りゅう

音楽と本と映画と旅行と自転車好きですが、料理も勉強中です。

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最近の記事

失われた地平線(1937)

ふと手に取った本を読み始めると、そのお話は、幼い時に親に連れられて観た映画の原作であることに気付きました。しかも、出だしだけで人を惹きつける物語の始まりを予感させる。 ストーリーは、第一次対戦後頃の時代、イギリス人たちが混乱に陥ったアフガニスタンから引き揚げるために乗った飛行機のパイロットがすり替わっていて、チベットかどこかの山奥に不時着する。そこで、山奥からやってきた謎の人々に険しい山道を案内されて楽園または聖地に連れて行かれ、夢のような快適な日々を過ごすが、退屈さに飽き

    • マッシブ・タレント

      久しぶりにニコラス・ケイジが新作に出てるんだと思い、Amazonプライムで見始めました。 お話は、多少落ちぶれつつある大俳優ニコラス・ケイジを本人が演ずるというもの。実生活でも、浪費癖のせいで借金を抱え、その返済のためにマイナーな作品にも多数出演して借金を返したと、今回ネットで調べて知りました。納得!大俳優なのに結構、変なカルトっぽい映画にでてるなぁ、と思っていたら、そういうことだったんですね。 冒頭で、映画プロデューサーに自分を売り込むため、頼まれもしないのに、脚本のセ

      • ボーはおそれている

        アリ・アスター監督が作っているのを、公開終了後に知り、アマゾンプライムで観ました。 監督は、ミッドサマーで、最高のホラーの作り手という地位を確立したように思います。その前のヘレンンディタリーは、知人にビデオを借りていたのですが、途中であまりのおぞましさに断念してしまいました(折角借りたのにすみません)。 本作はもなかなか大変な映画で、体力と気力がないと見通せません。安易な気持ちで見始めるととんでもないことになるので、よほど映画好きかアスター監督好きでないと辛いのでは。

        • ツイスターズ

          昔にあった、ツイスターのリメイク版と聞き、友人の勧めもあり、観ました。 やっぱりアメリカ人はワイルド!というのが結論です。 だって、竜巻を追いかけるYouTuberとか、竜巻の真っ只中に入って花火打ち上げるとか、頭がおかしいんですか?っていう世界。 しかも、主人公の女性も、学生時代から竜巻をやっつけることを狙って化学薬品をぶち込むとかいって無茶して、恋人やら仲間を死なせてしまうというトラウマを抱えている。 まず開始早々に、主人公の仲間がドンドン死んでいくという点にびっく

        失われた地平線(1937)

          ラストマイル

           知人に勧められて観ました。結論として、面白い映画です。日本映画にしては、社会派のテーマとエンターテインメントが両立している、珍しいケースといえるでしょう。  主人公は、満島ひかりでなければできない役だったのではないかと思います。アメリカのAmazonを模したネット販売企業から送り込まれてきた一大物流センターの責任者の役で、上からの売り上げを減らすなというプレッシャーを受けつつも、どうやって爆弾の仕込まれた荷物を膨大な荷物から探すのかという謎解きをするという重いミッションを

          ラストマイル

          ラブ・アクチュアリー

          ビル・ナイを「生きる Living」を観て知り、すごい俳優だと思っていたところ、彼がこの映画でブレイクしたと知り、観てみました。 確かに、同じ俳優かと思うほどの違いで、この映画では相当ぶっ飛んだ落ちぶれつつあるロックスターでした。演技の幅が広いということだけでなく、よくこんな変わり者の役をこんな年齢で演じられるなと思います。 映画全体としては、イギリスでの様々なカップルたちがクリスマスの機会に繰り広げる恋愛模様です。皮肉な内容が多いように思っていたイギリス映画には珍しく、

          ラブ・アクチュアリー

          エイリアン/ロムルス

          評判が良いと知り、観てみました。 エイリアンシリーズの1作目のインパクトがあまりに強すぎて、多分、最初に観た時から30年以上経っているのに、1作目を超えるのは難しいなぁ。というのが率直な感想ですが、映画として面白くないわけではない(微妙な言い方ですみません)。 このシリーズの特徴は、(といっても、2作目までしか観ていないのですが)地球又は地球人の住んでいる惑星から離れた宇宙空間をただよう宇宙船の中で孤立した複数の乗員が、エイリアンに追われ、一人ずつやられていくという設定なん

          エイリアン/ロムルス

          ブルーピリオド

          東京芸術大学への入学を目指す、油絵描きの高校生の苦闘の物語です。 仲間たちと呑んだくれて遊んでいた渋谷の街の朝焼けを描いたブルーの絵が絵を描くことのきっかけとなった主人公。前田郷敦は、むしろ肉体派だと思っていたけど、芸術に取り憑かれた若者を情熱的に演じます。 高校の美術の先生を薬師丸ひろ子が演じますが、「好きなものに努力できることは最強」という趣旨のことを主人公に言いますが、人生の真理と思います。人は好きなことにこそ力を出し、努力を続けることができるのでしょう。でも、「好

