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https://www.tapthepop.net/ 「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信 現在、noteで無料テスト配信中

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  • "音楽愛"に溢れた映画特集

    「音楽が主役」「音楽が重要な役割を果たしている」など、音楽愛に満ち溢れたオススメ映画を紹介します。随時追加。

  • ミュージシャンの伝記映画特集

    ロック、カントリー、ブルーズ/R&B、ヒップホップ、ジャズ、クラシックなどジャンル問わず、ミュージシャンやソングライターの伝記映画をコラム化して紹介。随時追加。

最近の記事

ザッツ・エンタテインメント〜アステアやケリーが歌って踊ったミュージカル映画30年史

『ザッツ・エンタテインメント』(That's Entertainment!/1974年) 1996年2月にジーン・ケリーが亡くなった時、アメリカのABCテレビのニュース番組が流した追悼映像は前代未聞のものだった。 1930年代〜50年代にかけて全盛を誇ったミュージカル映画は、その後テレビの普及やロックンロールとティーンエイジ文化の台頭で人気が下降。1980〜90年代に至っては、映画はすっかり歌うことを忘れていた。 感動的であるが、もう遥か昔のこと。ミュージカル映画は夢の

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    • ムーラン・ルージュ〜“秘密の歌”とボヘミアンたちの世紀末

      『ムーラン・ルージュ』(Moulin Rouge!/2001年) ナット・キング・コールで有名な、「Nature Boy」の歌詞の一節に導かれて物語が始まる『ムーラン・ルージュ』(Moulin Rouge!/2001年)は、ちょっと変わった作りの悲喜劇でありながら、永遠の愛を謳った忘れ得ぬミュージカル映画だった。 監督のバズ・ラーマンが言うように、この映画の舞台は1889〜1900年という、19世紀末のパリであるにも関わらず、ヴィジュアルも音楽も20世紀の既存のポップカル

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      • アリスのレストラン〜アーロ・ガスリーの歌を映画化した1960年代後半の放浪風景

        『アリスのレストラン』(Alice's Restaurant/1969年) これは、シンガー・ソングライターのアーロ・ガスリーが、1967年にリリースしたデビュー盤『Alice's Restaurant』に収録された、「Alice's Restaurant Massacre」(邦題「アリスのレストランの大虐殺」)の一節。 大虐殺とあるが、歌の内容は自らの徴兵検査やゴミの不法投棄から始まった警察騒動を、トーキング・ブルーズ形式で面白おかしく歌ったもの。ライヴ録音による18分

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        • クロスロード〜ロバート・ジョンソンの“幻の30曲目”を探して

          『クロスロード』(CROSSROADS/1986年) アメリカ南部ミシシッピ州の田舎町で、2本道が交差して、一本の寂しげな木が立っている場所。人はそれを「クロスロード」と呼ぶ。例えば、クラークスデールのハイウェイ61号線と49号線が交差するあたり。 そこで野望を持った若きギタリストは、テクニックと作曲、名声と富を手にすることができる。 それは夜の零時の少し前だ。間違いなくそこにいること。そして、手にしたギターを弾いてみろ。黒い大男がやって来て、ギターを取り上げてチューニ

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        ザッツ・エンタテインメント〜アステアやケリーが歌って踊ったミュージカル映画30年史

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        • "音楽愛"に溢れた映画特集
          35本
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        記事

          バーレスク〜クリスティーナ・アギレラとシェールが魅せるセクシー&ゴージャスな世界

          『バーレスク』(Burlesque/2010年) スモールタウンのような田舎町で育った女の子が、夢を実現させるためNYやLAのような都会に出る。そこでいきなり厳しい現実と直面しながらも、必死になってきっかけを作ろうとする。 やがて、自分と同じような立場にいる男の子との出逢い。風変わりだけど心強い仲間たちの存在。しかし、そこに金にモノを言わせる連中が現れ、夢は誘惑に溺れながら歪んだものに変えられそうになる。 だが、恋や友情が進むべき道を教えてくれ、最後には女の子は笑顔と輝

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          ワイルド・アット・ハート〜愛する女のために歌った圧倒的な「ラブ・ミー・テンダー」

          『ワイルド・アット・ハート』(Wild at Heart/1990年) 恋人たちの逃避行を扱った映画と言えば、ニコラス・レイ監督の伝説的な『夜の人々』をはじめ、ボニー&クライドで有名な『俺たちに明日はない』、テレンス・マリック監督の『バッドランズ(地獄の逃避行)』、ロバート・アルトマン監督の『ボウイ&キーチ』、クエンティン・タランティーノが脚本を書いた『トゥルー・ロマンス』、あるいはゴダールの最高傑作『気狂いピエロ』といったところを真っ先に思い出す。 そんな中、ひときわ強

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          コヨーテ・アグリー〜実在するNYのバーを舞台にしたロック度99%映画

          『コヨーテ・アグリー』(Coyote Ugly/2000年) 1997年。アメリカの雑誌『GQ』に掲載された1本のコラムが、ことの始まりだった。 それは、NYのクラブバー「コヨーテ・アグリー・サルーン」で働いた経験があった作家エリザベス・ギルバートの記事。 この店には、毎晩のように男たちが押し寄せて、バーテンダーたちのワイルドでセクシーな接客に酔いしれているというもの。 カウンターに上がって踊り、派手に酒を注ぎ、時には火を吹くなど、過激なパフォーマンスを繰り返す彼女た

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          ビギナーズ〜暴動とロマンスと英国モッズが詰まったクールな108分間

