扁桃体:高等脊椎動物の側頭葉内側の奥に存在。アーモンド(扁桃)形の神経細胞の集まり。情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ。大脳辺縁系の一部であると考えられる。記憶固定と呼ばれる処理によって長期的な記憶の貯蔵庫にゆっくりと同化され、半永久的な状態へと変化。
海馬:脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官。心理的ストレスを長期間受け続けるとコルチゾールの分泌により、海馬の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮する。PTSD、うつ病の患者では萎縮を確認。βエンドルフィンが分泌されたり、A10神経が活性化すると、海馬における長期記憶が増強する。
大脳辺縁系:記憶の処理と感情に不可欠な脳の領域。海馬、扁桃体等複数の構造から成り、感情と長期記憶への情報統合の中心をなす。感情反応、特に恐怖や喜び等の強い感情体験に深く関与し、経験や学習に基づく記憶形成にも重要。偏桃体は恐怖感を調整し、海馬は新しい記憶の形成に関わる。