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ベースボールとトランポリン 就活で病まないために
先日、十数年ぶりに野球観戦に行った。実際にスタジアムに行ってみると、スポーツ観戦というのはスポーツではなく興行であることがよく分かる。タイやヒラメならぬチアガールが舞い踊り、筒から火が出て、アメリカンなテンションの放送がノリよく試合を進行し、幕間にはなぜかリレーをしている。むしろディズニーランドに近い。
さて、勝負事の興行はこうした楽しい仕掛けが多いシステムではあるものの、試合という形式上観客に
出会って半年経ったみたいにはじめましてって言ってね
働き始めて、どう?という質問には答えかねるけれど、4月は気の重い季節です。
まだ生徒だった春、新しいクラスのメンバー表を見て、他の人は何を思っていたのだろう。私は教室に入るまでずっと胃を痛めていました。私の座る席は、本当にあるんだろうか。お昼を一緒に食べる友人ができるんだろうか。休み時間になるとみんながそわそわと周りを見わたして、何かに気づかれないように「私たち」を作り出す空気に充てられて、薄い
『千と千尋の神隠し』と欲望
金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』を観ました。今年は辰年です。
物語の最後に、なぜ千尋は豚々(ぶたぶた)のなかに父母がいないことが分かったか、という疑問に対して、今現在での理解として書き留めておくことにします。これは正解でも考察でもありません。
飲食店のバイトから帰宅して22時過ぎのファミリーマートで店の中を徘徊している。今日はお客さんがたくさんで、皿洗いを何時間もしてとても疲れている、こ
眠れない夜と、私でない何か
ふと死にたいという感情を抱くことがあっても、結局生きてるし、と飯を食べ始める。その辛さが大したことがなかったというよりも、わざわざ抗うような意志を持つ面倒さを能天気というのだろう。母は私の幼い頃から「死んだら全部なくなるだけだよ」と教えていたし、そこには善悪も喜怒哀楽もなかった。
普通は「いつかは自分も死ぬ」という現実に気づき眠れない夜を過ごすものだ、と、友人に言われたのがショックで、そういえば
京都大阪てくてく記①
大学も4年生になると卒論を1本書けば良い。
だが、こうなると卒論以外の文章を書けなくなることにやっと気づいた。
常に「卒論の作業しなきゃ」というタスクに頭が支配されて毎日が8月30日なのである。やらなきゃ、と思うが、まあ明日があるし、という気持ちに勝てない。
しかも、時間があれば卒論に使ってしまい、ゼミでも卒論の報告をして。そもそも調査もしておらず「書く」段階にないからキーボードをぺちぺちする楽
キウイとレーシック手術
食べる話には「思い出型」があるとラジオで高橋源一郎が言っていた。「あなたが今まで食べた中で一番おいしかったものはなんですか」という問いに対する答えには「お父さんが夜中に作ってくれたホットケーキ」「登山の後のラーメン」など、「必ずしもおいしくはないが、シチュエーションと共に覚えている」(そして、大抵の場合は母の手料理ではない)特徴があるのだという。
あなたのおいしかった記憶はなんですか?
キュウリ