銀河鉄道の君へ

地面に乗ってしまったら
自由と無鉄砲は違うだろう
その紙一重で命を落すとは
君らしかったかも知れない
でも君がこどもを巻き込んだことは
間違いだったと断っておく

＿＿＿

梅雨の湖面より
銀河鉄道の君へ

一緒に旅した季節は夏だったかな

乗り方も知らない電車に揺られて
太陽の芝生まで
君と出かけたあの日は
もう何年前になるんだろう
いつのことかは憶えてないけど

音楽を滴らせ
交わした
長くは

巣

最近よく考えているんだ

どの鳥も
器用に巣をつくり暮らすのに
ヒトってのは
自分の住む家も建てられない
そのくせ他人の職業を蔑んで
ちっぽけな自分を慰めていやがる

どの蜘蛛も
綺麗に巣をかけ生きているのに
ヒトってのは
先人他人の発明革命を
素知らぬ顔で悪用し
我が物顔で破壊しやがる

その哀れな主張の中に
ヒトという種がつくるべき
集合体のヒントがあると思うんだ

アビリティも勘も
散り散り

行為

行為する者である

女が行為すれば魔女と言われ
女優ともなる

女はひとりである

かみをおろせば売女と言われ
巫女ともなる

女は変わらずひとりである

西で処女懐胎
東で良妻賢母

女は変わらずひとりの人間・生命体である

ただ行為する者である
行為なくこの世にどうその身を報せる

無口の姫君か
人喰い婆か

　火を飲んで死ぬ
　首だけで嫁ぐ

それはフィクションか・聖マリアンナ
それは幻か・

燃える書

「ボランティアを強制」
「自粛を要請」
腐りゆく文明を見ろ

数字のない
意気込みと
呼びかけの会見に
玩（もてあそ）ばれ
棄てられる言葉を逃さずに見ろ

我々の命は
生活は
その言葉を以って賭けられた
この国に居る限り
その言葉と共に抛（ほう）られた

新聞の見出しが言う
弱者は死ね

ニュースのテロップが言う
属性への差別

『燃やされた書の灰は
　明日の死顔を象（かたど）っている』
真夜中の

『たらしめるもの』
舞踏も舞台も音楽も
絵画も古文も文学も
和歌も漢詩も
感動さえ
歴史さえ
「生活」に必要ないと
言われるけども
「人間」に必要なんだと思います

あなたの中心は何ですか

────

人間やめるなよ、DIO様かよ
と感じるこの手の話題

今日も愛し合ってるかい

『眠り』
君のおでこに明日
太陽が昇りますように

君の頬が明日
今日より和らぎますように

君の手が明日
幸せを勝ち取りますように

君の足が明日
成功に近づきますように

君の目が明日
発見に喜びますように


束の間の死が今夜
星の実を
君の口に宿しますように

そんな幻想

生まれた時から
持っていた
左腕の赤牡丹
毎朝の烙印
出荷の判子
お気に入りのマーク

人は怪訝な目をこれに向ける
自傷痕
暴力
ないがしろ
私の体に幻想を上塗りする
その視線丸わかり

太腿の古傷が
虎の模様のようで
私は好きだ
私の衝撃を受け止めた
私の皮膚の有様が

人は価値が下がったようにこれを見る
勿体ないだの、可哀想だの
私の体を査定する
私の生き延びた有様を

君の視線が
君のマーク

食べなよ

わたしの代わりに
美味しいかつ丼を食べたの？

わたしの代わりに
美味しいお蕎麦を食べたの？

わたしの代わりに
美味しいパン屋さんのパンを食べたの？

わたしの代わりに
美味しいお肉を食べたの？

わたしの代わりに
お酒を飲み

わたしの代わりに
チョコレートケーキを食べ

わたしの代わりに
食べられるものを口にし
臓器通らせ
徒に体を削いだの？

わたしを食べなよ
ほら
わたしを
食べてみなよ

宣誓

君の体は綺麗だ、君の命が入っているから、君の脳味噌があり、君の声が入っているから君の体は綺麗だ

君の体は綺麗だ、日に日に乾き、硬くなり、脆く重心下げるその体は、強くしぶとく、ますます綺麗だ

君の顔は綺麗だ、君の意志が見えるから、昨日までの名残があり、君の味がするから、君の顔は真実であり綺麗だ

君の顔は綺麗だ、日に日に弛み、皺になり、
優しさを顕にする君の顔は優しく、衣脱いだ声を出す君の顔は真

震え

異教徒の祈りが
戻ってこない世界と住人と
立ち竦む私たちにも向けられる

流れる時間と
たまに聞こえる優しい歌声
途絶えず
途絶えて
絶望し
希望繰り返し

利用されるドラマ
消費される生活
隠された避難生活
晒け出される隔たり
蔓延する主観ポルノ
厭わない強さと
向き合う強さ

災いも救済も
生まれ死に行く人の上にのみ

───────
あとがき追記

阪神淡路大震災から25年。

25年前はま

重(かさね)の中に  #手書きnoteを書こう

幾重にも
幾重にも
光受け
影照らし
何を隠しているの

いじらしい永遠の謎
秘めたるまま芳(かぐわ)しく
僕の部屋をずっと
照らしておくれ

実を結ぶのは
たまにでいいから

幾重にも
幾重にも
君を想い
今日も詩を書く
この心隠しながら

【ナンバー様へ】

──────────

こんばんは、元気かい？
先日、初めてサポートを頂きまして
早速お花を買ってまいりました😀✨
（サポート頂き

一湖

夏には
朝露と
生まれたての風も一緒に

秋には
雨に弾くしぶきを
そのままに

冬は
ありったけの星座を
深くまで浸し

湖をあなたにお届けします

その日毎の
水の上の景色まで
丁寧にボトリングして
お届けします

花瓶の換え水や
洗い物のすすぎに
お風呂で温まるのにも使えますが
この水は不思議で
飲まなくても
あなたの体に染み込んで
少しだけ元気になります

春には
緑のざわめきと
たくさん