街と旅のあいだ|haruri

寝ることと食べること、そして空想だったり、本や映画、ドラマを通した移動を伴わない旅、近…

街と旅のあいだ|haruri

寝ることと食べること、そして空想だったり、本や映画、ドラマを通した移動を伴わない旅、近場や一歩だけ足を延ばす小さな旅が何よりも好き。

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街と旅のあいだ

旅って何だろう? 私にとって、「旅」は必ずしも身体の移動を伴わない。 体が弱くて、布団の中で過ごす時間が長かった幼い頃。 私は、物語の中の世界では、元気に動き回り、いろんな冒険に出かけたものだ。 大人になった今、私は国内だけでなく、海外に出かけたこともある。 遠くへの移動を伴う旅は、刺激的で、未知の体験をさせてくれる。 だけど、どこにも行かなくても、今いるここではないどこかに出かけ、いつもは知らない誰かと出会い、未知なる体験をすることが出来ると私は知っている。

    • 「虎に翼」は毎朝のエナジードリンク

      この4月からの朝ドラ「虎に翼」がすごくいい。 ヒロインの子供時代はなく、初回から伊藤沙莉が登場なのだが、とにかくテンポが良い。ドンドン話が進んでいくし、全く無駄がない。 朝からテンポよく笑わせてくれたかと思えば、シリアスな部分はじっくりと描き、コメディとシリアスのバランス、緩急の付け方がとてもいい。 シリアスなお芝居にも安定感があって、コメディエンヌとしても抜群な伊藤沙莉の魅力が、遺憾なく発揮されている感じ。 初回に「この朝ドラは絶対面白い!」と興奮したのは、

      • 私のこれからの本棚

        「本」と一口に言っても、物語もあれば、エッセイや詩集、専門書など様々な種類がある。 けれど私の中では、本と言えば「物語」だ。 何しろ私と本は「物語」で出会ったし、幼い頃、体が弱く、寝込むことが多かった私を、初めてここではないどこか、旅へと連れ出してくれたのも「物語」だった。 外を自由に動き回ることが出来なかった私は、本を読むことで、主人公や登場人物になり代わって、物語の中で自由に動き回わり、冒険が出来るようになった。 周囲の音や景色が消え、目の前に物語の世界が

        • 【広重の「東海道五十三次」を行く想像の旅】その壱 日本橋

          歌川広重の「東海道五十三次」の絵の中にどっぷり浸かることで、江戸時代の東海道をゆく、想像の旅に出かけることにした私。 いよいよ、旅の始まりです。 広重の描く東海道の旅は、江戸の日本橋から始まります。 日本橋は、当時の江戸の中心である江戸城の東に位置しており、江戸城外堀から隅田川までを東西に結ぶ、日本橋川という川に架かる橋として、1603年に徳川家康によって作られました。 日本橋のたもとにやってきましたが、人も多く、にぎやかです。 橋の上には、こちら側へと渡ってく

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          広重の「東海道五十三次」を行く想像の旅 事始め

          葛飾北斎らと共に、江戸後期を代表する浮世絵師である歌川広重。 その代表作「東海道五十三次」は、江戸時代に役人の往来や、書状その他様々な物品の輸送のために設けられた主要幹線道路、「五街道」の一つである、東海道を題材に、その53の宿場と、始終点である江戸・日本橋、京都・三条大橋を描いた55枚の浮世絵シリーズです。 江戸時代の中期以降、日本では農民や女性でも、有名な寺社などへの参拝を理由に、旅に出られる時代になりました。 当時、浮世絵一枚は、うどん一杯の値段と同じ程度だった

          広重の「東海道五十三次」を行く想像の旅 事始め

          冬は駆け足に

          1月期のドラマも折り返しの時期。 何やら今年は、冬が足早に過ぎ去ろうとしているようです。 暖冬ではあるものの、このクールは「作りたい女と食べたい女」に心を温められている。 これまでも「あなたのブツが、ここに」や「ミワさんなりすます」など、いくつかの良作と出会ってきた、月~木の10:45からのNHK「夜ドラ」。 この「夜ドラ」枠、初の続編が「作りたい女と食べたい女」で、2022年末のシーズン1は、すごくよかったのに、話数が少なかったのが残念だったので、私にとっては待

          秋葉原 ミルクスタンドへの小さな冒険

          遠くに行くことだけが旅ではない。 ほんの少し寄り道をする。 いつもはしないことをやってみる。 それだって立派な旅だ。 以前、週に1度、総武線を利用していた。 その内に、通り過ぎる秋葉原駅のホームに、牛乳やコーヒー牛乳、フルーツ牛乳、イチゴ牛乳など、牛乳瓶に入った飲料を売る、ミルクスタンドがあることに気が付いた。 今や飲料といえば、ペットボトルかプラスチック容器で、陳列棚や自販機に並んでいるのが当たり前だ。 しかし私が子供の頃、時々家族で出かけた地元百貨店の地下

          秋葉原 ミルクスタンドへの小さな冒険

          素晴らしきドラマの旅 2023

          気づいたら、2024年がものすごいスタートダッシュをして過ぎていく。 どんどんと通り過ぎていく前に、2023年も、私を毎夜、素晴らしき旅へと連れ出してくれたドラマを振り返っておこうと思う。 2023年、個人的に選んだ素晴らしきドラマは以下の6本。 1月クール 「ブラッシュアップライフ」 4月クール 「日曜の夜ぐらいは・・・」 7月クール 「最高の教師」 10月クール 「いちばんすきな花」、「きのう何食べた? Season2」 1&10月クール 「大奥 season1

          素晴らしきドラマの旅 2023

          地上波ドラマは私の晩酌

          授業がつまらない時。 そこに居なければいけないけれど暇な時。 私はいつでも、身体をその場に置いたまま、意識だけ空想の世界へと出かけられた。 でも大人になった今は、空想の世界を旅する代わりに、気づけば、煩わしいあれやこれやについて考えてしまっている。 その代わり、いつでも空想の旅に出かけられたあのころは持っていなかった術を、今の私は持っている。 地上波ドラマという旅への切符を。 本や映画と同じくドラマも、それを観ている間は、今いるここから、私自身の人生から離れられる。

          地上波ドラマは私の晩酌