星沢てらす商店ミニ

Twitterで「星沢てらす商店」という名前で呟いてます! noteにはエッセイやミニ…

星沢てらす商店ミニ

Twitterで「星沢てらす商店」という名前で呟いてます! noteにはエッセイやミニ小説を書いていく予定です!

記事一覧

報告:ティアズマガジンかんさいに載りました!

 なんと! 自作「佐藤君のけだるげな冒険」が、ティアズマガジンかんさいに! 載りました!  改めて昨日は出店していれば良かった!  でもカタログが来たのは1ヶ月…

黄金の光の中で

 朝の5時。  ふと目が覚めた。  普段は灰色のはずの天井が、なぜか色がついている。どこからだろうと見回すと、カーテンの隙間からの光ということに気がついた。  …

お手頃ラーメンが食べたい

 近所にある、十字路の坂。  ここを通ると、妙にお手頃価格のラーメンが恋しくなる。袋に入った、スーパーで120円くらいのラーメン。あれを、キャベツとベーコンで煮…

ちょっとおしゃれな光景

 昨晩から降り続いていた雨が止んだ日。  お昼は、朝の悪天候が夢に思えるほど、きれいに晴れた。ここまで晴れたのなら、取るべき行動は一つ。散歩に出よう。  歩いて…

noteを始めたきっかけ

 早いもので、このnote投稿も1周年になります。  ずっとブログをしたい、自分の書いたものを外に見せたいという気持ちがあったのですが、とある二次小説に出会ったのが…

お花見の真髄

 お花見の真髄は、きれいな景色を写真に残すことではない。目で見て、思い出に焼き付けるものだ、と誰かが言っていた。確かに、写真で見る景色と目に映るものは違う。  …

春の風に押されて

 背中に迫る春の熱い風。  寒さに慣れた身には、春の暖かい風も暑く感じる。どこか「春が来たんだぞ、ちゃんと春の準備をしろよ」と風に背中を突っつかれているようで、…

私の本棚、その楽しみ方

 私の本棚は、20年前から変わっていない箇所が多い。 「この本、再入手がむつかしいレア本かも……」そう思うと、5年に1回くらいしか読まないものも手放せないのだ。…

石の夢を見る

 天然石ショップでワンコインくらいで売られている、加工前みたいな石。ついつい集めてしまうコレクションアイテムだ。  イミテーションということは分かりきっている。…

愉快でドタバタなバカンス行き! 映画の思い出

『ワリーワールド行きは諦めたのかい?』  なんとなく、今は無きTSUTAYAで借りたDVD。  それが、『お!バカんす家族』だった。  内容は見ての通りのスラップスティッ…

チョコレート食べたい

 チョコレートが食べたい。この前のバレンタインの名残である。  ダイエットで晩ご飯前だが、チョコレートが食べたい。  正確には何かが食べたい。  自制に自制を重…

ショートショート:プレゼントはあのスイッチ

 狭い六畳間。五分ごとに電車の音が部屋を揺らす、ボロ屋。元は艶やかな黒だったはずのテーブルの色は剥がれ、脚はささくれていて、たまに膝に刺さって痛い。だが、昭夫の…

お高めチョコレートの秘密

 自分用のごほうびとして一箱約5000円/9個入りのチョコレートを買った。  きっとすっごくすっごくおいしいに違いない! 口にした瞬間、至高の美味さがのうみそを…

チョコレートフォーユー!

 バレンタインの季節には、必ずチョコレートを買う。  家族の分、友達の分、自分の分。  そして推しキャラの分。  選んでいると、家族や友人の分を選ぶのとはまた違…

ずっと冬でいいのに、

 ずっと冬でいいのに、と思う。  冬には素敵なものがたくさんある。あったかいストーブ、もこもこの上着、冬味のメルティーキッス。  クリスマスもお正月もバレンタイ…

夢日記をつける理由

 上蓮寺さんというハンコ屋の店主がいた。  ヤンキーみたく金髪で目付きが悪くてぶっきらぼうで、でも誠実に接客してくれた彼女。短い間だったけれど、良いハンコを見繕…

報告:ティアズマガジンかんさいに載りました!

報告:ティアズマガジンかんさいに載りました!

 なんと! 自作「佐藤君のけだるげな冒険」が、ティアズマガジンかんさいに! 載りました!