          ブルーピリオド

          フォードvsフェラーリ

          フェラーリを観た勢いでネットフリックスで観ました。 映画「フェラーリ」の監督、マイケル・マンはプロデューサーで参加してます。 バットマンシリーズのクリスチャン・ベイルが、全く違った派手さのない、車の整備とドライバーに徹するオタクのマイルズ役を演じてます。はっきり言って、バットマンの時のようなカッコよさは全くないのですが、これを観て彼の演技の幅の広さがよく分かりました。 マット・デイモンは、フォードチームの監督であり、マイルズの親友でもあるシェルビーを演じて、リアルで魅力

          フォードvsフェラーリ

          ゴースト・トロピック

          お話は、ブリュッセルで掃除婦をしているイスラム系移民のおばさんが、仕事帰りに乗った地下鉄を乗り過ごし、終電がなくなったので、夜中に歩いて帰るというもの。 相当昔、ブリュッセルに住んでいたことがあったので、観ました。 すごく身近な生活でのロードムービーです。普段の日常にも、未知の人、出来事に偶然巡り会う「旅」はできるということなんですね。それがこの映画を観たことの最大の収穫でした。 主人公のおばちゃんは、夜中にもかかわらず、好奇心旺盛でお節介なため、色んな所を覗きこんだり

          ゴースト・トロピック

          フェラーリ

          久しぶりに映画館で映画を観ました(2週間ぐらいぶり)。やっぱり、この映画を観ると、映画館で観るべきだと確信しました。 フェラーリの社長(コマンダトーレ、とイタリア語で呼ばれてましたね)を演ずる、アダム・ドライバー。威厳、迫力があるとともに、カッコ良くて、彼の代表作になるだろうと思いました。実年齢よりも老けた役でしょうが、色気がありますね。 映画のコメントを観ると、奥さん役のペネロペ・クルスの演技を褒めているものが多かったですが、確かに、振り返ると、彼女が奥さんとしてフェラ

          フェラーリ

          星の旅人

          サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼に近いうちに行きたいと思っていたので、予習として観ました。 マーティン・シーン演ずる父親が、巡礼すると言って仕事を辞めて旅立った息子が嵐で亡くなったと聞き、遺体を引き取りに行くも、自分が息子の代わりに巡礼するというお話。 息子役は、エミリオ・エステベスですが、てっきり二人は実の親子かと思うぐらい感じが似ています。 生前は分かり合えなかった父親と息子が、多分、息子が亡くなってから、ようやくお互いを理解し合える時間を歩きながら持てたという

          Following

          クリストファー・ノーラン監督の初期の長編作品と知り観ました。 さすが、若くしてこんなに、複雑で、面白くで、ひねくれた映画を作ってんだ!と思いました。 私のエンドロールの見間違いでなければ、カメラもノーラン監督になっていたような。 まず設定がヤバい。見知らぬ人を街中で尾行することを趣味とする若者が、尾行していたはずが逆になり、メチャクチャなことになる。 俳優陣からしても、危ない。尾行されていた人も、イケメン(アレックス・ハウ)だけど、口も立ち、しかも変わり者。主人公も、

          寝ても覚めても

          濱口竜介監督の長編デビュー作と聞きました。 やっぱり濱口竜介監督は天才だ!と思いました。 今や不倫でパージされた東出昌大も、一人二役で、上手く演じ分けていて良かった。 相手役の女優も、ボーっとしていてそうで、芯が強い、かつ素人っぽい感じで、とても良かったです。 人には、今の安定した生活の全てを台無しにしても、それぐらい好きになった人は人生において一人はいるんでしょう。そういう人に巡り会えることは、人の一生でなかなかないので、そういう人に巡り会えた人は幸せですよね。

          寝ても覚めても

          関心領域(The Zone of Interest)

          見終わった後、関心領域という和訳は、素晴らしいと思いました。 予告編などを観て、アウシュビッツ収容所の隣で豊かに暮らしている家族は、壁の向こうで起きていることに関心がない、つまり、自分たちの平穏な生活だけに関心があるということがテーマかと思っていました。勝手に。 ところが、どっこい、それは、私の関心にだけにスポットを当てた、いわはバイアスがかかった解釈だということが分かりました😢 ヘス所長は、変な髪型をした、まぁ小役人です。奥さんも、めちゃくちゃ強いので、なかなか転勤の

          関心領域(The Zone of Interest)

          余命10年

          藤井道人監督の「青春18×2」を観た勢いで、Amazonで観ました。 いままで、藤井直人監督はヤクザ映画とか新聞記者とか硬派の監督かと思っていましたが、青春18に続き、定番と言われる恋愛ものもキチンと確実に作られる方ということが分かりました。 登場人物の皆が魅力的に描かれていたのがすごく見事と思いました。小松菜奈は初めて観ましたがなかなか個性的な俳優と思いましたし、坂口健太郎も、おかえりモネ以来注目していましたが、さすがです。繊細な感じを表現できるすごい俳優と思います。娘