やわらかな暮らし

包括的なヨガと自律神経の観点をベースに心と身体を整えるお手伝いが出来るよう記事を書いて…

やわらかな暮らし

包括的なヨガと自律神経の観点をベースに心と身体を整えるお手伝いが出来るよう記事を書いています。 作業療法士・JARA自律神経アレルギーセラピスト・アーユルヴェーダセルフケアアドバイザー・全米ヨガアライアンスRYT200修了・認定ヨガ療法士(YTC修了)

最近の記事

更年期における目のかすみとやわらかな対処法

更年期に起こりがちな不快症状のひとつについて。 原因とその対処法に触れてみます。 今回は更年期以外の時期にもみられる『かすみ目』について。 特有の原因も加わることで更年期にはより起こりやすくなるようです。 原因 ・女性ホルモンエストロゲンの減少により更年期には自律神経が交感神経優位となりやすく、涙の量が減少(本来の自律神経の調整機能機能として、交感神経優位にて涙の量は減少・副交感神経優位にて増加する) ・涙の表面にとどまり涙の蒸発を防ぐ『油膜』の減少(油膜の成分コラー

    • 更年期における物忘れの原因とやわらかな対処法

      前回に引き続き、更年期に起こりがちな不快症状のひとつについて。 原因とその対処法に触れてみます。 症状:急に頭がぼうっとして思考がまとまらない・物忘れ もしも女性のあなたが40〜50歳頃に急激な記憶力の低下と直面したとして・・・ 真っ先に認知症の始まりかと思うかもしれませんが、それは更年期症状の可能性があります。 何だか頭がぼうっとして思考がまとまらず仕事がはかどらない・急にミスが増えたといったことも同様です。 認知症は脳の器質的病変ですが、更年期症状としての記憶障

      • パンパンお腹の原因とやわらかな対処法

        今回は、更年期に起こりがちな不快症状のひとつについて。 原因とその対処法に触れてみます。 症状:お腹が張る・ガスが多い 更年期症状としては例に挙げられることは少ないものの、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。 腹部の張りによる動きづらさは勿論ですが、静かな場面でお腹が鳴ってしまうことやガスが出てしまうことへの不安感など、精神面への影響も大きいですよね。 原因: ・生理前のプロゲステロン分泌増加 ・加齢による胃腸機能の低下 ・腹筋群弱化による間接的胃腸運動機会の減少

        • プレ更年期とは?

          女性が二次性徴時に抱える原始卵胞は20〜30万個。 その後毎月約1000個ずつ原始卵胞は減少していきます。 また月経により排卵が生じるサイクルは初潮以降28〜35日周期で繰り返されます。 30歳代後半になると、卵巣機能も徐々に低下。 これにより卵巣から分泌されるエストロゲンも減少し視床下部からの「エストロゲン出してよ〜」の頻回指令により、同じく視床下部を指令中枢とする自律神経も乱れやすくなります。 その結果として不快症状=『更年期症状』が生じていることは、これまでの記事でお

        更年期における目のかすみとやわらかな対処法

          生理学からみる更年期症状の機序

          エストロゲンは排卵前の期間に分泌され、妊娠しやすい体づくり・外見上にもいわゆる丸みを帯びた『女性らしい』とされる体つきをもたらしてくれるホルモンです。 更年期症状は、『エストロゲン』と『プロゲステロン』という2種類の女性ホルモンのうち、主にエストロゲンの分泌量低下により引き起こされます。 ですが、意外と具体的に何がどうなって起こっているのか分からないことが多いのではないでしょうか。 問題が生じる機序が具体的に分かると、具体的な対処法もイメージしやすいですし、問題改善に取

          生理学からみる更年期症状の機序

          自律神経と女性ホルモン

          前回は、共に視床下部を司令塔とする自律神経とホルモンの関連性に触れつつ、女性の人生においてのホルモンの働きをざっくりまとめました。 女性は人生の中で生理・出産・更年期・閉経といった転機に女性ホルモン分泌が変動する為、男性に比べ自律神経のバランスも不安定になりやすいようです。 今回は、女性ホルモンに関連した生理学的仕組みに焦点を絞りまとめながら、更に自律神経との関連性を感じてみたいと思います。 はじめに。 女性ホルモンには2種類あります。 エストロゲンとプロゲステロン

          自律神経と女性ホルモン

          人生でみる女性ホルモン

           前回までの数回でお伝えしてきた、自律神経の状態を安定化させるための認知の工夫ですが、特に役立てていただければ嬉しい対象の方々がイメージにあります。 更年期。 今回から当面は特にその思いを強く、自律神経やヨガの観点を交えつつ記事にしていきたいと思います。 女性には、体内に命を宿し出産する能力があります。 その神秘的な能力は女性ホルモンに支えられており、同時に心身のバランスはこの女性ホルモンの影響を大きく受けます。 更年期は平均年齢を参照すると、人生の折り返し期間に相当

          人生でみる女性ホルモン

          1年後の自分を描く 〜ビジョンマップ〜

          今回は、前回にマインドマップに自身の脳内イメージを書き出したことを踏まえてのビジョンマップ作りをご紹介します。 ビジョンマップとは・・・ 直感的に写真やイラストなどのビジュアルイメージを選びコラージュすることで潜在的にある、『なりたい自分』を視覚情報にしたもの。 企業の今後の動向を具体的に設定する方法もありますが、今回作成するものは、どちらかというと自身の内面の変化に着目したものになるかと思います。 大切なことは、自分の物事の捉え方の変化。 準備物: 紙(A4程度

