星沢てらす商店ミニ

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星沢てらす商店ミニ

Twitterで「星沢てらす商店」という名前で呟いてます! noteにはエッセイやミニ小説を書いていく予定です!

最近の記事

ちょっとおしゃれな光景

 昨晩から降り続いていた雨が止んだ日。  お昼は、朝の悪天候が夢に思えるほど、きれいに晴れた。ここまで晴れたのなら、取るべき行動は一つ。散歩に出よう。  歩いてすぐ、不思議な光景に出会った。  道路全体に、うすーく色がついていたのだ。アクアブルーというか、濃いめの色。  なぜだろう。  道には、雨上がりだから、いくつもの水たまりが出来ていた。そこが青くなって、道路全体に色がついているように見えたのだ。  なぜ青く見えたんだろう。水に色はないはずなのに。  水たま

    • noteを始めたきっかけ

       早いもので、このnote投稿も1周年になります。  ずっとブログをしたい、自分の書いたものを外に見せたいという気持ちがあったのですが、とある二次小説に出会ったのが一番大きな理由です。  出会ったのは本当に偶然で、朝なんとなくSNSをスクロールしていたら見つけました。それは私が大好きな作品。本編の困難にも負けず、登場人物みんながとってもしあわせそうで、楽しそうで。  こんなふうに、私も表現してみたい。誰かを感動させてみたい。  そんな気持ちが、記事投稿のボタンを押させ

      • お花見の真髄

         お花見の真髄は、きれいな景色を写真に残すことではない。目で見て、思い出に焼き付けるものだ、と誰かが言っていた。確かに、写真で見る景色と目に映るものは違う。  そう思って、できる限り写真は撮らないつもりでいた。  それが覆されたのは、神社の枝垂れ桜を見に行った時だ。勝負の神様を祀っている小さな神社で、大きな枝垂れ桜が特徴だ。  せっかく遠めの場所まで来たので、ゆっくり楽しもう、と桜を見上げたとき。  あまりにもパワフルな桃色に圧倒された。桜色という単色とは絶対違う。濃

        • 春の風に押されて

           背中に迫る春の熱い風。  寒さに慣れた身には、春の暖かい風も暑く感じる。どこか「春が来たんだぞ、ちゃんと春の準備をしろよ」と風に背中を突っつかれているようで、ちょっと戸惑ってしまう。  ずっと冬でいたかった。というか夏が苦手すぎて、この春の陽気ですら、いずれ来る灼熱を連想してしまってちょっと凹む。  でも、凹んでいるばかりではいけない。なんとか今年も生きて乗り切らねば。  まずは夏用のシャツを、タンスから引っ張りだそう。春用のシャツはすぐに季節に負けてしまうから。そ

        ちょっとおしゃれな光景

          私の本棚、その楽しみ方

           私の本棚は、20年前から変わっていない箇所が多い。 「この本、再入手がむつかしいレア本かも……」そう思うと、5年に1回くらいしか読まないものも手放せないのだ。  私の本棚には、こういう本がたくさんある。  何度も手放して本棚にスペースを作ろうと思うけれど、表紙を見る度に、買ったときの思い出が思い出される。  もう閉店してしまった本屋で選んだこと。  夢だった小説家になるために、この本を読んで勉強しよう! と意気込んで思ったこと。  当時好きだったキャラクターに似

          私の本棚、その楽しみ方

          石の夢を見る

           天然石ショップでワンコインくらいで売られている、加工前みたいな石。ついつい集めてしまうコレクションアイテムだ。  イミテーションということは分かりきっている。見ていると、それだけで心の泥が浄化されていくのだ。  色とりどりの、キャンデーみたいな丸い石。手のひらにそっと乗せる。ころころとしてなめらかで、それでいて複雑な模様。魔法のアイテムを思わせる。  紫、赤、ピンク。星空のように細かい模様が入った黒色。夢みたいに透明感のあるアクアブルー。  値段がそう高くないことも

          愉快でドタバタなバカンス行き! 映画の思い出

          『ワリーワールド行きは諦めたのかい?』  なんとなく、今は無きTSUTAYAで借りたDVD。  それが、『お!バカんす家族』だった。  内容は見ての通りのスラップスティックコメディ。マイナーと思われるので、あらすじを紹介しよう。  舞台はアメリカ。主人公は4人家族のお父さん。しかし家族仲は冷え切っていて、子供達の仲は最悪、離婚話すら持ち上がりそうな始末。お父さんは頑張るが、空回りするばかり。  そんな中、再生の一手として「家族全員でアメリカ大陸を横断すること」を思いつ

          愉快でドタバタなバカンス行き! 映画の思い出

          チョコレート食べたい

           チョコレートが食べたい。この前のバレンタインの名残である。  ダイエットで晩ご飯前だが、チョコレートが食べたい。  正確には何かが食べたい。  自制に自制を重ねて、チョコレートひとつぶなら良いということになった。そう自分会議で決まった。チョコレートひとつぶでお腹は満たされないが、心が満たされたい。  リビングに取りに行く。  お腹が空いているとき、この茶色いお菓子がとてつもなく魅力的に見える。普段はワッフルやアイスクリームに圧されてしまうのに。  真四角の包装紙

