街と旅のあいだ|haruri

寝ることと食べること、そして空想だったり、本や映画、ドラマを通した移動を伴わない旅、近…

街と旅のあいだ|haruri

寝ることと食べること、そして空想だったり、本や映画、ドラマを通した移動を伴わない旅、近場や一歩だけ足を延ばす小さな旅が何よりも好き。

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街と旅のあいだ

旅って何だろう? 私にとって、「旅」は必ずしも身体の移動を伴わない。 体が弱くて、布団の中で過ごす時間が長かった幼い頃。 私は、物語の中の世界では、元気に動き…

おうちで「東海道五十三次」旅 #2 品川

江戸から2里、約8km。最初の宿場「品川」を描いた、広重のこの一枚。 何といっても、画面の左半分を占めている海にインパクトがあります。 江戸時代、海に面していた…

おうちで「東海道五十三次」絵と絵の間の旅 #1 日本橋~品川

長いタイトルになってしまった。 広重の浮世絵「東海道五十三次」で、江戸時代の東海道をおうちにいながら、想像で旅しようと思ったのだが、「東海道五十三次」に描かれ…

自己中ではなく、個人の尊重?  フランスドラマ「6人の女 ワケアリなわたしたち」

私にとって、旅は必ずしも移動を伴わない。 ドラマも、それを観ている間は、今いるここから、私自身の人生から離れられる「旅」の1つだ。 海外ドラマは当然だが海外が舞…

暑さが早すぎる

4月期のドラマも折り返しの時期。 桜がなかなか咲かないなどと思っていたのも束の間、今年も、早くも暑くなってきました。 このクールは、毎朝の「虎に翼」に加え、「VR…

「虎に翼」は毎朝のエナジードリンク

この4月からの朝ドラ「虎に翼」がすごくいい。 ヒロインの子供時代はなく、初回から伊藤沙莉が登場なのだが、とにかくテンポが良い。ドンドン話が進んでいくし、全く無駄…

私のこれからの本棚

「本」と一口に言っても、物語もあれば、エッセイや詩集、専門書など様々な種類がある。 けれど私の中では、本と言えば「物語」だ。 何しろ私と本は「物語」で出会った…

おうちで「東海道五十三次」旅 #1 日本橋

歌川広重の「東海道五十三次」の絵の中にどっぷり浸かることで、おうちにいながら江戸時代の東海道をゆく、想像の旅に出かけることにした私。 いよいよ、旅の始まりです。…

おうちで「東海道五十三次」旅 事始め

葛飾北斎らと共に、江戸後期を代表する浮世絵師である歌川広重。 その代表作「東海道五十三次」は、江戸時代に役人の往来や、書状その他様々な物品の輸送のために設けられ…

冬は駆け足に

1月期のドラマも折り返しの時期。 何やら今年は、冬が足早に過ぎ去ろうとしているようです。 暖冬ではあるものの、このクールは「作りたい女と食べたい女」に心を温めら…

秋葉原 ミルクスタンドへの小さな冒険

遠くに行くことだけが旅ではない。 ほんの少し寄り道をする。 いつもはしないことをやってみる。 それだって立派な旅だ。 以前、週に1度、総武線を利用していた。 そ…

素晴らしきドラマの旅 2023

気づいたら、2024年がものすごいスタートダッシュをして過ぎていく。 どんどんと通り過ぎていく前に、2023年も、私を毎夜、素晴らしき旅へと連れ出してくれたドラマを振…

地上波ドラマは私の晩酌

授業がつまらない時。 そこに居なければいけないけれど暇な時。 私はいつでも、身体をその場に置いたまま、意識だけ空想の世界へと出かけられた。 でも大人になった今は、…

街と旅のあいだ

街と旅のあいだ

旅って何だろう?

私にとって、「旅」は必ずしも身体の移動を伴わない。

体が弱くて、布団の中で過ごす時間が長かった幼い頃。
私は、物語の中の世界では、元気に動き回り、いろんな冒険に出かけたものだ。

大人になった今、私は国内だけでなく、海外に出かけたこともある。
遠くへの移動を伴う旅は、刺激的で、未知の体験をさせてくれる。

だけど、どこにも行かなくても、今いるここではないどこかに出かけ

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おうちで「東海道五十三次」旅 #2 品川

おうちで「東海道五十三次」旅 #2 品川

江戸から2里、約8km。最初の宿場「品川」を描いた、広重のこの一枚。
何といっても、画面の左半分を占めている海にインパクトがあります。

江戸時代、海に面していた品川は、街道の宿場であるだけではなく、港でもありました。
海に目をやると、停泊中の船や帆を張った船がいくつも見えます。

沖の船は、一本マストに横帆一枚の「弁財船」と呼ばれるもので、各地から物資を積んで江戸を目指してやってきました。

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おうちで「東海道五十三次」絵と絵の間の旅 #1 日本橋~品川

おうちで「東海道五十三次」絵と絵の間の旅 #1 日本橋~品川

長いタイトルになってしまった。

広重の浮世絵「東海道五十三次」で、江戸時代の東海道をおうちにいながら、想像で旅しようと思ったのだが、「東海道五十三次」に描かれているのは53の宿場だけ。

しかし実際には宿場と宿場の間に長い旅路が存在していて、東海道を想像で旅するためには、描かれてはいない、絵と絵の間の旅を無視することはできません。

広重の「東海道五十三次」自体もさることながら、この絵と絵

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自己中ではなく、個人の尊重?  フランスドラマ「6人の女 ワケアリなわたしたち」

