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創作物

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思いを込めた、思いつきでできた、小説や詩などが連なっています。
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記事一覧

よるのみちくさ

よるのみちくさ

時刻は午前二時 誰もいない夜道
くすんだうろこがはがれた
わたしはもういない 焦がした痛みたち
くるんでつぶしてしまった

ぐったりと流れていく砂時計から真珠が落ちた
憂鬱なオリオン座がテトラポットに腰かける

なんでもあるよね なんにもないよね
背中合わせも悪くはないよね
なんとかなるよね なんともないよね
ろうそく消してシャボン玉に乗る

時刻は午前二時 帰り道にひとり
こらえた涙が流れた

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Re;音

Re;音

ひどいことされたよ 何度も
だってあいつはクズ I know
飲み明かすと決めたのさ金土曜
ぶちまけるのは愚痴&希望

見るも見えない先は暗い
欲望が渦巻くのれん街
別れるのとかまじ余裕でしょ
なんて外野はいうでしょ

お口チャックでtik tak
沈黙が時を刻む
もったいないなんてないんだって
だって私が明日を選ぶ
みんなは言うのさあんなヤツ
だけどわたしにはonly love
一部の望みに期待

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はじめてのカレシ

はじめてのカレシ

ほどけなくなった 絡まる指先
いたいけなままじゃ 胸が苦しいよ
ハザードランプが 僕たちを急かすけど
最後の最後が 永遠になった

優柔不断なリズムが 心臓を壊してきて
ビューティフルな瞳が チクチク喉を突き刺す

いつかどっかで会えるようなそんな気がしていたよ
僕はそう はじめての彼氏で
君のすべてを奪いたい 君にすべてをあげたい
こうしてまた好きになる

お前は知ってるか? 本物の恋を
誰も見

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やさしくないうた

やさしくないうた

もしも僕がやさしくできたなら変わったのかな
君が傷を広げたその指を嫌がった
電話口で震えたその声が聞こえなくなって
すぐに両手差し出してみたけど遅かった

なんで助けたい人だけが助けられないのだろう
綺麗な言葉は君を刺し殺す
跳ね返した銃弾が宙に舞って降り注いで
煙に消えた君を探した

ゆっくりとゆっくりと手をつなぎあわそう
燦燦と輝いた夢に歩きだそう
そうだよね なんでもないなんでもない
この歌

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キミスタグラム

キミスタグラム

君のインスタグラムに載らないの 載らないの
みんなに見られながらも会いたいの 会いたいの
でもね 僕はあんまりオシャレじゃないの オシャレじゃないの
だからインスタグラムに載れないの 載れないの

入道雲から光が射した
薄い白いひらひらを透き通った
乱れた髪から無邪気な笑み
誰にも邪魔はできない時間だった

ゆがんだ気持ちをそっとしまった
夏が逃げて行かないようにそっとしまった
奇跡の勇気もかなぐ

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わがままばっかり

わがままばっかり

陽気な鳥が 僕の夢に飛んできたんだ
明日こそは、生まれ変わると決めてたのにな

嘘はつきたくない 誰かを傷つけたくない
夜になるころに 自分をまた責めたくない

布団の中で もがき苦しむ朝日どき

わがままばっかりかもしれないけど これが僕だったりして
人は怖いけど 逃げはしないけど たまに消えたかったりする
言い訳ばっかりかもしれないけど これが僕だったりして
褒められないけど 報われないけど

