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「育てることの芸術」って何だろう

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オルタナティブスクールで担任をするまで(アシスタント期間)に感じたことをセルフドキュメンタリー→2019.04〜担任をはじめてからの気づき・学び。「育てることの芸術」に取り組む様…
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#子育て

ときめきリストの「小さな世界」

ときめきリストの「小さな世界」

なんとも説明のむずかしい、それがどうした?というような「気持ちのあかるみ」について書きます。

*わたしが担任している低学年クラスには、特別支援の必要な八年生の女の子が一人います。わたしの担任デビューと共に入学してきた子で、はじめて出会った頃とくらべると、ずいぶんいろんなことができるようになりました。

明るくて天真爛漫。人の名前を覚えるのが得意。小さい子たちのクラスに入っているけれど「自分はお姉

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伝わることばを探すバランス感覚。それを手仕事で。

伝わることばを探すバランス感覚。それを手仕事で。

昨日は、手仕事の授業でした。今学期はじまって二回目の授業です。

担当しているのは、小学4・6年生の合同クラス。手仕事に慣れていない編入生も結構いて、手とり足とりのてんやわんやな雰囲気です。軌道に乗りはじめるのは、まだまだ先でしょうね〜。

担任してない子に手仕事を教えるのは初めてなので(しかも高学年に)、いろんな意味で、まだアウェイ感があります。自分の様式を出すことに謎の遠慮も出てきたりしますが

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姿の良さ

姿の良さ

前の職場を辞めるとき、

「できれば、この仕事を辞めないでほしい。子どもと居るときの姿がとても良いから。」

こんなことを言われました。

「教えるのがうまい」とか「何かがすごくよくできる」とかじゃなくて、「姿が良い」

なにか、重要なことを指摘されているという感覚がありました。

*移住先でも、わたしは子どもたちのいる場所で働いています。

まだ授業はしていませんが・・・

担任の先生や子どもた

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習うことと自主練はセットがいいな

習うことと自主練はセットがいいな

オルタナティブスクールで、小学1・3年生の担任をしています。

先日、臨時休校明けの授業で、とてもうれしい&びっくりしたことがありました。

いつも、授業の中で季節や学習テーマに沿った詩をみんなと唱えているのですが(耳から覚える系)、ある子が、

と言うのです。

ほほう!お家で自主練してたのか〜!宿題にしてるわけじゃないのに、すごい。聞くところによると、普段からお風呂やトイレの中でやっているそう

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素材にふれて、つながっているだけで幸せ

素材にふれて、つながっているだけで幸せ

体調不良から少しずつ回復し、新しい予定を入れる元気も、子どもたちに怒る元気も出てまいりました!

そして、大雪降るぞ宣言が出ていた昨日。こんなことがありました。

一年生の授業を終えて、次のクラスまで15分ほどぽっかり空き時間ができたときのことです。わたしはスピンドルを出してきて、綿の糸紡ぎをはじめました。

一年生の子たちは、こういう仕事をみるのが大好きです。そして、綿や羊毛などの素材に触ってい

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アナログ子育ての現場より

アナログ子育ての現場より

毎日、授業の終わりに15〜20分の素話をしています。

うちの学校の子たちにとっては、毎日おはなしの時間があるのは当たり前のことなのですが、わたしが子どものときは全然、そんな生活はしていませんでした。(いいな〜)

