オンブレ

オンブレ

【著書紹介文】 アリゾナの荒野を行く七人を乗せた駅馬車――御者メンデスとその部下アレン、十七歳の娘マクラレン、インディアン管理官フェイヴァー夫妻、無頼漢のブレイデン、そして「男(オンブレ)」の異名を持つジョン・ラッセル。浅黒い顔に淡いブルーの瞳、幼少期をアパッチに育てられた伝説の男と悪党たちが灼熱の荒野で息詰まる死闘を繰り広げる。レナードの初期傑作二作品を、村上春樹が痛快無比に翻訳! ***** まず「オンブレ」を調べるとombre、これはフランス語で、「陰影をつける

JUKE THE STARDUST 最終話

JUKE THE STARDUST 最終話

東の空が明るくなって、地平線から朝日が昇り、闇を彼方へ払い除けた。 俺の体にも降り注ぎ、俺の後ろに影を作った。 振り返る。長い影。マークを見やる。横たわる奴には影は伸びない。 俺と奴。光と影。生と死。  銃声が止んだ。勝負がついたのだ。どちらが勝ったのか…。  東の空から太陽が昇り始めた。 ビリーの居た高く遮蔽物のない教会の鐘撞堂では、町並みの、その先の平原の、その縁の地平線から太陽が昇る様が俯瞰で見る事が出来た。 クソ眩しい。街から闇を追い出す朝陽。 確か昨日も昇ったし、

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♠西部劇が好きっ!♠「荒野の七人」 (0003)

♠西部劇が好きっ!♠「荒野の七人」 (0003)

黒澤映画「七人の侍」を原案とした西部劇です。 <趣意> お気に入りの西部劇映画を勝手気ままに紹介していきたいと思います。   <構成> ※ストーリーの核心に触れている部分がありますのでご留意ください。 暴虐な盗賊団により繰り返される襲撃に苦しむ村の農民たちはついに盗賊団を撃退するためにガンマンたちを雇うことを決意します。 農民たちは町で出会った義侠心のあるガンマン・クリス(ユル・ブリンナー)に自らの苦境を訴えますが、クリスは様々な面での悪条件ゆえに仲間を募ることの難

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JUKE THE STARDUST 第47話

JUKE THE STARDUST 第47話

耳が痛い。 直近で鐘の音を鳴らすと、これほどの轟音になるとはビリーは予想もしていなかった。 先程からビリーが背を預けているドアの向こうで、神父が扉を壊さんばかりに叩き続けている。彼の日課を、かなり時間を前倒し変更した上、奪ったのだから怒るのも当然だ。納得できる。 鐘撞堂にも街のどこかから銃声が聞こえてきた。 テリー・ウェインとマーク・ギャグニーの果し合いが始まったのだ、とビリーは理解した。何発も何発も連射している。下手くそな撃ち方だ。きっとテリー・ウェインの方だ。 弾幕を張

JUKE THE STARDUST 第46話

JUKE THE STARDUST 第46話

この間とは違う。 予期せぬ襲来に心を惑わされる事もない。来ると分かっているのだから。 世界を自分の物にしなければいけない。 奴の、マーク・ギャグニーの世界ではなく、自分の、テリー・ウェインの世界に。 あの遅れてきた剣士の様に。 神経を研ぎ澄ませる。これをずっと続けるのは酷だが、俺には時間が分からない。  もうそろそろだろうと思い、ビリーは今一度、懐中時計を取り出して時間を確認した。 3時丁度。約束の時間。テリー・ウェインとマーク・ギャグニーの対決の時。この街のどこかで対峙し

『11人のカウボーイ』(1971年・ワーナー・マーク・ライデル)

『11人のカウボーイ』(1971年・ワーナー・マーク・ライデル)

 娯楽映画研究所シアター洋画部ではマーク・ライデル製作・監督、ジョン・ウェインの大作『11人のカウボーイ』(1971年・ワーナー・ブラザース)を20年ぶりに。 この頃、日本では森繁久彌さんの「社長」、加山雄三さんの「若大将」、植木等さんの「クレージー映画」とシリーズ映画が終焉。アメリカン・ニューシネマの波もなんのその、ハリウッドでは最後の伝説・ジョン・ウェインは大作西部劇への主演を続けていた。 スティーブ・マックイーンの『華麗なる週末』(1967年)を大成功に収めた、マー

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『捜索者』(1956年・ワーナー・ジョン・フォード)

『捜索者』(1956年・ワーナー・ジョン・フォード)

昨夜の娯楽映画研究所シアターは、二十数年ぶり、ジョン・フォード監督&ジョン・ウェイン主演『捜索者』(1956年・ワーナー)。 数あるフォード&ウェインのコンビ作でも、ハリウッド西部劇でも(結果的に)異色作となっている。南北戦争終結、3年後のテキサス。数年ぶりに故郷に戻ってきたイーサン・エドワーズ(ウェイン)が、先住民のコマンチ族に、弟一家を虐殺され9歳の姪・デビー(ラナ・ウッド)が攫われてしまう。その姪を救出するために、インディアンと白人の混血児・マーティン・ポリー(ジェフ

JUKE THE STARDUST 第45話

JUKE THE STARDUST 第45話

 さてマーク・ギャグニーは何処(いずこ)。 苛立ち紛れに破り捨てた紙切れには『今夜3時。』としか書かれていなかった。書かれてはいなかったが見当は付いていた。 当たっているかは分からない。だが、そこしか思い浮かばなかった。 だから俺は彼処だろうと勝手に決めた場所へ向かった。 キャマロ駅。人気のないプラットホーム。 駅舎に掛けられた時計が正確ならば、午前3時には、まだ早い。 相変わらず一歩踏み出すたびギシギシ軋む枕木を寝かせたホームを中央へ。 この間の続きと洒落込むなら此処しかな

娯楽映画研究所ダイアリー 2021 6月28日(月)〜7月4日(日)

娯楽映画研究所ダイアリー 2021 6月28日(月)〜7月4日(日)

6月28日(月)『東海道お化け道中』(1969年3月21日・大映京都)・『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)・『エルダー兄弟』(1965年・パラマウント)五反田イマジカ第1試写室で、この夏、「妖怪特撮映画祭」で上映、安田公義監督、特撮・黒田義之監督『東海道お化け道中』(1969年3月21日・大映京都)デジタル4K修復版初号試写を拝見した。  五反田イマジカ第1試写室で、引き続き「妖怪特撮映画祭」で上映される田崎竜太監督『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)DLP版

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『勇気ある追跡』(1969年・パラマウント)

『勇気ある追跡』(1969年・パラマウント)

昨夜の娯楽映画研究所シアター洋画部は、ヘンリー・ハサウェイ監督&ジョン・ウェインの痛快西部劇の傑作”True Grit”『勇気ある追跡』(1969年・パラマウント)を久しぶりに堪能。 ジョン・ウェインがアカデミー主演男優賞、ゴールデングローブ主演男優賞を獲得。アイパッチの連邦保安官・ルースター・コグバーンをダイナミックに演じ、晩年の代表作となった。原作はチャールズ・ポーティーズの小説。 1880年台のアーカンソー州、勝気な少女・マティ・ロス(キム・ダービー)が父・フランク