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東京での日々をぽつぽつ

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記事一覧

#15 ディズニーシーに行った思い出はもう僕しか覚えていない

 朝、ラジオを聴いていたらTravis Japanのメンバーの人が出ていて(名前も言っていたが、全然覚えていない)、その彼が、最近の悩みとして、「最近ディズニーシーに新しい…

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1か月前
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#14 分からない人々

 世の中、分からない人で溢れているとつくづく思う。  今日見かけた人だけでも、分からない人は結構いた。  霞ヶ関駅から日比谷図書館までの交差点、向こうから昼休憩…

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1か月前
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#13 初めて買ったすりごま

 アプリを使って、レシピを検索し、今日の晩ご飯のメニューを決めた。そのメニューには、すりごま大さじ2、とある。  すりごま如き、別にあっても無くてそこまで味なん…

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1か月前
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#12 朝顔おじさん

 真面目に文字数はこれだけ書こうとか、そんなことを考えていたら、すっかり何かを書くということから遠ざかってしまった。とても良くない。  何が良くないって、「書こ…

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2か月前

#11 眠れない理由

 なかなか一筋縄ではいかない。  昨日、自分の中ではほぼ完璧な休日を過ごした。昼間に体を動かして、帰って来てからすこし昼寝をし、夕方から夜になるくらいの時間に家…

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5か月前
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#10 村上春樹の本を読んだら走りたくなる

 このところ、ずっと気分が晴れないような、何をしていても楽しくない、ひどいと何もないのにイライラする、そんな日が続いていた。だから、まず朝起きるのがつらい。別に…

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5か月前
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#9 もうこれだけでいいような気がした

 2月の三連休の中日。雨が降ったりやんだりという日が何日か続いていたが、この日は久々に青空が広がった。こういう日に外へ出ないのは何だかもったいないような気がする…

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5か月前
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#8 2月に初夏の風が吹いた

 いつも通りの朝、ストレッチをして窓を開けると、ぬるい風が吹いた。鼻から息を吸い込むと、春っぽいにおいがした。陽も出ている。目の前の豪邸を建てる工事は相変わらず…

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5か月前
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#7 赤羽

 一昨年の年末、仕事でお世話になっている方の提案で、僕らは赤羽で飲むことになった。2人だけの軽い忘年会だ。予定時刻よりも数十分早く、僕がまだ電車に乗って移動して…

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5か月前
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#6 静謐な朝に踊る心

 朝五時、起床。頭が上手く回らず、ベッドの中でしばし目を瞑り、意識を整理。ゆっくり体を起こし、カーテンを開くが、外はまだ真っ暗。窓を開ける。今日はあんまり寒くな…

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5か月前
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#5 こんな日があるから生きていられる

 最低だ。朝、ベッドの上で目を開き、昨夜、ベッドの中に入るまでのことを思い返して、まずそう思った。ベッドの下には、昨日着ていた服が雑に放られている。ため息をつき…

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5か月前
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#4 一生付き合っていくのかもしれない

 2020年4月7日。東京に、初めての緊急事態宣言が出された。それを僕は、広尾にある日本赤十字社医療センターの病室に着いたとき、スマホで知った。  その数ヶ月前から便…

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5か月前

#3 今できることをやるしかない

 昨夜、寝る前にふと、なぜだか夜勤をしていたことを思い出した。  はっきりとは思い出せないが、二十代中盤の頃だ。当時僕は週に五日、十時から十八時半まで昼のバイト…

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5か月前
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#2 セルフレジとの距離感

 少し前、実家に帰ったときに弟とスーパーへ行った。食べたいものをカゴに入れ、会計をしようとレジへ進むと、弟は迷わずセルフレジへ向かった。夜も遅かったので、有人レ…

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5か月前
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#1 修行だと思うことにした

 ここ一ヶ月くらい、日記とは違う形で日々のことを書こうと思っていたが、なかなか思い腰が上がらず、“文章の書き方”のような本ばかりを読んでいたら、時間ばかりが過ぎ…

nagashime
6か月前
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#15 ディズニーシーに行った思い出はもう僕しか覚えていない

