ひらやませんせー

小学校教師から大学教員。研修と修養の両輪をはしらせ、楽しい教師生活を。 学校の先生方・…

ひらやませんせー

小学校教師から大学教員。研修と修養の両輪をはしらせ、楽しい教師生活を。 学校の先生方・大学生向けのすぐに役だつ教育技術や教育情報を発信中です。 https://www.youtube.com/channel/UCDHMqSc-3hH83HRCFu7m14A

記事一覧

流すだけの授業からの脱却

森信三『修身教授録』致知出版社 第18講 人を植える道 初任の時、授業を「流す」のに必死だった。 流れるように進む先輩の授業。 子どもの思考がぶつ切りになってしまっ…

学生に教えるべき「教育の方法と技術」とは何なのか?

森信三『修身教授録』致知出版社 第17講 一道をひらく者(Ⅱ) 今の私にぴったりな言葉をいただいた。 現在、教育方法論の授業を数回行った。 授業で扱いたい内容は、…

教師は「子どものお相手係り」になってしまうのか?

森信三『修身教授録』致知出版社 第16講 一道をひらく者(1) 子どもたちのお相手係。 実に衝撃的な言葉だ。 私はこの件について割と強い危機感を持っている。 かなり…

教師を忙しさから救うもの

森信三『修身教授録』致知出版社 第15講 諸君らの将来 5時には帰りたい! これは、私が大学時代、教師になるにあたって思っていたことだった。 家族と過ごす時間を大…

「評価されてないな」と思う人事がよかった話

森信三『修身教授録』致知出版社 第14講 真実の生活 若手教師時代、高学年の担任になるのこと誉であったように思う。 高学年の担任は大変であり、中学年から高学年に…

13

教師はトラブルを経て成長する理由

森信三『修身教授録』致知出版社 第13講 使命の道 松下幸之助の電球のエピソードが好きだ。 では教師の使命とは? 意識的にそういう時間を持たないと、学校の日々はあ…

小学校教師の「欲」を捨てたとき

森信三『修身教授録』致知出版社 第12講 捨欲即大欲 かっこよく生きたい。 有名な先生になりたい。 有名になって本を書きたい。 私にとって有名な先生たちはかっこよか…

自然から学ぶ

森信三『修身教授録』致知出版社 第11講 人と禽獣と異なるゆえん お茶を始めてもう4年がたとうとしている。 私は裏千家の師匠のもとで学んでいる。 お稽古の際、茶室の…

教師の友人関係

森信三『修身教授録』致知出版 第10講 尚友 私の母も小学校教師だった。母は、職場に友人をつくり、旅行に行ったり、友人を家に招待して飲み会をしていた。 そういう人…

49

大学生と読書

森信三『修身教授録』致知出版 第9講 読書 「君たちは読書をしますか?私のゼミに~さんという4年生の学生がいまして、その子は大変な読書家です。その子は、本を読む…

学ぶ意味を見つけるために必要なこと

森信三『修身教授録』致知出版 第8講 学問・修養の目標 私は教育学部の出身だ。 学生時代から授業の方法に関する本を見つけては読んでいたし、発達障害に関する知見も増…

「学に志す」の「学」とは?

森信三『修身教授』致知出版 第7講 志学 先日40歳になり、周囲の人から「惑わずの年ですね」と言われた。 判断には迷うこともあるし、凝り固まった人間にはなりたくない…

40歳になってみて

森信三『修身教授録』致知出版 先日、40歳になった。 その前の日に、16年間務めた小学校教員を卒業し、研究者(研究しながらの小学校教師であったがその時も研究者)・大…

教師だったからこそ学生に伝えたいこと

森信三『修身教授録』致知出版 第5講 教育者の道 16年間学級担任を務めた(うち1年は、大学で長期研修)。 私はセンスのない教師だった。 センスがあるなぁ、それに…

教師という職業について

森信三『修身教授録』致知出版 第4講 生を教育に求めて 学校では働き方改革の進めている。昔に比べて随分変わった。 手書きだった通知表も印刷になったし、行事のやり…

日本に生まれてよかった、という理由の捉え方が大事

森信三『修身教授録』第3講 生をこの国土に受けて より 様々な国にルーツを持つ子どもたちが増えてきた。担任時代、東南アジア、中国、アフリカにルーツがある子どもた…

流すだけの授業からの脱却

流すだけの授業からの脱却

森信三『修身教授録』致知出版社 第18講 人を植える道

初任の時、授業を「流す」のに必死だった。
流れるように進む先輩の授業。
子どもの思考がぶつ切りになってしまっていた私の授業。
それらを比べて、授業を流す、ことができるようになることが初任、2年目くらいまでの感覚だったように思う。

そこから、流すだけでは子どもたちの成長が、先輩たちのクラスと比べて全然違うことに気づくようになる。
子どもの事

もっとみる
学生に教えるべき「教育の方法と技術」とは何なのか?

