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人生でみる女性ホルモン

 前回までの数回でお伝えしてきた、自律神経の状態を安定化させるための認知の工夫ですが、特に役立てていただければ嬉しい対象の方々がイメージにあります。


更年期。

今回から当面は特にその思いを強く、自律神経やヨガの観点を交えつつ記事にしていきたいと思います。



女性には、体内に命を宿し出産する能力があります。
その神秘的な能力は女性ホルモンに支えられており、同時に心身のバランスはこの女性ホルモンの影響を大きく受けます。

更年期は平均年齢を参照すると、人生の折り返し期間に相当する時期。
この期間の女性はホルモンの急激な減少により心身ともに揺らぎやすく、また取り巻く生活環境からのストレスも大きくなりがちです。

女性の更年期は閉経前後の5年間を指しますが、その症状は人それぞれ。


女性ホルモンは自律神経の中枢と同じく脳の視床下部の指令を受け分泌されますが、更年期には卵巣機能の低下により指令に対する反応は鈍くなります。
指令に対する返答が得られないため、視床下部では更に指令を重ねて送りますが、この働きに連動し視床下部では交感神経の指令も過剰に亢進しやすく、自律神経が混乱しさまざまな不快症状を引き起こします。

自律神経と女性ホルモンは互いに影響し合う密接な関係にあるのですね。
この為、自律神経を整えることは更年期症状の軽減につながると言えます。

更年期前〜最中の過ごし方やちょっとした生活の工夫で、やわらかく乗り切りたいですね。

今回は、人生における女性ホルモンの変化をまとめてみたいと思います。


胎児〜誕生期

・女性は胎児の時点で、卵子の元となる”原子卵胞”を左右の卵巣に数百個ずつ抱えている。
・胎児期に自身で女性ホルモンを分泌することはないが、母体を通じて卵胞刺激ホルモン・黄体化ホルモンを受け取り、わずかに原子卵胞は発育する。
・誕生後は初潮までの間、女性ホルモンの影響はない状態となる。


初潮〜思春期

・8〜10歳頃になると、脳の下垂体から卵胞刺激ホルモンが分泌されるようになり、その影響で卵巣からエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が開始、原子卵胞が発育を始める。
・身体的には胸が膨らみ始め丸みのある体つきになり、時期には個人差があるものの10歳から15歳頃に初潮を迎える。
・初潮後の数年は月経周期は不安定だが、徐々に安定した周期となる。


成熟期(10代後半〜40代半ば)

・30代半ばまでは、生涯の中で最も女性ホルモンが安定する時期。
・身体的には肌は弾力とハリに満ちて頭髪も黒く艶やか。
・生殖機能が安定し妊娠・出産に最も適した時期。
・30代半ばを過ぎると卵巣機能は徐々に低下し、肌も乾燥したるみやすくなる。


更年期〜閉経(40代後半〜50代後半)

・一般的には40代半ばを境に、女性ホルモンの分泌が減少傾向となる。
・数ヶ月の無月経期間・月に複数回の月経といった周期の乱れが生じ始めることが更年期のサインとなる。
・約1年間月経がなくなると閉経とされる。
・症状には個人差はあるが、のぼせや不眠・めまいなどの不快症状を伴うことがある。日常生活に大きな問題を生じる程になると『更年期障害』とされる。


閉経後(60歳以降)

エストロゲンの欠乏により〜
・皮膚は弾力性を失い、皮下脂肪の減少によりシワができやすくなる。
・破骨細胞の抑制がなくなり、骨芽細胞の働きが追い付かず骨がもろくなる。
・血管壁のコレステロール調整作用が減少することで動脈硬化が進行しやすくなり、心疾患・脳血管系の疾患リスクが高まる。
・骨盤底の血行不良や膣粘膜の組織が薄くなることで尿漏れや子宮臓器脱リスクが高まる。


何かと不快症状がピックアップされ、ネガティブな印象の強い更年期ですが、人生全体から女性ホルモンの変化を見てみると、60歳以降の健やかさの鍵を握る大切な期間であるようにも感じられます。


更年期は無理せず、変化を受け入れつつ、おおらかに過ごすための準備期間。
ともに楽しみながら、この時期に向き合っていけると良いですね。



最後まで読んでいただき有難うございます。

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