。

窓の外にいる彼女と目が合い、彼は咄嗟に手を振った。

彼女は笑顔で右手を上げた。

僕はおせっかいだったかな。

メトロとの間柄

メトロとの間柄

人から離れ、人に囲まれ、人の目も見ない午後10時。

今日もメトロに身を預け、密かに語りかけている。

喋りすぎたかな? 無理してたかな?

どれだけ語りかけてもさ、答えは出してくれないな。

でも、聞いてくれてありがとう。

改札抜けたら忘れるね。

月も見えない空の下、今夜もぐっすり寝れそうだ。

各駅停車の恋

各駅停車の恋

以前君と会った時、次の駅で乗ってきた。

ぼさぼさ頭を風になびかせ、私と目が合い、手を振った。

別に、次の駅だけじゃない。

君が通う歯医者がある駅も、好きな本屋がある駅も、

ドアが開くたび、期待する。

各駅停車が心を震わせ、君が幻想になっていく。

窓ガラスに映った私は、すっかり惨めになっていた。

次は終点・三鷹駅。

結局、君だと分かってる。

結局、君だと分かってる。

いつもは降りない通過駅。

人に触れたくて降りてみる。

重たい扉をこじ開けて、平気な顔して席に着く。

「家、この辺なんですか?」とか聞かないで。寂しいだけで来たんだから。

知らない人と飲み明かしたけど、何か足りない気がしてる。

終電間際の電車に乗って、君のことを思い出す。

誰にも話せなかったことを、君には聞いてほしくなる。

結局同じなんだけど、今夜は君に電話しよう。

グッドアンサー

どうか、どうか。僕の答えが正解でありますように。
いつか、いつか。誰かを幸せにする答えでありますように。

毎日が雪みたいだ。毎日が夜みたいだ。眩しい光が見えてくる前兆のようだ。
毎日頑張っていた。毎日泣き止んでいた。
あなたを守るためにそこで息をひそめた。

愛の切れ目には、小さな幸が起こるんでしょう?
何も見えないが、ひたすら陸が続くんでしょう?

かけがえのないあなたの情熱を、世界中が冷まし

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夜明けのひとりごと

脳ベルSHOWが僕を迎えてしまった。
今日こそは、”早起きする”って決めたのになぁ。
夢の中に行けば、少しは楽になるけど、
明日が来る。やっぱり辛くて行けないや。

仕事もしたくない、誰かも傷つけたくない。
夜になる頃に、自分をまた責めたくない。

布団の中で、もがき苦しむ朝日どき。

わがままばっかりかもしれないけど、これが僕だったりして。
誰も知らんけど、僕も言わんけど、確かに僕だったりする。

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履歴書王子様

履歴書王子様

あの人だって、この人だって、そんなにすごくない
だけど私なんか、もっともっと全然すごくない
あの人は、この人より、ちょっとだけすごい
だけど私だって、この人より、ちょっとだけすごい

なんでもない やつばかりの世の中
大人たちのわがままに流される
なんとなく生きていく 人生に
まだ知らない宝石があるのかな?

なんでなんで そんなもんで苦しんでるの?
あなたなんて、誰よりも良いとこばかり
だってだ

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