学生に教えるべき「教育の方法と技術」とは何なのか?

森信三『修身教授録』致知出版社 第17講 一道をひらく者(Ⅱ)

今の私にぴったりな言葉をいただいた。

現在、教育方法論の授業を数回行った。
授業で扱いたい内容は、私が教師として参考になった本をもとに行っている。
しかし、最近疑問がわいている。
この本は今、対している大学2年生学生たちには難しいのではないか?否、授業もしたことがない、授業に対する問題意識や課題意識のない大学2年生たちには早すぎる

もっとみる
教師は「子どものお相手係り」になってしまうのか?

教師は「子どものお相手係り」になってしまうのか?

森信三『修身教授録』致知出版社 第16講 一道をひらく者(1)

子どもたちのお相手係。
実に衝撃的な言葉だ。

私はこの件について割と強い危機感を持っている。
かなり前、とある教師がXに、学校が託児所感覚になっている、と投稿していた。
勉強はいいから、日中預かってくれていればいい。
勉強は別にいいから、友達と仲良く、楽しく通ってくれていればいい。
ニュースを見て、そんな保護者の声が聞こえてくると

もっとみる
教師を忙しさから救うもの

教師を忙しさから救うもの

森信三『修身教授録』致知出版社 第15講 諸君らの将来

5時には帰りたい!
これは、私が大学時代、教師になるにあたって思っていたことだった。
家族と過ごす時間を大事にするために、定時に仕事を終え、家庭で過ごす。
それができるために、何が必要なのか?
それは仕事術だろう、ということで、大学生の頃から自己啓発の本やビジネス書をよく読んでいた。
教師になってからもその習慣は続き、よく自己啓発やビジネス

もっとみる
「評価されてないな」と思う人事がよかった話

「評価されてないな」と思う人事がよかった話

森信三『修身教授録』致知出版社 第14講 真実の生活

若手教師時代、高学年の担任になるのこと誉であったように思う。
高学年の担任は大変であり、中学年から高学年に行ったり、自分の担任していた学年を持ち上がったりするというのは、管理職や周囲からも評価された証のようなものがあるからだ。
また、学校の異動にもややそういうものがあると思われる。いわゆる研究校への配属は、教育委員会の期待などがあるのだろうと

もっとみる
教師はトラブルを経て成長する理由

教師はトラブルを経て成長する理由

森信三『修身教授録』致知出版社 第13講 使命の道

松下幸之助の電球のエピソードが好きだ。

では教師の使命とは?
意識的にそういう時間を持たないと、学校の日々はあっという間にあわただしく過ぎ去っていく。

私にとって使命を自覚することが多かったのが、トラブルの対応だった。
トラブルに対応する時、これは教師として正しいのか?人として正しい判断か?学校教育の目的として正しいのか?ということを自問自

もっとみる
小学校教師の「欲」を捨てたとき

小学校教師の「欲」を捨てたとき

森信三『修身教授録』致知出版社 第12講 捨欲即大欲

かっこよく生きたい。
有名な先生になりたい。
有名になって本を書きたい。
私にとって有名な先生たちはかっこよかったのだ。
などなど、小学校教師の欲はたくさんあろう。
私はそんな欲を持っていた。

尊敬する先輩から、欲をもて、と教えていただいたことがある。
「本を書きたい、有名になりたい、そんな欲を肯定して、強く持つ。
だからこそ努力ができて、

もっとみる
自然から学ぶ

自然から学ぶ

森信三『修身教授録』致知出版社 第11講 人と禽獣と異なるゆえん

お茶を始めてもう4年がたとうとしている。
私は裏千家の師匠のもとで学んでいる。
お稽古の際、茶室の掛け軸が毎回の楽しみの一つだ。
掛け軸は季節や、その人に合わせて軸をご亭主が選んでくださるおもてなしの一つである。