 改めて昨日は出店していれば良かった!

 でもカタログが来たのは1ヶ月前だし、まさか載っているとは思わなかったし……。

 今回紹介された「佐藤君のけだるげな冒険」。佐藤君はとても天然クールな男子に書けたと思うので、いつか出会うことがあったら、立ち読みだけでもしていって下さい。もちろん買って下さると大変喜

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黄金の光の中で

 朝の5時。

 ふと目が覚めた。

 普段は灰色のはずの天井が、なぜか色がついている。どこからだろうと見回すと、カーテンの隙間からの光ということに気がついた。

 カーテンから、金色の光がもれている。

 それがうすぼんやりと、部屋中を金色に染めていたのだ。普段見る、昇り終わった際の白い光ではなく、昇った直後の黄金の光。

 朝早くに目が覚めるとちょっとテンションが下がるけれど、今日は起きて良か

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お手頃ラーメンが食べたい

 近所にある、十字路の坂。

 ここを通ると、妙にお手頃価格のラーメンが恋しくなる。袋に入った、スーパーで120円くらいのラーメン。あれを、キャベツとベーコンで煮込むのがおいしいのだ。

 お金がなかった頃。いつもお昼はラーメンだった。ドラッグストアで5食入り550円くらいのを買ってくる。その時決まって通るのが、この十字路だった。

 味は決まってしょうゆ味。たまに塩。しろくまのパッケージが特徴的

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ちょっとおしゃれな光景

 昨晩から降り続いていた雨が止んだ日。

 お昼は、朝の悪天候が夢に思えるほど、きれいに晴れた。ここまで晴れたのなら、取るべき行動は一つ。散歩に出よう。

 歩いてすぐ、不思議な光景に出会った。

 道路全体に、うすーく色がついていたのだ。アクアブルーというか、濃いめの色。

 なぜだろう。

 道には、雨上がりだから、いくつもの水たまりが出来ていた。そこが青くなって、道路全体に色がついているよう

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noteを始めたきっかけ

noteを始めたきっかけ

 早いもので、このnote投稿も1周年になります。

 ずっとブログをしたい、自分の書いたものを外に見せたいという気持ちがあったのですが、とある二次小説に出会ったのが一番大きな理由です。

 出会ったのは本当に偶然で、朝なんとなくSNSをスクロールしていたら見つけました。それは私が大好きな作品。本編の困難にも負けず、登場人物みんながとってもしあわせそうで、楽しそうで。

