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#4 一生付き合っていくのかもしれない

 2020年4月7日。東京に、初めての緊急事態宣言が出された。それを僕は、広尾にある日本赤十字社医療センターの病室に着いたとき、スマホで知った。

 その数ヶ月前から便がほとんど出ず、食べた物を吐いてしまうという症状が続き、近くのクリニックで診てもらった。胃カメラをした結果、十二指腸潰瘍の疑いがあり、日赤医療センターを紹介された。十二指腸潰瘍の場合、手術をするケースは稀で、大抵の場合は薬で治すといった説明を受けていたし、日赤医療センターでの検査までも一週間後くらいで予約をされたので、まぁそこまで大したこともないんだろうと思っていた。ただ、一週間も間を空けて大丈夫なのか? と自分でも思うほど、体調は日に日に悪くなり、ほとんど起き上がることすら出来なくなっていった。

 そして迎えた2020年4月7日。その日の午前中、僕はCTスキャンを受けた。その結果、食べたものがほとんど消化されていないことが分かり、なんとそのまま入院してくださいと言われた。

 まさかそんな展開になるなんて思っていなかったので準備も何もしていなかった。だから、せめて着替えなどの物だけは取りに帰らせて欲しいと頼み、荷物を取ってから昼過ぎに病院へ戻り、これから入院をする病室に案内され、荷物を置いてスマホを開くと、緊急事態宣言が出されていた。

 それから一週間、手術をするにあたって胃の中を空にするため何も食べられず、点滴だけで栄養補給をする日々が続いた。

 手術は無事に成功したが、それからの一週間もろくに食事ができず、最初は氷をなめるところから始まり、飲み物を飲めるようになり、ほぼ水分のお粥のようなものを食べ、といったことが段階を踏んで行われ、一週間経ったくらいで、ようやく普通の食事(といっても量は半分とかだった気がする)が食べられるようになった。僕の体重は60キロくらいから50キロくらいまで落ちた。

 あれから4年が経とうとしているが、今でも2~3か月に一回は薬をもらうために病院へ行き、一年に一回は胃カメラで検査をし、毎朝必ず薬を一錠飲んでいる。

 これまでの定期的な胃カメラはずっと日赤医療センターで受けていたのだが、今回から近くのクリニックで受けることになった。実に4年ぶりだ。しかも、日赤医療センターでは口からカメラを入れていたが、このクリニックでは鼻から入れるという(どうやら4年前も鼻から入れたらしいがすっかり忘れていた)。口からより楽とのことだったが、しっかり苦しかった。

 大きな問題は無いとのことだったが、一部炎症してる部分が見られた。ストレスが原因となる病気のため、看護師さんからはあんまりお仕事頑張り過ぎないようにしてください、と言われてしまった。全然頑張ってないのに…。

 そこまでストレスが掛かるようなこともしていないのにこの感じだと、これは一生付き合っていくしかなさそうな気がしている。

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