          チョコレート食べたい

          ショートショート:プレゼントはあのスイッチ

           狭い六畳間。五分ごとに電車の音が部屋を揺らす、ボロ屋。元は艶やかな黒だったはずのテーブルの色は剥がれ、脚はささくれていて、たまに膝に刺さって痛い。だが、昭夫の料理が乗れば最高の食堂へと早変わりする。  栗ご飯。サンマ。ケーキ。見た目は質素だが、普段とは一味違う料理に、秋子の目はキラキラと輝く。 「秋子、誕生日おめでとう!」 「ありがとう、昭夫! ・・・・・・いい香り」  大きく息を吸い込み、秋子は目尻を下げた。  昭夫の料理は口に合うというか、どこのレストランより

          ショートショート:プレゼントはあのスイッチ

          お高めチョコレートの秘密

           自分用のごほうびとして一箱約5000円/9個入りのチョコレートを買った。  きっとすっごくすっごくおいしいに違いない! 口にした瞬間、至高の美味さがのうみそを貫くに違いない!  わくわくドキドキ、ちょっぴり緊張しながら一口。これからお手頃価格チョコレートを食べられなくなっちゃったらどうしよう。  一つ目。  ユズの香りが良い。微かな塩味がアクセント。……思ったより、脳髄に来るおいしさはない。こんなものかな、と思いつつ。  二つ目。  三つ目。  四つ目。  

          お高めチョコレートの秘密

          チョコレートフォーユー!

           バレンタインの季節には、必ずチョコレートを買う。  家族の分、友達の分、自分の分。  そして推しキャラの分。  選んでいると、家族や友人の分を選ぶのとはまた違う雰囲気がある。心の中でそのキャラと対話しながら、2人でひとつのものを作っていくような。 『このチョコおいしそう!』とか、『この猫チョコはかわいいから、あなたが喜ぶかな』とか。慎重に、大切に、反応を創り上げていく。  ピスタチオ入りのグリーンは、あの子の着ているワンピースと、あの子の好きな森によく似合うかな。

          チョコレートフォーユー!

          ずっと冬でいいのに、

           ずっと冬でいいのに、と思う。  冬には素敵なものがたくさんある。あったかいストーブ、もこもこの上着、冬味のメルティーキッス。  クリスマスもお正月もバレンタインも大好きだ。特にバレンタイン。普段は手が出せない高級なチョコレートがデパートにたくさん並ぶ様子は、とてもテンションが上がる。自分用のチョコを3つも買ってしまった。  春になれば、それらはみんな消えてしまう。押し入れの奥に仕舞われ、売り場はなくなってしまう。  冬は良い。大好きなイベントがたくさんあって、静かで

          ずっと冬でいいのに、

          夢日記をつける理由

           上蓮寺さんというハンコ屋の店主がいた。  ヤンキーみたく金髪で目付きが悪くてぶっきらぼうで、でも誠実に接客してくれた彼女。短い間だったけれど、良いハンコを見繕ってくれたのを覚えている。    ブラウンのロングヘアーがきれいな女の子。  怪物騒動に巻き込まれ、怯えながらも健気にたくましく立ち向かおうとしていた。  ヘビのようなうねうね髪が美しいあの子。  電車のダイヤを乱そうとする悪党から平和を守るため、夜間に戦う少年。夜間限定なのは電車が止まる時間帯だった気がする。  

          夢日記をつける理由

          関西コミティア69ミニレポ

          関西コミティア69に、柚木トモカ名義で参加してきました! とても良い雰囲気で、売りやすく買いやすく、すごく楽しいイベントでした! 今回新しく導入してみたのが、フライヤー(チラシ)。 良かった点を箇条書きにすると、 ・コンビニや自宅のプリンターなどで刷ることができるので、校正作業がらくらく ・会話のきっかけになる ・本が売れるまで待たなくて良い。こちらから能動的に渡すことができる。無料配布なので相手も受け取りやすい? ・気軽に手にとってもらえる=自分の書いたものが広まる!

          関西コミティア69ミニレポ

          ノスタルジア・ミュージック

           20年前のアニメのサントラを聞く。  一曲聴くごとに、楽しかった名場面、悲しかったあの場面、盛り上がったクライマックスが思い出される。  とても楽しいのだけれど、どうしてか一抹のもの悲しさが消えない。  それはきっと、あの時見ていたアニメはもう見られないからだ。  アニメとしてはまた見られる。配信アプリを探せばまだあるだろう。けれど、17年前の時に感じた興奮や思い出は、あの時だけのものだ。今同じものを見ても、中高生の時と同じ感覚では味わえない。  まさしく一期一会

          ノスタルジア・ミュージック

          5月29日のヤエツツジ

           フォトフォルダの写真をひまつぶしに見ていると、意外にきれいな写真が撮れていてびっくりすることがある。  なんでもない一枚だと思っていたものが、想像以上にうまく撮れていたりする。  5月29日。恐らく図書館に向かう最中の坂。そこで驚くほど鮮やかな青紫の花がカメラに収められていた。びっくりするほどきれいな朱色のヤエツツジといっしょに。  撮った経緯はうっすら覚えていて、なんだかきれいだから撮った。きれいな写真を撮ろうとは思っていない。ただなんとなく、写真に残しておこうと思

          5月29日のヤエツツジ