基本的に軸の内容は禅語である。

禅語の中には、自然の姿から比べて学ぶものが多くある。
例えば次のようなものだ。

もっとみる
教師の友人関係

教師の友人関係

森信三『修身教授録』致知出版 第10講 尚友

私の母も小学校教師だった。母は、職場に友人をつくり、旅行に行ったり、友人を家に招待して飲み会をしていた。
そういう人は学校にも結構いる。
職場の同僚を家に招いたり、休日に一緒に出掛けたりする。

そういう私は、というと、職場に友人と呼べる人を作らなかった。
もちろん同僚と飲みに行くこともあったし、そういう時間は楽しかった。
あくまで職場での人間関係を

もっとみる

大学生と読書

森信三『修身教授録』致知出版 第9講 読書

「君たちは読書をしますか?私のゼミに~さんという4年生の学生がいまして、その子は大変な読書家です。その子は、本を読むとパワーポイントにその本の内容をまとめて紹介しているのです。その子は卒業までにおそらく大きな本棚1つ、2つ分の本を読むことでしょう。ということは、全く読書をしてこなかった人と比べると、本棚1つ、2つ分の知識や知恵に違いがある人になるという

もっとみる
学ぶ意味を見つけるために必要なこと

学ぶ意味を見つけるために必要なこと

森信三『修身教授録』致知出版 第8講 学問・修養の目標

私は教育学部の出身だ。
学生時代から授業の方法に関する本を見つけては読んでいたし、発達障害に関する知見も増やそうと努力してきた。模擬授業を行うサークルにも入って学んでいたし、先生方の勉強会にも参加していた。
そのような意味では、割と熱心に勉強していた方だと思う。
ではなぜそんな風に学んでいたのか?
一つがいい先生になるために教育学部に来てい

もっとみる
「学に志す」の「学」とは?

「学に志す」の「学」とは?

森信三『修身教授』致知出版 第7講 志学

先日40歳になり、周囲の人から「惑わずの年ですね」と言われた。
判断には迷うこともあるし、凝り固まった人間にはなりたくないと思っているのもある。
では、孔子は40にして惑わずというのはどのような意図で言ったのか?

ここでいうあれこれと迷わず、というのは学問のことだろうと考えられるが、これはただの国語とか数学とか、私自身がやっている教育学とかそういうこと

もっとみる

40歳になってみて

森信三『修身教授録』致知出版

先日、40歳になった。
その前の日に、16年間務めた小学校教員を卒業し、研究者(研究しながらの小学校教師であったがその時も研究者)・大学教員となった。
そろそろ厄年だな、と思った。
厄年とは役年ともいい、人生の役目の年という話もある。
今までの経験をもとに、社会や誰かの役に立つことができる年ということのようだ。
私の小学校教師としての経験や関係性等をベースとして、研

もっとみる
教師だったからこそ学生に伝えたいこと

教師だったからこそ学生に伝えたいこと

森信三『修身教授録』致知出版 第5講 教育者の道

16年間学級担任を務めた(うち1年は、大学で長期研修)。
私はセンスのない教師だった。
センスがあるなぁ、それに引き換えなんでこんなにうまくいかないんだろう。授業も学級経営も保護者対応も・・・
3年目くらいの時までいつもそう思っていた。
学校に行くのも辛い時があった。
しかし、授業や学級経営の勉強を怠ることはなかった。
学生時代、教師になるにあた

もっとみる
教師という職業について

教師という職業について

森信三『修身教授録』致知出版 第4講 生を教育に求めて

学校では働き方改革の進めている。昔に比べて随分変わった。
手書きだった通知表も印刷になったし、行事のやり方も変わった。縦割り活動やクラブもかなり減ってきた。
初任時代からするとかなり違った世界になってきた。
しかし、様々なものをなくしてしまって、本当にいいのかな?と思うこともあった。

ところで、小学校教師をしていた際、その働き方や責務の重

もっとみる
日本に生まれてよかった、という理由の捉え方が大事

日本に生まれてよかった、という理由の捉え方が大事

森信三『修身教授録』第3講 生をこの国土に受けて より

様々な国にルーツを持つ子どもたちが増えてきた。担任時代、東南アジア、中国、アフリカにルーツがある子どもたちを担任してきた。
様々なルーツがある子たちに、道徳その他で、愛国心を扱った教材を授業する際、様々なエピソードでどう日本に生まれてよかった、日本っていいな、という感覚を持たせることができるのか、ということを考えることがあった。

他国と比

もっとみる