#15 ディズニーシーに行った思い出はもう僕しか覚えていない

 朝、ラジオを聴いていたらTravis Japanのメンバーの人が出ていて(名前も言っていたが、全然覚えていない)、その彼が、最近の悩みとして、「最近ディズニーシーに新しいエリアが出来たのでそこに行きたいのだが、二十七にもなって誰かを誘うのが恥ずかしい。どうすればいいですか?」といったようなことを言っていた。

 三十を過ぎて男四人でディズニーシーに行ったことのある僕はびっくりした。

 行きたい

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#14 分からない人々

#14 分からない人々

 世の中、分からない人で溢れているとつくづく思う。

 今日見かけた人だけでも、分からない人は結構いた。

 霞ヶ関駅から日比谷図書館までの交差点、向こうから昼休憩のサラリーマンと思しき集団がやって来た。すれ違いざま、ふと彼らを見ると、全員判で押したように水色のシャツに、グレーのスラックス、首からは入構証をさげていた。

 まるで量産されたロボットのようだ。

 僕の感覚だと、揃いも揃ってみんなと

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#13 初めて買ったすりごま

 アプリを使って、レシピを検索し、今日の晩ご飯のメニューを決めた。そのメニューには、すりごま大さじ2、とある。

 すりごま如き、別にあっても無くてそこまで味なんて変わらないだろ、と思って生きてきた。百円のすりごまを買うなら、百円のシュークリームが食べたい、そんな感じで生きてきた。

 だったのだが、百円でちゃんと美味しくなるなら、入れてみるかと、何となく手に取り、買ってみた。

 で、いざ調理開

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#12 朝顔おじさん

 真面目に文字数はこれだけ書こうとか、そんなことを考えていたら、すっかり何かを書くということから遠ざかってしまった。とても良くない。
 何が良くないって、「書こう」「書かなきゃ」みたいな思いだけはあったのに、全然動いていなかったからだ。
 というわけで、まぁ、一旦開き直って、何となく心のメモみたいな、そのくらいの気持ちで、あ、これはちょっと覚えていたいことだな、といったようなことをつらつら書いてい

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#11 眠れない理由

 なかなか一筋縄ではいかない。

 昨日、自分の中ではほぼ完璧な休日を過ごした。昼間に体を動かして、帰って来てからすこし昼寝をし、夕方から夜になるくらいの時間に家を出て、餃子屋へ。そこで軽く飲みながら餃子をつまむ。隣に座ったおばあさん二人組のうちの一人が店員に「私たち、今年で90歳よ」と言いながら餃子をバクバク食べているのに感心し、銭湯に行ってのんびり。帰ってきてからドラマを見たり、映画を見たり。

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#10 村上春樹の本を読んだら走りたくなる

#10 村上春樹の本を読んだら走りたくなる

 このところ、ずっと気分が晴れないような、何をしていても楽しくない、ひどいと何もないのにイライラする、そんな日が続いていた。だから、まず朝起きるのがつらい。別に起きたところで楽しいこともないし、起きたら起きたで面倒なことをこなさなければいけない。そんな面倒ごとに追われているうち、どうせまた一日は終わる。軽い鬱のような、とにかくやる気が出ない日が続いていた。

 こういった気分に陥り、それが幾日か続

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#9 もうこれだけでいいような気がした

#9 もうこれだけでいいような気がした

 2月の三連休の中日。雨が降ったりやんだりという日が何日か続いていたが、この日は久々に青空が広がった。こういう日に外へ出ないのは何だかもったいないような気がするので、散歩へ。

 街には多くの人が歩いていて、近所のカフェにも列が出来ていたりした。のどかな雰囲気にこちらの気持ちも穏やかになる。

 僕は燃え殻さんの「BEFORE DAWN」というラジオ番組をradikoで聴きながら代々木公園を目指す

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#8 2月に初夏の風が吹いた

 いつも通りの朝、ストレッチをして窓を開けると、ぬるい風が吹いた。鼻から息を吸い込むと、春っぽいにおいがした。陽も出ている。目の前の豪邸を建てる工事は相変わらずうるさい。