          1年後の自分を描く 〜ビジョンマップ〜

          目標を探す 〜マインドマップ〜

          2024年、初投稿となりますが。 はじめに能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。 今年も、自身の学びを深めつつ自律神経的観点も交えたヨガ的生活の工夫をお伝えしていきたいと思います。 どうぞよろしくお願いします。 新たな年を迎え、一年の目標を定める方も多いかと思います。 ただ、意外と自分自身についてはどのような目標が適切なのかわからなかったりしませんか? 今回はそんな時に役立つ、思考の整理術であるマインドマップについてお伝えしたいと思います。

          目標を探す 〜マインドマップ〜

          レジリエンスを高める

          レジリエンスへ導いてくれる『個人内の要因』について 過去に苦痛な出来事を経験しているにもかかわらず、良好な精神状態を維持している人(一時的に不適応的な状態に陥っても、そこからうまく回復した場合も含まれる)に以下の能力が高く見受けられる傾向があるとの追跡調査結果があります。 上記の3点は『個人内の要因』ですが、『環境要因』もレジリエンスにはとても大切だといわれています。困難な状況下において、支えてくれる周囲の環境が大切であることは、おおよそ推測できますよね。 同じ困難でも

          レジリエンスを高める

          感謝を伝える

          12月に入り、今年も1ヶ月を切りました。 今年はどのような一年だったでしょうか。コロナもようやく落ち着いてきたことで、久しぶりに再会を果たすような機会も多かった一年なのではないでしょうか。 私も今年は中学生時代の同級生・先生方との同窓会がありました。 長い年月を経て再会した仲間は皆懐かしく、そうしてまた再開できたこと・そのような場を設けてくれた幹事の方々に深い『感謝』を覚えました。 今回は、『感謝』について考えてみたいと思います。 はじめに。 『感謝』とはそもそも何なの

          自動操縦状態から離れる

          前回は、ヨガ哲学から自身の『認知』の傾向に気づく練習をお伝えしました。 今回は、『認知』の傾向に気づく・心の癖に気づくことにどのような意味があるのかをもう少し掘り下げて触れてみようと思います。 よく耳にする『マインドフルネス』=『意図的に、今この瞬間に価値判断をすることなく注意を向ける』この試みも何故良いとされるのでしょうか。 これまで自律神経反応の話題で、記憶が『認知』に影響し思考や自律神経反応、意図的な運動につながることをお伝えしました。 経験により『思考・意図的

          自動操縦状態から離れる

          『認知』を眺める練習ー『人間馬車説』

          インド哲学の聖典にある、私の好きな(憧れの)一節です。 ヨーガ・スートラの中でも 『ヨーガとは、心の働きを止滅することである』 と説かれています。 ヨガ哲学と絡めて考える自律神経的には、物事に対する『認知』を整えることで自律神経反応も穏やかに整えたいところ。 でも、それってなかなか難しい。 穏やかでいるつもりなのに身体反応としては呼吸が乱れたり、汗が噴き出し止まらなくなったり。怖くて震えが止まらなくなるなんてこともあるかもしれません。 今回は、そんなちょっとまだまだ

          『認知』を眺める練習ー『人間馬車説』

          健康増進を目的としたヨガの適応対象は?

          これまで、八支則や人間五蔵説といったヨガ哲学をご紹介し、西洋医学的観点からも認知〜情動反応による自律神経反応の機序について触れました。 今回はそれらを踏まえ、ヨガによる健康増進の適応対象について考えてみようと思います。 「心身ともにとっても健康です!!」という方にとってヨガは、更なる自身の未開拓部分を覚醒させ人生をも変化させるような効果があると思うのですが・・・ 作業療法士としては、やや心身に困難を抱えた方々の中から、その適応対象を考えてみたいと思います。 人間五蔵説

          健康増進を目的としたヨガの適応対象は?

          『情動』について

          隔週更新のんびりペースではありますが noteを始めてから はや半年が経ちました。 作業療法士として働くなかで予防医学の大切さを実感し 自律神経リハビリテーションについて学ぶとともに それまで気まぐれにしたりしなかったりだったヨガに取り組み深めるうちに 呼吸法やヨガ哲学に興味が湧き では、それらはどのようなメカニズムで繋がりあっているんだろう。 と、純粋に探究心がムクムクと湧き上がってきました。 というわけで。 今回は生理学的観点から『情動』についてまとめてみたい

          『情動』について

          西洋医学的にみる認知

          前回は、ヨガ哲学の人間五蔵説から『認知』を考えてみました。 私は、西洋医学と東洋医学双方の観点から健康についてフォローできるセラピストを目指していますので・・・ 今回は、西洋医学的に『認知』について考えてみたいと思います。 はじめに。 『認知』とは。外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のことをいいます。 その課程について西洋医学的(解剖・生理学的)にみてみると。 外界からの刺激(味覚・嗅覚・聴覚・視覚・触覚・体性感覚・内蔵感

          西洋医学的にみる認知