 こんなふうに、私も表現し

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お花見の真髄

お花見の真髄

 お花見の真髄は、きれいな景色を写真に残すことではない。目で見て、思い出に焼き付けるものだ、と誰かが言っていた。確かに、写真で見る景色と目に映るものは違う。

 そう思って、できる限り写真は撮らないつもりでいた。

 それが覆されたのは、神社の枝垂れ桜を見に行った時だ。勝負の神様を祀っている小さな神社で、大きな枝垂れ桜が特徴だ。

 せっかく遠めの場所まで来たので、ゆっくり楽しもう、と桜を見上げた

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春の風に押されて

春の風に押されて

 背中に迫る春の熱い風。

 寒さに慣れた身には、春の暖かい風も暑く感じる。どこか「春が来たんだぞ、ちゃんと春の準備をしろよ」と風に背中を突っつかれているようで、ちょっと戸惑ってしまう。

 ずっと冬でいたかった。というか夏が苦手すぎて、この春の陽気ですら、いずれ来る灼熱を連想してしまってちょっと凹む。

 でも、凹んでいるばかりではいけない。なんとか今年も生きて乗り切らねば。

 まずは夏用のシ

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私の本棚、その楽しみ方

 私の本棚は、20年前から変わっていない箇所が多い。

「この本、再入手がむつかしいレア本かも……」そう思うと、5年に1回くらいしか読まないものも手放せないのだ。

 私の本棚には、こういう本がたくさんある。

 何度も手放して本棚にスペースを作ろうと思うけれど、表紙を見る度に、買ったときの思い出が思い出される。

 もう閉店してしまった本屋で選んだこと。

 夢だった小説家になるために、この本を

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石の夢を見る

石の夢を見る

 天然石ショップでワンコインくらいで売られている、加工前みたいな石。ついつい集めてしまうコレクションアイテムだ。

 イミテーションということは分かりきっている。見ていると、それだけで心の泥が浄化されていくのだ。

 色とりどりの、キャンデーみたいな丸い石。手のひらにそっと乗せる。ころころとしてなめらかで、それでいて複雑な模様。魔法のアイテムを思わせる。

 紫、赤、ピンク。星空のように細かい模様

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愉快でドタバタなバカンス行き! 映画の思い出

『ワリーワールド行きは諦めたのかい?』

 なんとなく、今は無きTSUTAYAで借りたDVD。
 それが、『お!バカんす家族』だった。

 内容は見ての通りのスラップスティックコメディ。マイナーと思われるので、あらすじを紹介しよう。

 舞台はアメリカ。主人公は4人家族のお父さん。しかし家族仲は冷え切っていて、子供達の仲は最悪、離婚話すら持ち上がりそうな始末。お父さんは頑張るが、空回りするばかり。

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チョコレート食べたい

チョコレート食べたい

 チョコレートが食べたい。この前のバレンタインの名残である。

 ダイエットで晩ご飯前だが、チョコレートが食べたい。

 正確には何かが食べたい。

 自制に自制を重ねて、チョコレートひとつぶなら良いということになった。そう自分会議で決まった。チョコレートひとつぶでお腹は満たされないが、心が満たされたい。

 リビングに取りに行く。

 お腹が空いているとき、この茶色いお菓子がとてつもなく魅力的に

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ショートショート:プレゼントはあのスイッチ

 狭い六畳間。五分ごとに電車の音が部屋を揺らす、ボロ屋。元は艶やかな黒だったはずのテーブルの色は剥がれ、脚はささくれていて、たまに膝に刺さって痛い。だが、昭夫の料理が乗れば最高の食堂へと早変わりする。

 栗ご飯。サンマ。ケーキ。見た目は質素だが、普段とは一味違う料理に、秋子の目はキラキラと輝く。

「秋子、誕生日おめでとう!」

「ありがとう、昭夫! ・・・・・・いい香り」

 大きく息を吸い込

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お高めチョコレートの秘密

 自分用のごほうびとして一箱約5000円/9個入りのチョコレートを買った。

 きっとすっごくすっごくおいしいに違いない! 口にした瞬間、至高の美味さがのうみそを貫くに違いない!

 わくわくドキドキ、ちょっぴり緊張しながら一口。これからお手頃価格チョコレートを食べられなくなっちゃったらどうしよう。

 一つ目。

 ユズの香りが良い。微かな塩味がアクセント。……思ったより、脳髄に来るおいしさはな

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チョコレートフォーユー!

 バレンタインの季節には、必ずチョコレートを買う。

 家族の分、友達の分、自分の分。

 そして推しキャラの分。

 選んでいると、家族や友人の分を選ぶのとはまた違う雰囲気がある。心の中でそのキャラと対話しながら、2人でひとつのものを作っていくような。

『このチョコおいしそう!』とか、『この猫チョコはかわいいから、あなたが喜ぶかな』とか。慎重に、大切に、反応を創り上げていく。

 ピスタチオ入

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ずっと冬でいいのに、

 ずっと冬でいいのに、と思う。

 冬には素敵なものがたくさんある。あったかいストーブ、もこもこの上着、冬味のメルティーキッス。

 クリスマスもお正月もバレンタインも大好きだ。特にバレンタイン。普段は手が出せない高級なチョコレートがデパートにたくさん並ぶ様子は、とてもテンションが上がる。自分用のチョコを3つも買ってしまった。

 春になれば、それらはみんな消えてしまう。押し入れの奥に仕舞われ、売

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夢日記をつける理由

 上蓮寺さんというハンコ屋の店主がいた。
 ヤンキーみたく金髪で目付きが悪くてぶっきらぼうで、でも誠実に接客してくれた彼女。短い間だったけれど、良いハンコを見繕ってくれたのを覚えている。
 
 ブラウンのロングヘアーがきれいな女の子。
 怪物騒動に巻き込まれ、怯えながらも健気にたくましく立ち向かおうとしていた。

 ヘビのようなうねうね髪が美しいあの子。

 電車のダイヤを乱そうとする悪党から平和

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