トゲがささった

心の真ん中に、図太い棘が突き刺さった。

抜けない。抜けないよ。

息を整えて、ゆっくりと、痛みを感じないように。

抜けない。抜けないよ。

まぶたを閉じても、遠くには行けなくて、ただ僕は、肉体を背負わされた。

いっそのこと、両手では支えきれない図太い棘で、僕を振り回しても良いのに。

笑えないシャガになって、静かに枯れていきたい。

錆びた滑り台になって、干からびていきたい。

何を望んだところで、図太い棘を抜いてくれる人はいない。

それなのに、また欲望をねだってしまった。

棘の輪郭が、少しずつ溶けていった。

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