 リモート会議をするときはいつも白湯を飲む。それが、今日は水が欲しくなった。会議中、ロンTしか着ていないのに部屋が暑く感じる。何かがおかしい。2月でこんなに暑くなるなんて、熱でも出てきてしまったんじゃなかろうかと思った。

 

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#7 赤羽

#7 赤羽

 一昨年の年末、仕事でお世話になっている方の提案で、僕らは赤羽で飲むことになった。2人だけの軽い忘年会だ。予定時刻よりも数十分早く、僕がまだ電車に乗って移動しているときに、その方から「ちょっと早めに来られる?」というLINEが入った。どうやら、もう既に赤羽に着いているようで、その文面から、一刻も早く街に繰り出して飲みたいという思いが伝わって来る。

 集合時刻の5分前くらいに到着し、僕はその方と合

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#6 静謐な朝に踊る心

#6 静謐な朝に踊る心

 朝五時、起床。頭が上手く回らず、ベッドの中でしばし目を瞑り、意識を整理。ゆっくり体を起こし、カーテンを開くが、外はまだ真っ暗。窓を開ける。今日はあんまり寒くない。いつものストレッチをしながら、今日のこれからを頭の中で整理していく。

 朝食を済ませ、七時からの仕事のため、身支度を整えて六時十五分に家を出る。外は、ほんの少しだけ明るくなり始めている。

 人のいない住宅街はとても静かで、なんだか贅

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#5 こんな日があるから生きていられる

#5 こんな日があるから生きていられる

 最低だ。朝、ベッドの上で目を開き、昨夜、ベッドの中に入るまでのことを思い返して、まずそう思った。ベッドの下には、昨日着ていた服が雑に放られている。ため息をつきながらトイレに立つと、シンクが目に入る。洗っていない食器が置かれていた。普段、まずそんなことが無い分、何もかもが面倒に感じる。

 用を足しながら、ストレッチをしてから風呂に入って、歯を磨いて、洗濯をし、メシを食べてまた歯を磨いてと、これか

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#4 一生付き合っていくのかもしれない

#4 一生付き合っていくのかもしれない

 2020年4月7日。東京に、初めての緊急事態宣言が出された。それを僕は、広尾にある日本赤十字社医療センターの病室に着いたとき、スマホで知った。

 その数ヶ月前から便がほとんど出ず、食べた物を吐いてしまうという症状が続き、近くのクリニックで診てもらった。胃カメラをした結果、十二指腸潰瘍の疑いがあり、日赤医療センターを紹介された。十二指腸潰瘍の場合、手術をするケースは稀で、大抵の場合は薬で治すとい

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#3 今できることをやるしかない

 昨夜、寝る前にふと、なぜだか夜勤をしていたことを思い出した。

 はっきりとは思い出せないが、二十代中盤の頃だ。当時僕は週に五日、十時から十八時半まで昼のバイトをしていた。

 一応やりたいことはあったが、どうしたらいいか分からず、完全に行き詰まっていた。そして、途方もなく貧乏だった。給料が入っても、家賃や光熱費を払うと残りは三万円くらいで、ひどいときは三万円も残らなかった気がする。今思うと、そ

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#2 セルフレジとの距離感

 少し前、実家に帰ったときに弟とスーパーへ行った。食べたいものをカゴに入れ、会計をしようとレジへ進むと、弟は迷わずセルフレジへ向かった。夜も遅かったので、有人レジ(こんな言葉むかしは無かったよなぁ)もセルフレジも別にお客は並んでいなかった。どちらに並んだって構いはしないのだが、商品を自分でスキャンさせ、それをせっせと袋に詰めるという作業がどうにも面倒な自分は、一人だったら絶対に店員のいるレジに行っ

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#1 修行だと思うことにした

 ここ一ヶ月くらい、日記とは違う形で日々のことを書こうと思っていたが、なかなか思い腰が上がらず、“文章の書き方”のような本ばかりを読んでいたら、時間ばかりが過ぎていった。
 何冊かそういった類の本を読んだが、決まって書かれているのが、「とにかく書き始めてみよう」ということ。当たり前だ。書かないことには始まらない。
 そんなこと、頭では分かっているのに、どうにも気分が乗らない。いや、もはや何を書いて

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