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春の風に押されて
背中に迫る春の熱い風。
寒さに慣れた身には、春の暖かい風も暑く感じる。どこか「春が来たんだぞ、ちゃんと春の準備をしろよ」と風に背中を突っつかれているようで、ちょっと戸惑ってしまう。
ずっと冬でいたかった。というか夏が苦手すぎて、この春の陽気ですら、いずれ来る灼熱を連想してしまってちょっと凹む。
でも、凹んでいるばかりではいけない。なんとか今年も生きて乗り切らねば。
まずは夏用のシャツを、タンスから引っ張りだそう。春用のシャツはすぐに季節に負けてしまうから。そして夏の計画を練ろう。アイスキャンデー食べ比べ期間にしてもいいはずだ。
吹いてくる風に背中を押され、計画を練り始めた。
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