自己中ではなく、個人の尊重?  フランスドラマ「6人の女 ワケアリなわたしたち」

私にとって、旅は必ずしも移動を伴わない。

ドラマも、それを観ている間は、今いるここから、私自身の人生から離れられる「旅」の1つだ。

海外ドラマは当然だが海外が舞台なので、日本のドラマ以上に現実から離れやすく、旅感もより強く味わえる。
以前は随分とお世話になったものだ。

最近は以前ほど海外ドラマを観なくなったが、NHK日曜11時からの海外ドラマ枠で放送されていた、フランスのドラマ「6人の女

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暑さが早すぎる

暑さが早すぎる

4月期のドラマも折り返しの時期。
桜がなかなか咲かないなどと思っていたのも束の間、今年も、早くも暑くなってきました。

このクールは、毎朝の「虎に翼」に加え、「VRおじさんの初恋」と「アンメット」、「おいハンサム‼2」を楽しみにしています。

仮想現実(VR)において、女子高生姿で独り過ごすのが、唯一の楽しみである孤独な中年男性が、仮想現実で出会い、初恋をした美女は、現実世界では孤独なおじいちゃ

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「虎に翼」は毎朝のエナジードリンク

「虎に翼」は毎朝のエナジードリンク

この4月からの朝ドラ「虎に翼」がすごくいい。

ヒロインの子供時代はなく、初回から伊藤沙莉が登場なのだが、とにかくテンポが良い。ドンドン話が進んでいくし、全く無駄がない。

朝からテンポよく笑わせてくれたかと思えば、シリアスな部分はじっくりと描き、コメディとシリアスのバランス、緩急の付け方がとてもいい。

シリアスなお芝居にも安定感があって、コメディエンヌとしても抜群な伊藤沙莉の魅力が、遺憾

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私のこれからの本棚

私のこれからの本棚

「本」と一口に言っても、物語もあれば、エッセイや詩集、専門書など様々な種類がある。

けれど私の中では、本と言えば「物語」だ。

何しろ私と本は「物語」で出会ったし、幼い頃、体が弱く、寝込むことが多かった私を、初めてここではないどこか、旅へと連れ出してくれたのも「物語」だった。

外を自由に動き回ることが出来なかった私は、本を読むことで、主人公や登場人物になり代わって、物語の中で自由に動き回

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おうちで「東海道五十三次」旅 #1 日本橋

おうちで「東海道五十三次」旅 #1 日本橋

歌川広重の「東海道五十三次」の絵の中にどっぷり浸かることで、おうちにいながら江戸時代の東海道をゆく、想像の旅に出かけることにした私。

いよいよ、旅の始まりです。

広重の描く東海道の旅は、江戸の日本橋から始まります。

日本橋は、当時の江戸の中心である江戸城の東に位置しており、江戸城外堀から隅田川までを東西に結ぶ、日本橋川という川に架かる橋として、1603年に徳川家康によって作られました。

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おうちで「東海道五十三次」旅 事始め

おうちで「東海道五十三次」旅 事始め

葛飾北斎らと共に、江戸後期を代表する浮世絵師である歌川広重。

その代表作「東海道五十三次」は、江戸時代に役人の往来や、書状その他様々な物品の輸送のために設けられた主要幹線道路、「五街道」の一つである、東海道を題材に、その53の宿場と、始終点である江戸・日本橋、京都・三条大橋を描いた55枚の浮世絵シリーズです。

江戸時代の中期以降、日本では農民や女性でも、有名な寺社などへの参拝を理由に、旅に出ら

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冬は駆け足に

冬は駆け足に

1月期のドラマも折り返しの時期。
何やら今年は、冬が足早に過ぎ去ろうとしているようです。

暖冬ではあるものの、このクールは「作りたい女と食べたい女」に心を温められている。

これまでも「あなたのブツが、ここに」や「ミワさんなりすます」など、いくつかの良作と出会ってきた、月~木の10:45からのNHK「夜ドラ」。

この「夜ドラ」枠、初の続編が「作りたい女と食べたい女」で、2022年末のシー

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秋葉原 ミルクスタンドへの小さな冒険

秋葉原 ミルクスタンドへの小さな冒険

遠くに行くことだけが旅ではない。

ほんの少し寄り道をする。
いつもはしないことをやってみる。

それだって立派な旅だ。

以前、週に1度、総武線を利用していた。
その内に、通り過ぎる秋葉原駅のホームに、牛乳やコーヒー牛乳、フルーツ牛乳、イチゴ牛乳など、牛乳瓶に入った飲料を売る、ミルクスタンドがあることに気が付いた。

今や飲料といえば、ペットボトルかプラスチック容器で、陳列棚や自販機に並

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素晴らしきドラマの旅 2023

素晴らしきドラマの旅 2023

気づいたら、2024年がものすごいスタートダッシュをして過ぎていく。

どんどんと通り過ぎていく前に、2023年も、私を毎夜、素晴らしき旅へと連れ出してくれたドラマを振り返っておこうと思う。

2023年、個人的に選んだ素晴らしきドラマは以下の6本。

1月クール 「ブラッシュアップライフ」
4月クール 「日曜の夜ぐらいは・・・」
7月クール 「最高の教師」
10月クール 「いちばんすきな花」

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地上波ドラマは私の晩酌

地上波ドラマは私の晩酌

授業がつまらない時。
そこに居なければいけないけれど暇な時。
私はいつでも、身体をその場に置いたまま、意識だけ空想の世界へと出かけられた。

でも大人になった今は、空想の世界を旅する代わりに、気づけば、煩わしいあれやこれやについて考えてしまっている。

その代わり、いつでも空想の旅に出かけられたあのころは持っていなかった術を、今の私は持っている。

地上波ドラマという旅への切符を。

本や映画と同

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