フェラーリ

久しぶりに映画館で映画を観ました(2週間ぐらいぶり)。やっぱり、この映画を観ると、映画館で観るべきだと確信しました。

フェラーリの社長(コマンダトーレ、とイタリア語で呼ばれてましたね)を演ずる、アダム・ドライバー。威厳、迫力があるとともに、カッコ良くて、彼の代表作になるだろうと思いました。実年齢よりも老けた役でしょうが、色気がありますね。

映画のコメントを観ると、奥さん役のペネロペ・クルスの演技を褒めているものが多かったですが、確かに、振り返ると、彼女が奥さんとしてフェラーリに文句を言いつつ、経営を支えるという存在感のある役(悪役とまではいいませんが)を演じていました。

物語は、フェラーリ社長の私生活と、経営を立て直すために、「ミッレミリア」というイタリア半島の公道を走りまくるレースで勝つために戦うという部分との二本立てです。その二つが上手く、融合して描かれています。

なんと言っても、イタリアの山道などの公道をフェラーリとマセラティなどのライバルがしのぎを削りながら走りまくるシーンの迫力。音がすごい。これはやはり映画館でないと、体験できないです。痺れます。

途中で事故が起こりますが、これもなかなかエグク(ごまかさずに)映像となっていますので、そういうのがダメな人は目をつぶった方がいいでしょう。

社長は元ドライバーだそうですが、フェラーリ社のドライバー達に厳しく奮起を促す場面が見どころと思います。「ドライバーは、先にブレーキを踏んだらダメだ。死ねとは言わないが、死を恐れないでレースをしろ!」と言い渡します。
レースのドライバーって、そういうものなんですね。スピードが怖い私としては、むりぃって感じでしたが、死と隣り合わせの職業だったんだ。

久しぶりにイタリアを舞台とした映画をみたように思いますが、なんかやっぱり、景色といい、音楽といい、気取らずに低い足のグラスでワインを飲みながら食事をしているところといい、魅力がありますね。

とはいえ、公道でレースをして爆走して、ローマの街中や田舎の村で沿道で人が応援しているところを走り抜けるのは、危険だよね。映画で取り上げられた事故のあと中止されたそうですが、その後、クラシックカーのレースとして、(多分マイルドな形で)復活していると知りました。
現代社会はリスクに敏感になり、なにか事故が起きるとすぐに問題となり、賠償とかなんとかということになるので、これからは映画で出てくるようなワイルドなレースは無理なんでしょうね。

マイケル・マン監督は、マイアミ・バイスというアメリカドラマでかっこいいなと思っていましたが、「ハンニバルレクター」だったり、最近では渡辺謙が出ている「東京バイス」も作っていると知りました。流石、大物監督ですね。人間ドラマとレースアクションとのバランス、お金のかかった大作を落ち着いた様子で作っているらしいこと、ファッション、全体を通じたクールな雰囲気、熟練の技です。

映画らしい映画です。映画館で観ましょう!

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