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【現代詩】ウジュピス
青年はウジュピスにいるという
小さなエリアの街が独立している
ジョークのような憲法ある
犬には犬である権利がある
猫には飼い主を愛する義務はない
誰にも暴力をふるう権利はない
個人として生きる権利がある
権利を持たない権利がある
恐れないでいる権利がある
勝つな
やり返すな
でも降参するな
ここには入国するのに
時々パスポートがいる
国民は内臓で詩を書く
句読点はない
国民は夢のラクダに乗ってい
【エッセイ】大震災と詩と私
大震災と詩と私
磯崎寛也
東日本大震災が発生した2011年3月、私は水戸市に住み、福島県いわき市でも会社を経営していました。地震によって起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故が深刻化し、放射線被曝を避けるために、多くの社員が、いわき市からいなくなりました。沖縄に居を移した社員もいます。羽田空港から電話があり「家族全員で沖縄に引っ越します。社長、お世話になりました」と告げられました。水戸市内
【現代詩 朝から痛みを】
そちこちで
生きる意義をだったあげて
かるしこう
おくんちのオレンジのタオル
顔を洗っだ後に
蘇る
山の記憶
シャワーを浴びる気力もなく
布団に倒れるように
没する
体中に
張り付いた
金属、細菌、ウイルス、放射線
咳が止まらない
時計をはずすきりゃくさえなく
パンツ一枚で
嫌な夢をみた
ニューヨークで
僕はアルバートアイラーを書いている
隣に中上がいる
腫れぼったい目で
僕を見て
バカ