子どもの側からしたら、いいことしかない素話。ですが、やってあげる身としては、毎日が本番!毎日がテスト前日!みたいな緊張感があります。

筋トレみたいなもので、つづけていればだんだん楽に

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クリエイティブを止めない責任

クリエイティブを止めない責任

先月あたりから、我がクラスの一年生が毎日のようにお手紙を書いてくれます。最初は絵のお手紙だったのですが、だんだん進化して、文章のお手紙に変わってきました。

休み時間や放課後に書いてくれることが多いようです。そうじゃないときは、お家でわざわざ書いて持ってきてくれています。ありがたいですね。

で、そのお手紙ブーム。

先週、担任なのに四日も仕事を休んでしまったので、

さすがにそのブームも冷めたか

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教育に興味がなくても

教育に興味がなくても

オルタナティブスクールで担任をはじめて、もうすぐ3年になります。

noteやInstagramで仕事の事を書くようにしたら、ここ数年で教育関係者、(元)学校教員の方、子育て中の方との出会いがグッと増えました。

わたしも一応「教育関係者」なのでしょうが、教員免許は持っていないし、学校の先生になろうと思ったこともないし、教師という自覚が・・・

あんまりありません🙇‍♂️

最近も、地方で小さな

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くり返しの中のらせん

くり返しの中のらせん

「あ〜、もうそれ知ってる。」って思うこと、「たったそれだけ?」なこと、当たり前にそばにあるもの。そんなこんなとわざわざ向き合って、その裏側や奥行き、背景を子どもたちと共に味わうことを仕事としています。

こうして語るのはとても簡単なのですが、実際に授業をしていると、空振りすることも、準備不足を反省することも多いです。そこを目指すのが仕事と言ったほうが、現実に促しているのかもしれません。

でも、こ

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忘れられるくらいでいこう。

忘れられるくらいでいこう。

ひさしぶりの雨と休日。

ここのところ、年度末に子どもたちへ贈る「ことばの花束」(いわゆる通知表のようなもの)のことをずっと考えていました。

教師たちが一人一人にことばを綴り、水彩の絵を表紙にそれらを束ね、世界にたった一冊の本を仕立てます。

あんなにむくむくと湧き立っていた創作意欲は、いざ形にするチャンスが巡ってくると100%の力を出し切れず。おまけに、今年度最後の授業もドタバタと終わってしま

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ここからどうやって幸せになろうかな?

ここからどうやって幸せになろうかな?

はやいもので二月になりました。来年度の入学希望者からはちらほら書類が届きはじめ、いろんな意味で春の訪れを感じています。

そしてなんと、我がクラスの子が一名、お父さんの転勤により四月からしばらく学校を離れることになりました。

いつか戻ってきてくれるそうですが、わたしの担任デビューと共に入学してきた子なので・・・思入れもあり、けっこう寂しいです。

(ちなみに、あの万年カレンダーをあげた子)

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即答できなくていい

即答できなくていい

北欧のむかし話「牧師さんのおよめにいったはなし」が好きです。

むかし話の定番といえば「子どもができなくて悩む夫婦」のお話ですが、この「牧師さんのおよめにいったはなし」はその逆。子どもができるのがこわくてこわくてたまらない奥さまのお話なのです。

これがまたとてつもなく暗い結末で、決して授業の中では語れそうもないのですが・・・(授業のおわりはいつも昔話で締めくくります)

なぜでしょう、このお話に

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「守る」の奥では、見守っている

「守る」の奥では、見守っている

自分の傷つきやすさ・敏感さと向き合って「大切な子ども時代を守りたい」というミッションが見つかった話を書きました。

いつになくたくさんの方に読んでいただけて、うれしい限りです。ありがとうございます◎

さて、

“体力・気力のないわたしでも、子どもが「傷つかないために」なら不思議と力が湧いてきます。”

いまの仕事がしっくりくる理由としてこんなことを書きましたが、「傷つかないため」に「守る」という

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素朴な記憶からの提案

素朴な記憶からの提案

ふだんは忘れて生きているような、小さな頃の素朴な記憶について。



家から一歩も出ずスッピンで過ごしていたある日のこと、片付けをしていたら、ずっと置きっぱなしだった「ふきとり化粧水」の試供品が目にとまりました。

使わずに捨てるのももったいないので、顔をふきふき。コットンにはほんのりと茶色い汚れが付着しました。

(皮脂かホコリかな、こんなに汚れるんだな)

その汚れを見ていたら、思いがけず懐

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