#11 眠れない理由

 なかなか一筋縄ではいかない。

 昨日、自分の中ではほぼ完璧な休日を過ごした。昼間に体を動かして、帰って来てからすこし昼寝をし、夕方から夜になるくらいの時間に家を出て、餃子屋へ。そこで軽く飲みながら餃子をつまむ。隣に座ったおばあさん二人組のうちの一人が店員に「私たち、今年で90歳よ」と言いながら餃子をバクバク食べているのに感心し、銭湯に行ってのんびり。帰ってきてからドラマを見たり、映画を見たり。もう、これで大丈夫。

 そう思っていたが、今朝起きると、しっかり憂鬱だった。昨日の夕方に感じた、ランニングによる左ひざの痛みが治らず、晴れているのに気分はあまり晴れない。とりあえず日課のストレッチをこなし、気分を徐々にマイナスからゼロへと持ち直して朝食。

 睡眠時間だけで見れば、しっかり寝ているはずなのに、頭はぼんやりするし、あまり眠れた気もしない。そういえば、途中で起きたりもしてしまった。

 ずっと満たされない思いが続いている。何をしていても満足しない。仕事もただの作業という感じで、やらなければいけないからやっている、という感じだ。

 そんなことをぐるぐる考えていて、これこそが気分が落ちたり、眠れない原因なのではないかという考えに至った。結局のところ、僕は自分の一日に「納得」していないのだ。

 納得をしていないから、どうにかこうにか今日を意味のあったものと思いたくて、本を読んだり、映画を見たり、何かをしようと足掻いているのかもしれない。

 では、なぜそんなことをしているのか、してしまうのか? 恐らくそれは、仕事が今、減っていることに起因している気がしている。誰かから必要とされていないような、そんな思いがあるのかもしれない。

 また、燃え殻さんのラジオを聴いていて、こんな言葉を聞いてハッとした。「夢中になることが幸福の正体」。

 いま、僕は何かに夢中になっているだろうか?

 最近、iPhoneでもキレイに写真を撮れたら面白いかもしれないと、そんなことの教則本を図書館で予約したり、絵を上手に描けるようになりたいと急に思ったり、いろいろ模索をしている。

 無味乾燥な日々に、すこしでも何かを足したいと思っている。若者じゃあるまいし、いい年をして何をしてるんだと言われそうな気もしていたが、これまたラジオで燃え殻さんは50を過ぎて夢が出来たと言っていてすこし勇気づけられた。

 ビールを呷って、今日はいい日だったと自分で誤魔化すような日から脱して、何かに夢中になってしっかりと自分を満足させ、ぐっすりと眠りたい。

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