          『ビギナーズ』(Absolute Beginners/1986年) 「ティーンエイジャー」という概念が誕生したのは、1950年代のアメリカだと言われている。 それまでは「大人か子供か」の選択肢しかなかった中、親世代への反抗意識を持った若者としてのあり方。そんな特定の年齢層が象徴となって浮かび上がった時、「ティーンエイジャー」は輝き始めた。 そして、少年少女たちのサウンドトラックは言うまでもなく、同時期に生まれたロックンロールだった。 しかし、1950年代後半にはロック

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          アメリカン・グラフィティ~伝説のDJウルフマン・ジャックが流す41曲のオールディーズ

          『アメリカン・グラフィティ』(American Graffiti/1973年) ラジオ局のジングルが聞こえ、夕暮れ空やネオンサインに輝くドライブインが映し出される。そして、突然ビリー・ヘイリー&ザ・コメッツの「Rock Around the Clock」が流れ出す。 映画『アメリカン・グラフィティ』(American Graffiti/1973年)はこうして始まる。 日本でも1974年に公開されて大ヒット。1980年代には何度かTV放映されたので(吹き替えにはサザンオー

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          エディ&ザ・クルーザース〜その正体はジョン・キャファティ&ザ・ビーバー・ブラウン・バンド

          『エディ&ザ・クルーザース』(Eddie and the Cruisers/1983) 1983年9月、アメリカで1本の映画がひっそりと公開された。タイトルは『エディ&ザ・クルーザース』(Eddie and the Cruisers)。 主演は、TVドラマで人気が出始めていたマイケル・パレと、1970年代から何本かの映画に出演していたトム・べレンジャー。後にパレは『ストリート・オブ・ファイヤー』、べレンジャーは『プラトーン』で、誰もが知るスター俳優となる。 映画は本国で

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          コットンクラブ〜ギャングが経営した伝説のナイトクラブとジャズを描くコッポラ監督作品

          『コットンクラブ』(The Cotton Club/1984年) フランシス・フォード・コッポラ監督の『コットンクラブ』(The Cotton Club/1984年)は、1920年代後半から30年代前半にかけて人気を誇った伝説のナイトクラブを舞台に、ジャズと銃弾、愛とセックスに生きる男と女の姿を描いた傑作。 1920年にアメリカで制定された禁酒法は、「スピークイージー」と呼ばれる“もぐり酒場”と、そこに絡むギャングの闇ビジネスを活気づけた。 そんな空間で、必要不可欠なエ

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          ミステリー・トレイン〜ジョー・ストラマーや工藤夕貴らが出演したジャームッシュ映画

          『ミステリー・トレイン』(MYSTERY TRAIN/1989年) 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の後、日本から一通の奇妙な手紙がジム・ジャームッシュの手元に届いた。 そこには「あなたの映画が好きだ。一緒にビールを飲もう。私は東京に住んでいる」と書いてあった。もしNYに来られるならOKだよと返事すると、10日後、本当に本人がやって来た。 こうしてJVCの平田国二郎は、ジャームッシュの新作のためのプロデューサーになった。監督に映画創作のための自由を保証し、製作費もバ

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          ニューヨーク・ニューヨーク〜有名なあの曲はライザ・ミネリがこの映画で初めて歌った

          『ニューヨーク・ニューヨーク』(New York, New York/1977年) 2017年に日本でも大ヒットしたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』は、その名の通り、LAを舞台にした“音楽を伴った男と女の愛のドラマ”だったが、そのちょうど40年前に、NYを舞台にした同様の映画があったことを思い出す。 『ニューヨーク・ニューヨーク』(New York, New York/1977年)だ。この作品は厳密にはミュージカルではなく、ミュージカルのシーンを含んだ映画。 ことの始

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          ラ・ラ・ランド〜“誰も知らない音楽”だからこそミュージカル映画の新たな指標になった

          『ラ・ラ・ランド』(LA LA LAND/2016年) アメリカでは2016年末、日本では2017年2月に公開された『ラ・ラ・ランド』(LA LA LAND/2016年)は、ミュージカル映画としては珍しく、幅広い世代の間で話題になった。 映画界に一筋の希望を与え、何の興味もなかった(敬遠や偏見含む)人々にミュージカル自体に関心を持たせ、SNSで世界へ拡散させたという意味でも、「ミュージカル映画の新たな指標」的作品と呼んでもいい。 とは言え、2000年代(ゼロ年代)以降、

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          ラ・ラ・ランド〜“誰も知らない音楽”だからこそミュージカル映画の新たな指標になった

          ロック・オブ・エイジズ〜一緒に歌えるロックミュージカルの最高傑作!

          『ロック・オブ・エイジズ』(ROCK OF AGES/2012年) とにかく楽しくて、思わず歌いたくなる。そして、人には夢と希望があるから前向きに生きられる。こんな何でもないことを言うのは簡単だけど、これを一級のエンターテインメント作品に仕上げるのは、とても難しい。 しかし、『ロック・オブ・エイジズ』(ROCK OF AGES/2012年)は、それを物語として魅せてくれる。ブロードウェイで大ヒットしたミュージカルの映画化で、舞台にはないオリジナルのキャストや曲も登場する。

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          アリー/スター誕生〜無名時代に応援してくれたLGBTに敬意を表したレディー・ガガ

          『アリー/スター誕生』(A Star Is Born/2018年) レディー・ガガの初主演作となった『アリー/スター誕生』(A Star Is Born/2018年)は、同名映画の4度目のリメイク。 とはいえ、1937年のジャネット・ゲイナー版、1954年のジュディ・ガーランド版の舞台は映画界なので、1976年の前作「スター誕生〜70年代型ロックスターの愛と別れを描くバーブラ・ストライサンド主演作」がベースになっている。 きっかけは、主演と初監督を務めたブラッドリー・ク

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