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久しぶり、俺たちとマドンナ。

久しぶり、俺たちとマドンナ。



美来「いやぁ、こうやって3人で会うの、久しぶりだな…。」

榎本「確かに!えっ、何日ぶり?」

千葉「最後に登場したのが、5月8日だから、約5ヵ月ぶりかな…。」

美来「えっ、なんでこんなことになったの?」

千葉「なんか、作者が忙しかったんだって…(笑)」

美来「アイツ、無責任だな…(笑)」

榎本「…まぁ、久しぶりに会ったんだし、この5ヵ月で、お互い、何があったか喋ろうぜ!まずは俺からな

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トゲがささった

心の真ん中に、図太い棘が突き刺さった。

抜けない。抜けないよ。

息を整えて、ゆっくりと、痛みを感じないように。

抜けない。抜けないよ。

まぶたを閉じても、遠くには行けなくて、ただ僕は、肉体を背負わされた。

いっそのこと、両手では支えきれない図太い棘で、僕を振り回しても良いのに。

笑えないシャガになって、静かに枯れていきたい。

錆びた滑り台になって、干からびていきたい。

何を望んだと

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一番親不孝なのは誰だ?

一番親不孝なのは誰だ?



美来「今度さ、母の日あんじゃん? 千葉くん、何あげる?」

千葉「あぁー……。そうか。考えてなかったー。」

榎本「そうだったな…」

美来「……そうか。そもそもさ、母の日に、何かあげたことある?」

千葉「…ないかもなぁ。俺の覚えている限りは、ないんだよなぁー。」

美来「……じゃあ、ないんじゃん? ハハ」

千葉「…かもしれん!」

榎本「俺はあるぜ!」

美来「まだ、きいてないけどな。ま

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沈黙が怖い

沈黙が怖い



美来「自分が長い時間喋っているとさ、沈黙が怖くなる瞬間ってない?」

千葉「確かに、あるかも。」

榎本「うん、そうだなー。」

美来「沈黙が怖いから、喋り続けてしまうんだけど、無理やり喋っているから、自分の思ってないことを言ってしまったり、余計なこと言ったりして・・・」

榎本「・・・・・」

千葉「・・・・・」

美来「・・・まぁ、お前らがこうやって黙り込むから、この癖は治らないけどな!」

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真面目じゃないマウント

真面目じゃないマウント



美来「一回、会社に入って思ったのがさ、“真面目じゃないマウント”をとってくるヤツが、本当にたくさんいるなぁーって思ったんだよね…。」

千葉「真面目じゃないマウント…? どういうこと?」

美来「例えば、俺が一生懸命に仕事をしてたら、『俺は、そんなに真面目にできないわぁー』とか、『うわぁー、偉いねー!』とか言うヤツ!」

榎本「そんなヤツ、ほっとけばいいんじゃん?」

美来「いや、ほっとけない

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「社会的信用」ってなんだろう?

「社会的信用」ってなんだろう?



美来「俺たちって、フリーター、じゃん?」

千葉「うん、そうだね・・・」

榎本「だなっ。」

美来「なんか、ちょっとさ、肩書きに困ることってない? 久しぶりに会った友達に、自分の職業を説明するときとか・・・」

榎本「まぁー、俺はフリーターって言っても、バイトじゃなくて“パート”だから、そんなに感じないけどなー。」

美来「お前は、“パート”に対して、誇り高いアイデンティティを持ちすぎている

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アイドルの可愛さとは?

アイドルの可愛さとは?

千葉「アイドルって元気もらえるから、良いよなぁー。ずっと可愛いし、見ているだけで良いんだよねー」

榎本「まぁ、シンプルに癒されるよね。美来は、あんまりそういうの、興味ないよな?」

美来「・・・まぁ、あんまかな…」

千葉「そうか。オレさ、今、アイドルの動画観ることだけが生きがいなんだよね。でも、美来が話せないなら、美来の前ではこの話題、やめるよ」

榎本「優しいー!話が通じないヤツがいると、こ

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告白がえし

告白がえし

「あぁ、まさにここだよ! このベンチでフラれたんだよね。ここから改めて見ると、結構、綺麗な景色だったんだなぁ」

光太は、休憩所にある二人掛けのベンチに勢いよく腰かけて、目の前に広がる噴水広場を見渡した。神代植物公園の噴水広場は、真紅、薄紅色、橙色と、色とりどりのばらに囲まれ、遠くから一望すると、まるで異国に訪れたような心地になる。

「へぇー。素敵じゃん」

私は、手前にある一人掛けのベンチを避

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